【目次】
・「蔑む」の意味や読み方とは
・蔑むの使い方を例文でチェック
・蔑むの類語にはどのようなものがある?
・蔑むの対義語にはどのようなものがある?
・蔑むの英語表現もチェック
・最後に
「蔑む」の意味や読み方とは
「蔑む」と書いて「さげすむ」と読みます。「さげしむ」と読んだり、「貶む」と表記することもあります。意味は「相手を自分より価値が低い、劣っていると見下すこと」。「蔑む」は、相手の人格を否定をするときや、人を馬鹿にするときに、よく使われる言葉です。あまり気持ちのいい言葉ではありませんね。
「蔑」という字には、「侮る、無視する」といった意味があります。「相手の価値を小さくした結果、無視をする」ということから、使われるようになったという説もあるようです。確かに、「蔑」を使った熟語を考えても、「軽蔑」、「侮蔑」、「蔑視」というように相手を軽んじる言葉ばかりが並びますね。
蔑むの使い方を例文でチェック
1:「人を蔑む言葉はあまり使わない方がいい。品位が下がるよ」
「蔑む」という言葉を使う際に、「蔑む言葉」や「蔑む目」と表現することがよくあります。例文で使われている「蔑む言葉」の意味は、「相手を見下す言葉」や「相手を馬鹿にする言葉」のことを指しますよ。
2:「少し失敗したからって、蔑むような目で見ないでくれ」
「蔑むような目」とは「相手を馬鹿にするような目」、「自分より劣っている相手を見る目」のことを指します。また、「蔑むような目」には、相手を見下す態度も含まれます。そのため、「蔑むような表情」や「蔑むような態度」と言い換えることもできますよ。
3:「元々仲の良かった友人から蔑まれるのは、かなりつらい」
「蔑む」は文語として使われることの多い言葉ですが、例文のように会話の中でも使うことができます。会話文で使われる場合は「蔑まれる」や「蔑むような」といった、受身や比喩の形で用いられることが一般的ですよ。
蔑むの類語にはどのようなものがある?
1:「蔑ろ」
こちらは、「ないがしろ」と読みます。「蔑む」と同じ漢字が含まれていますね。意味は「人や物を、まるで無いものかのように扱うこと」です。
「蔑む」の類義語ではありますが、微妙なニュアンスが異なります。「蔑む」は「自分より価値が下、劣っている」という意味合いですが、「蔑ろ」は「価値が下などではなく、そもそもの価値がない」という意味になります。「蔑ろ」の方がより突き放した表現になりますね。
したがって、「相手にも多少の価値はあるけど自分より格下」という場合には「蔑む」。「そもそも相手には価値がない」という場合は「蔑ろ」を使うと覚えておくといいですよ。
2:「侮る」
「侮る」は「あなどる」と読みます。「侮る」の意味は「相手を軽く見て、馬鹿にする」こと。
「侮る」は「蔑む」を使うときに比べ、相手を馬鹿にする気持ちが強く表れています。また、「侮る」は力や技術について見下す際に使われることが多いですよ。
3:「嘲る」
「嘲る」の読みは「あざける」。「蔑ろ」や「侮る」に比べるとあまり聞き馴染みのない言葉かもしれませんね。
「嘲る」は「相手を馬鹿にして、悪く言ったり笑ったりすること」を意味します。言葉に出して相手を馬鹿にする点が「蔑む」とは異なりますが、相手を見下している点は共通していますね。
蔑むの対義語にはどのようなものがある?
1:「敬う」
「敬う(うやまう)」の意味は、「人やものを大切にすること」、「相手を優れた人であるとして大切にし、礼を尽くすこと」。相手を見下す「蔑む」とは、正反対の意味になりますね。
2:「崇める」
こちらも「敬う」と似た意味を持つ言葉です。読み方は「あがめる」。「その人やもののことを最も尊いものとして、敬うこと」を意味します。「敬う」よりも、相手を尊敬する気持ちがより強くなった言葉です。そのため、一般的には「崇める」よりも「敬う」を使うことが多いですね。
3:「尊ぶ」
「とうとぶ」もしくは「たっとぶ」と読みます。「価値あるものとして重んじる」、「尊重する」という意味を持つことから、こちらも「蔑む」とは対義語であるといえますね。
蔑むの英語表現もチェック
「蔑む」の英語表現は、いくつか存在します。直訳をする場合は「despise」が最も「蔑む」の意味に近い単語になりますよ。
しかしながら、最も一般的なのは「look down upon」という表現。「見下す」や「見下げる」という意味を持つ英語表現です。また、「見下す」よりも「蔑ろ」に近い表現にしたいときは、「disdain」を使うことで違いを表現することができます。
他にも文脈によっては「contempt」や「scorn」が「嘲る」に近い「蔑む」の表現として使うことができますよ。このように「蔑む」を意味する英単語は多数存在しますので、場面に合わせて的確な表現をセレクトしてみてくださいね。
最後に
「蔑む」という言葉について、いかがだったでしょうか? あまり日常の中では聞きたい言葉ではありませんね。しかしながら、人と話しているときや、誰かが失敗をしたとき。気付いていないだけで、実はあなたも相手を蔑んでしまったことがあるかもしれません。
人に対して蔑んだり、「蔑むような言葉」や「表情」をして、相手を傷つけないように注意しましょう。
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