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小暑とは?
小暑(しょうしょ)とは、1年を24の季節に分けた二十四節気(にじゅうしせっき)の11番目にあたる節気です。夏至(げし)の次に来る季節で、2023年の小暑は7月7日から22日までの16日間です。
小暑の時期は梅雨が明けて蝉が鳴き始め、夏の訪れを感じます。暑中見舞いを出す時期として覚えている方も多いでしょう。
二十四節気の小暑について、さらに詳しく解説します。
二十四節気のひとつ
小暑は二十四節気のひとつです。二十四節気は季節の変化を表す指標で、4つの季節をさらに6つに分割し、それぞれの期間に季節を表す名前をつけています。
古代中国で作られたとされる暦で、季節の移り変わりを表す指標として農業に役立てられていました。
古代中国では月の満ち欠けを基準にした太陰暦を、季節の変化を正確に把握する指標として二十四節気が使われていました。しかし、日本では実際の季節との間にズレが生じるため、節分や彼岸、八十八夜などの雑節(ざっせつ)とあわせて用いられています。
梅雨が明けて暑さが本格的になる季節
小暑はようやく梅雨が明け、暑さが本格的に到来する季節です。小暑には「暑さがだんだん強くなる時期」という意味があり、次の節気である大暑(たいしょ)と合わせた1ヵ間は厳しい暑さが続きます。
小暑は暑さが本番となるため、暑中見舞いを書く時期です。小暑から立秋の前日となる8月7日ごろまでが「暑中」となり、立秋(りっしゅう)に入ると残暑見舞いに変わります。
小暑の七十二侯
二十四節気の節気をさらに初侯・次侯・末侯という3つに分けたものが、七十二候(しちじゅうにこう)です。節気を約5日ごとに3等分し、それぞれの季節に見られる自然の移ろいを短い言葉で表現しています。
小暑の七十二候では、夏の始まりを感じることができます。
ここでは、小暑を初候・次侯・末候に分けた七十二候について、それぞれみてみましょう。
温風至
温風至(あつかぜいたる)は、日差しがだんだんと強くなる時期です。7月7日から11日ごろまでを指します。
温風とは梅雨明けのころに吹く南風のことで、「白南風(しろはえ)」とも呼ばれます。梅雨の間に吹く南風は「黒南風 (くろはえ)」で、いずれも南方から吹く湿った風ですが、雨雲が覆う梅雨空では黒、晴れ渡った青空の下では白と表現されているのです。
温風至の時期は湿った温かい空気が流れ込み、夏の到来を感じさせます。雷雲が発生しやすい時期でもあり、突然の雷雨が起こることも少なくありません。
蓮始開
次侯の、蓮始開(はすはじめてひらく)は7月12日から7月16日ごろで、蓮が花を咲かせる時期です。
蓮は水底から茎を伸ばし、夏の夜につぼみがゆっくりとほころんで朝の訪れとともに美しい花を咲かせます。昼が過ぎるころに花は閉じてしまい、3日ほど美しい花を咲かせながら4日目には散ってしまうのが特徴です。
蓮は仏教における神聖な花で、泥水で咲きながら美しい花を咲かせることで「蓮は泥より出でて泥に染まらず」ということわざにもなっています。どんなに劣悪な環境でも決してその環境に染まらず、清く正しく生きるという意味です。
鷹乃学習
末候の鷹乃学習(たかすなわちわざをならう)は、5月から6月にかけて孵化した鷹の雛が巣立ちの準備を始める時期です。7月17日から7月21日ごろにあたります。
鷹乃学習は、鷹の子どもが飛び方や狩りの方法を親から習い、独り立ちに備える時期です。鷹は本来、単独で行動する鳥であり、親子で舞う時期は限られています。親子鷹が空を舞う姿を見て、本格的な夏の訪れを知ることができるでしょう。
小暑の花や食べ物
小暑は、七十二候のひとつである蓮をはじめ、ナデシコ(撫子)やミソハギ(禊萩)、アサガオ(朝顔)といった花が見頃を迎える時期です。
食べ物では新ショウガや冬瓜、ゴーヤなどが旬を迎えます。とうもろこしやオクラ、トマトなど、小暑に食べ頃となる野菜も豊富です。
ここでは、小暑に楽しめる花や、旬を迎える食べ物をご紹介します。
季節の花
小暑は多くの花が見ごろを迎え、主に蓮やナデシコ(撫子)やミソハギ(禊萩)、アサガオ(朝顔)などがあげられます。
4日間しか花を咲かせない蓮は、早朝に開花して午前中の早い時間に花を閉じてしまうため、朝の早い時間に見に行くのがおすすめです。
ナデシコ(撫子)は世界中に300種は存在する多年草で、ピンクや白、赤などさまざまな色の花を咲かせます。
ミソハギ(禊萩)は、細い茎にピンク色の小さな花を咲かせる多年草です。水辺を好み、湿地や川のほとりなどで見かけます。
アサガオ(朝顔)も、小暑のころに咲きはじめる花です。白や青、ピンクなどさまざまな色の花を咲かせ、大きさも巨大輪から小輪まで変化に富んでいるのが特徴です。
ほかにもクチナシやキキョウ(桔梗)など、小暑の時期には多くの花を見ることができます。
旬の食べ物
小暑は、夏野菜など旬を迎える食べ物も少なくありません。小暑の時期に出回る新ショウガは通常の生姜のように貯蔵せず、そのまま出荷されます。繊維が少なくやわらかい新ショウガは、そのまま漬物にしてさわやかな香りやみずみずしさを楽しむことができます。
冬瓜やゴーヤ、とうもろこしなど夏ならではの野菜も、小暑の時期から店頭に並ぶ食べ物です。冬瓜という名前は、冬まで貯蔵できることから名付けられました。体を冷やす効果があり、夏場の食べ物として煮物やスープなどに利用されています。
苦味のある味が特徴のゴーヤは栄養価が高く、夏場を乗り切る野菜にピッタリです。とうもろこしは茹でてそのまま食べられるのが魅力で、夏のおやつとして親しまれています。
小暑は暑さ対策を始めよう
小暑は二十四節気のひとつで、梅雨が明け本格的な夏が始まる季節です。暑中見舞いはこの時期に書きましょう。日差しが強くなるので、外出時の日焼け予防も大切です。
見ごろを迎える花が多く、暑さを乗り切るための栄養豊かな旬の食べ物も豊富に出回ります。小暑を過ぎると厳しい暑さが続くため、対策は万全に行いましょう。
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