Oggi世代のキャリアの地図の描き方って?
30歳前後の働く女性にとって、キャリアの選択はライフイベントにも関わるだけに、慎重に検討したいもの。「私、このまま働いていていいのかな…?」 そんなモヤモヤは、現状を知ることから解消! まずは2023年現在のキャリア事情をプロふたりに伺いました。
教えていただいたのは…
▲キャリアアドバイザー・江﨑麻里奈さん
キャリアデザインセンター、女性向けスクールコミュニティのSHEを経て、現在はAmazon Japanにて人員調整や採用、労務、研修などを担当。キャリアアドバイザーとしても転職相談やセミナー登壇などの活動を行う。
▲「Another works」代表取締役・大林尚朝さん
1992年生まれ。パソナグループなどを経て複業マッチングプラットフォーム「複業クラウド」を運営。著書に『スキルマッチング型複業(副業)の実践書』(日本能率協会マネジメントセンター)。
売り手市場の今、理想のキャリアを実現しやすいとき!
コロナ禍以降、世代を取り巻くキャリア事情にはどんな変化が起こっている?
「今は圧倒的な人材不足により、転職や副業を考える人、社内でコツコツ頑張る人、育児中などでブランクがある人など、すべての人にチャンスが巡ってきています。
求人数が多いので転職や復職も成功しやすいし、企業側は人材の流出を避けたいので、社員の働き方の改善や部署の異動などを『相談してみたら叶えてくれた』というケースも多々。キャリアを切り開きやすい時期と言えます」(江﨑さん)
「コロナ禍以降、副業/複業に挑戦できる環境も整ってきました。今や副業はスキルの獲得を目的に実践する人が多数。とにかく人が欲しい企業側は、資格やスキルの有無はさほど重要視していません。
新しいスキルを学ぶためにスクールに通ったり資格を取ったりするよりも、まずは実践でスキルを積み上げるほうが早くて確実。不安なら、手始めに無償で引き受けてみるのも手。いきなり転職して『こんなはずじゃなかった』となるリスクも減らせます」(大林さん)
いいこと尽くめに見える現状で、注意すべきことはある?
「どんなキャリアを歩むにしても〝作業をこなす〟だけでは淘汰される時代はすぐそこまで来ています。配膳ロボや会計ソフトなどの普及で、単純な仕事は機械やAIに代わられていきます。自分の強みを見つけ、今の仕事の習熟度を上げる努力は必要です」(江﨑さん)
「まずは1年後、5年後の働く自分を思い描いてみて。『どんな暮らしを送りたいか』『家庭やプライベートはどうありたいか』など想像して、今の働き方で実現できるならそれを磨けばいいし、変えたいのなら興味のある職種から副業をしてみる。理想を明確にすることで、進むべき道も見えてくるはず」(大林さん)
キャリアにまつわる素朴なギモン
いざ転職や副業をしようと思っても「自分には何ができる」「選び方のポイントは?」と悩んでしまう人も多いのではないでしょうか? そんなキャリアにまつわる素朴な疑問にお答えします!
Q. 自分のスキルがなんなのかわかりません!
A. 一週間分の仕事を書き出してみて
「進捗管理、議事録作成、電話対応、会議セッティングetc. 自分にスキルなんてないと思っていても、その能力を欲しがっている企業はたくさんあります。まずは自分のスキルに”タグをつける”作業から始めて」(大林さん)
Q. 副業の業種選びのコツは?
A. 時給や月給で支払われる仕事を選んで
「ロゴ制作、Webデザインなどスポットで成果報酬が支払われる仕事は単価が安い傾向が。企業の業務委託など、時間に対して固定で賃金が発生する仕事のほうが効率的。経理、採用など今あるスキルでできる仕事は意外とあります」(大林さん)
Q. フリーランスに向き不向きはある?
A. 体力に自信のない人は要注意
「『週5で働く自信がないからフリーになる』という人がいますが、自分の責任で仕事をこなすぶん、気力、体力ともにタフさが求められるもの。〝フリーランス=ゆるく働く〟ではないことは肝に銘じて」(江﨑さん)
2023年Oggi10月号「働く私たちの『キャリア』見本帖」
イラスト/石 明子 構成/佐々木 恵・酒井亜希子(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部