この料理のトリコに♡
“食”の好みの差は男女交際や結婚において重要といってもいいもの。手料理も人によって価値観が異なり、たとえ王道のメニューでも育った環境や地域性によって味付けが異なる場合もあります。
そんな価値観の差を埋めることも親密度を高める方法かもしれませんが、“食”へのアイデンティティーを知ってもらう絶好のチャンスが“故郷の味”! ソウルフードは食への価値観を認め合うことができる絶好のメニュー!
今回はそんな“故郷の味”を軸に、食への価値観の違いを埋めることができた男女の話を聞いてみましょう。
青森・せんべい汁(サトミさん・30歳)
「青森生まれの私。寒い冬を乗り越えるには温かい汁物・鍋料理が定番で、得意料理でもあります。ある冬の日『こんなに寒い日にはぴったりだ』と思い、彼に大好きな“せんべい汁”を食べてもらおうと作ってみることにしました♪
けれど暑がりで汁物をあまり好んで食べてこなかった&薄味の彼は『東北料理はしょっぱいって聞くけど本当?』となんだか恐る恐るな様子!?
確かに豪雪地域の東北では食料を長期保存するために塩漬けにすることもあるし、その食材で作る体温保持も兼ねる理にかなった食べ物は多いです。
でも今までの彼を見ていると絶対にハマるはず… 『いいから一度食べてみて!』と食卓に出すと“おせんべい=パリパリ”という概念を吹き飛ばすお料理に驚きの彼! アルデンテパスタのような食感にやみつきになったようです。
そしてなんと夏でも『せんべい汁食べたいなあ』と言うように。この冬なんて『今日は寒波だからせんべい汁お願いしてもいい?』なんて言葉が何度も飛び、すっかり私の得意料理のトリコになっちゃいました(笑)」
大阪・麺料理の出汁つゆ(ユリさん・28歳)
「大阪生まれの私が東京に来ていっちばん驚いたことが、麺の“おつゆ”の濃さ! うどん… 蕎麦… ラーメン… カップ麺… 最初は何もかもが濃すぎて驚きました。初めて東京でざる蕎麦を食べたときには『え、蕎麦つゆやなくて醤油やん…』と思ったのを覚えています(汗)。
上京して10年が経った今でも、お店のうどんや蕎麦は既に口に合うとわかっている特定のものしか食べる勇気がなく、大好きなどん兵衛も関東と関西では味が異なるので、母親に関西のものを送ってもらっています(笑)。
そんなこともあり、麺料理はもっぱらお家で自作派。私は圧倒的にうどん好きなので、甘めのきつねうどんや薬味たっぷりのざるうどん、変わり種で鴨南蛮うどんなど、なんでも作ります。
旦那さんと交際中のときに初めてお手製のきつねうどんを出したら、関東育ちの彼は『関西のつゆは本当に色が薄いね〜』と言っていましたが、一口食べて色は薄くてもしっかりしたおつゆの味に感動した様子。
いつのまにか旦那さんも“関西のおつゆ”が当たり前になり、私が作るきつねうどんが大好物に。さらに夏は週5でざるうどんやざる蕎麦が続いても『本当につゆが美味しくて最高』と喜んでくれるので、専業主婦の私はとっても助かっています(笑)」
東京・深川めし(カズキさん・31歳)
「東京生まれの僕には大好きな“郷土料理”があります。こんなことを言うと彼女に『東京にも郷土料理があるんだ』とびっくりされましたが、きちんとあるんです。
お寿司やもんじゃ焼きが代表的ですが、数ある東京の郷土料理のなかでも、江東区育ちの僕が小さい頃から大好きなのは“深川めし”! ネギとアサリが米が一体化した絶品料理です。
一人暮らしを始めてからは母親から聞いたレシピでたまに作っていたので、彼女にも食べてもらうことに。初めて食べた味に『美味しい!』ととっても喜んでくれて、今では最低でも月1で作るように。
自分の生まれ育った町の郷土料理を恋人も愛してくれるのは、やっぱり嬉しいですね!」
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地域性に富み食材豊富な日本には、まだ味わったことのない料理がたくさん。自分を育ててくれた故郷の料理をパートナーに食べてもらうのは、大きな意義がありますよね。相手の好みを知るうえでも、生まれ育った地域の味付けは恋愛の良いエッセンスとなってくれるのではないでしょうか。
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OLライター タケ子
恋愛コラムや指南書を読み漁り、婚活の糧にしているOLライター。スイーツや食にも興味あり♪