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2023.05.23

侮辱とはどんな意味? 言葉の使い方や例文、侮辱罪にあたる具体的な行為も解説

侮辱とは、相手を軽んじてはずかしめるという意味です。侮辱罪という犯罪になる場合もあり、自分の発言には注意しなければなりません。本記事では侮辱の意味や侮辱を使った例文をご紹介するとともに、類義語・対義語について解説します。

侮辱の読み方や意味

侮辱は「ぶじょく」と読みます。相手を軽んじ、見下して名誉などを傷つけるという意味です。軽率な言葉により、相手に不快な思いをさせることを表します。侮辱は犯罪になることもあり、相手を侮辱することのないよう、発言には十分に注意しなければなりません。

集団にからかわれている男性
(c)Shutterstock.com

ここでは、侮辱の意味や由来、侮辱罪の内容について解説します。

言葉の由来

侮辱の「侮(ぶ)」は相手のことを軽く見るという意味で、「あなどる、ばかにする」という意味もあります。「辱(じょく)」は「はずかしめる」という意味がある言葉です。

これらを組み合わせたのが言葉の由来で、ネガティブな意味合いで使われる言葉です。主に、「侮辱する」「侮辱発言」「侮辱的行為」といった使い方をします。

侮辱は犯罪になることも

近年はインターネット上の誹謗中傷が問題になることも多く見られます。WebサイトやSNS上で人を侮辱する発言や書き込みは侮辱罪という犯罪になるため、注意が必要です。

侮辱罪は刑法第231条に定められている犯罪で、人を侮辱するようなコメントを公然と発言したりインターネット上に書き込んだりすると罪に問われる可能性があります。

「公然」とは不特定多数の人が認識できる状態で、特定の少数に対する発言でも、その場にいた人から伝わって話が広がる可能性があれば、「公然」の要件を満たします。

名誉毀損との違い

侮辱罪のほかに名誉毀損罪(めいよきそんざい)という犯罪もあります。刑法230条に定められた犯罪です。人の社会的評価を低下させるような事実を公然と発言したり書き込んだりすると犯罪になる可能性があります。

侮辱罪と名誉毀損罪の違いは、事実を摘示しているかどうかです。事実が摘示されている場合は名誉毀損罪の成立が考えられ、事実を摘示せずに侮辱にあたる行為をした場合には侮辱罪が成立する可能性があります。

「事実」は、人の社会的評価を低下させるのに足りる事実であることが必要です。また、事実の内容は虚偽でなく真実であってもかまいません。

侮辱の例文

友達をからかう二人組
(c)Shutterstock.com

侮辱を使った例文をみてみましょう。

・彼は口が悪く、よく人を侮辱するようなことを言う

・インターネットで軽はずみな発言をすると、侮辱罪で訴えられることもある

・相手の侮辱行為には、毅然とした態度でのぞみたい

・いつもは黙ってやり過ごしているが、今回の侮辱発言は見過ごすことができない

・誰に対しても侮辱的言動や侮辱的行為は許されるものではない

・そのような発言は侮辱にあたる可能性があるので、よく考えてから発言した方がよい

・侮辱する言葉を投げられ、彼女は憤った

侮辱の類義語

侮辱には、「蔑視」「嘲弄」などよく似た言葉があります。蔑視は侮辱するような目で見ること、嘲弄は侮辱的な発言をするときに使います。どれも相手を侮辱する行為に使われます。

また、侮辱的で強い言葉を投げかける「罵倒」や、遠回しに相手を非難するようなことを言う「皮肉」なども類義語といえるでしょう。

侮辱の類義語をご紹介します。

蔑視

蔑視は「べっし」と読みます。相手をあなどって見くだすという意味です。対象となる人や物事を低く見るという意味合いになります。似たような意味に軽視がありますが、蔑視はそれよりも侮辱の意味合いが強い言葉です。

蔑視を使った例文をみてみましょう。

・そのような表現は女性蔑視と捉えられる可能性があるから、やめた方がよい

・職業で人を蔑視することはよくないことだ

嘲弄

嘲弄は「ちょうろう」と読みます。あざけって、ばかにするという意味です。「嘲弄」の「嘲」には「ばかにしてからかう」や「あざける」という意味があり、「弄」は「もてあそぶ」という意味があります。

似たような2つの言葉が重なり、ネガティブな意味合いの強い言葉になっています。

嘲弄の例文は、以下のとおりです。

・彼女は、人を嘲弄するような態度をとることがよくある

・彼は世間から嘲弄されても気にせず努力を重ね、今日の成功を手に入れた

侮辱の対義語

同僚を賞賛する様子
(c)Shutterstock.com

侮辱には対義語もあります。「尊敬」「敬意」「畏敬」など、相手を敬う言葉が該当します。尊敬とは他人の人格や行為を高いものと認めて敬う行為で、敬意は敬う気持ちを表します。畏敬は、心から服して敬うことです。

どれもニュアンスは同じですが、文脈や使う対象に応じて使い分けます。

ここでは、侮辱の対義語をご紹介しましょう。

尊敬

尊敬は「そんけい」と読みます。その人の人格や行為などを尊いものと認め、敬うという意味です。

尊敬の「尊」は「貴いもの・価値があるものとして重んじる」という意味があり、尊敬の「敬」は、相手を尊ぶ気持ちを態度で示すという意味があります。同じような言葉を組み合わせ、意味が強調されている言葉です。

尊敬を使った例文をみてみましょう。

・尊敬できる上司に出会えて良かったと思う

・いつも真面目に仕事をしている姿を見ると、尊敬の念が絶えない

敬意

敬意は「けいい」と読みます。尊敬を表す気持ちという意味です。尊敬とは、敬う対象と敬う気持ちの度合いが異なります。尊敬は個人に対して使うことが多く、使うシーンは比較的限定されています。

これに対し、敬意は不特定多数を指すことも多く、「若者」など広い範囲を対象にすることも少なくありません。

敬意を使った例文をいくつかご紹介します。

・目上の人には敬意を払えとよくいわれるが、最近はそのような敬意を感じられない若者も多い

・多くの人の前で勇気をもって発言した彼には、敬意を表したい

侮辱の意味を把握して正しく使おう

侮辱は相手を軽んじて見下すという意味で、侮辱にあたる発言は侮辱罪という犯罪になる可能性があります。似たような犯罪に名誉毀損罪があり、両者の違いは事実を摘示したかどうかです。

侮辱には類義語や対義語が多いため、合わせて覚えれば語彙を増やすことができます。例文を参考に、侮辱の意味を覚えて正しく使いましょう。

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