日本のさまざまな「1位」を堪能する弾丸旅。今回は都心から約80分の大自然に囲まれた里山、埼玉県・秩父地域へ!
「秩父」と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか!?
私が思ったのは、とにかく自然が豊かだということ。夏に楽しめる渓流下りをいつかは体験したい。昔、行列並んで大人気のかき氷屋さんに食べに行ったな、そして、秩父で訪れたゴルフ場がものすごく狭い山間コースで、ボールがたくさんなくなった… という苦い思い出も(笑)。
「秩父」と言っても私が過去に訪れたことがあったり、想像していたのは「長瀞」らしく…。今回は秩父市、そして美しい山里と名水のまちとして知られる小鹿野町をメインに、1泊2日の旅を楽しんできました。
◆池袋から特急ラビューで約80分「西武秩父駅」から旅はスタート!
池袋から西武鉄道・特急ラビューに乗車。目も覚めるような鮮やかなシートに座り、約80分であっという間に西武秩父駅に到着。ちなみに秩父往復のお得なきっぷも限定で発売されていたりするので、事前に要チェックです!
バスや電車で観光地を回ったり、駅周り&駅併設のフードコートでご当地グルメもそこそこには楽しめますが、効率的に欲張り旅を楽しむのなら、駅前でレンタカーを借りて回るのが断然おすすめ。
【秩父の1位スポット その1】
そのはじまりは1900年も前!? 関東最強のパワースポット「三峯神社」
約1900年も前に日本武尊(やまとたけるのみこと)がこの地の美しい景色に魅せられ、日本神話の神々を祀ったことがはじまりだと伝えられている三峯神社(みつみねじんじゃ)。
標高1,100m以上ある奥秩父の山中にあり、関東最強のパワースポットともいわれている、知る人ぞ知る神社です。コロナ禍以前は毎月1日に限定で白いお守りが配布されていて、そのお守りをゲットした経営者やアスリートが大きな成功をつかんだとの噂も…。
◆参道口ではまず、三ツ鳥居&“大神”に注目!
三峯神社の参道口には日本では数少なく珍しい三ツ鳥居があり、その鳥居の前には狛犬ではなく、オオカミが鎮座しているのが特徴。オオカミ=大神ともいわれ、動物界では徳の高い神様の使いとされているのだとか。
境内には古事記や日本書紀にも登場する古代の英雄・日本武尊の像も。圧巻の大きさ!
緑豊かな境内に一歩足を踏み入れると、神聖な空気に包まれていて…。スピリチュアル的感覚が鋭くなくても、歩いているだけでびしばしパワーチャージできている感覚に! 標高が高い場所にあるので境内は霧に包まれることも多いそうで、濃霧の日もまた幻想的なムードがありそう♪
◆拝殿の左右に鎮座する御神木からもしっかりとパワーをいただいて…
艶やか、かつ厳格な雰囲気を放つ拝殿の左右には、樹齢800年とも言われ絶大なパワーをもつといわれている御神木が。拝殿でお参りをした後は左右の御神木を拝める場所もあるので、しっかり手を合わせて開運祈願を!
◆全国の神々を祀る摂末社
拝殿の右奥には伊勢神宮や東照宮など、全国各地の神様が祀られている摂末社があるのも興味深い! 気になる神社を参拝したり、以前訪れて、ご利益を感じた神様にお礼参りしたり…。
三峯神社奥宮はさらなるパワースポットともいわれていますが、道中にはロープを伝って岩場を上る箇所があったり、かなりハードらしい&時間が足りなかったので今回は断念。
代わりに、岩峰の頂に鎮座する奥宮を拝めるこちらの奥宮遥拝殿で参拝。ここでは健康と浄化の御利益がいただけるとか。見渡す限りの山々の裾野に、季節や時間帯、天気によっては雲海がかかることも!
癒される絶景とともに、神聖な空気に包まれ、みなぎるパワーをいただける三峯神社。西武秩父駅からは電車+バス利用でも、車で向かってもかなり時間を要する場所ではありますが、秩父地域に来たのなら是が非でも寄りたい神社です。
【三峯神社】
住所:埼玉県秩父市三峰298-1
【秩父の1位スポット その2】
規模感最大級! ライトアップも幻想的な「尾ノ内氷柱」
地元の方々の手で人工的に作られた秩父・小鹿野村の名物でもある尾ノ内氷柱。こちらは過去のライトアップの画像になりますが、吊り橋からの眺めは本当に圧巻です!
◆ここからさらに季節が進み、氷柱がさらにダイナミックに拡大中!
1月上旬にうかがったときは、まだ氷柱の出来が7割程度でしたが…。1月末~2月に入ってからのたびたびの寒波で、氷柱がより密集し、山肌が見えないほどに拡大中とのこと。昼間の立体感際立つ一面の真っ白な氷柱、どんな眺めになっているのか気になります! 商工会のメンバーが集って、毎年さまざまな仕掛けやライトアップを試行錯誤しながら手掛けていらっしゃるというのにも脱帽。ライトアップはマイクロ水力の自家発電で、ecoにもこだわるという姿勢もすばらしい!
ちなみに秩父地域にはほかにも、あしがくぼの氷柱、三十槌の氷柱もあり。それぞれ表情も規模感も異なるので、冬の秩父は氷柱巡りもおすすめです♪
◆11月には尾ノ内渓谷紅葉まつりも!
氷柱が楽しめる尾ノ内渓谷の同じ場所で、秋には紅葉まつりの開催も。
小鹿野町内にある関東最大級のダリアを誇る「両神山麓(りょうかみさんろく)花の郷ダリア園」の11月初旬の営業終了(冬季閉園のため)後に、鮮やかに咲き誇っていたダリアの花を切り取り、渓谷の滝壺や吊り橋をデコレーション。ピンクや黄色の花々が渓谷を艶やかに彩る景色も、一度は体感したい絶景です。
【尾ノ内氷柱】
ナビ検索住所:埼玉県秩父郡小鹿野町河原沢996-1
最新情報はTEL:0494-76-0066 または西秩父商工会 尾ノ内氷柱情報HPを参照ください。
※2023年の営業は2月26日(日)まで(8:00~16:00)の予定(天候や氷結状況、積雪等により開催期間の変更や中止があります)。入場料は大人¥400。
【秩父の1位スポット その3】
日本通貨発祥の地「和銅遺跡」
西暦708年に武蔵国秩父郡から銅が献上され、これを喜んだ朝廷は年号を「和銅」と改元。日本最初の貨幣・和同開珎が発行されました。
この貨幣に使われた「和銅」が採掘された跡が和銅遺跡として秩父市に残されていて、“映える”モニュメントがあると知り、なんだか金運もアップしそうだし… とワクワクしながら現場へ! ネットで見ていた時にはサイズ感がわからなかったのですが、このモニュメントが高さ5mもあり、かなり大きくてビックリ。
かなり上のほうにもお賽銭がのせられていて…もしモニュメントによじ登ってのせたのだとしたら罰が当たりそう…。とりあえず、金運アップを願って、背伸びして届く一番高いところに5円硬貨を置いてみました!
◆金運アップの「聖神社」も参拝
和銅元年に創建され、当時採掘された和銅石13個(神社に現存するのは大小2個)や元明天皇下賜の銅製の蜈蚣の雌雄一対が御神宝として納められ、今に伝えられているのが和銅遺跡に隣接する聖神社。
「お金に不自由しない」と伝えられる銭神様が祀られており、お金にまつわるパワースポットとしても人気。宝くじを当てたいときなどにもご利益をいただけるんだとか。もちろんこちらでも欲張りに(「とにかくお金持ちになりたい」などという貪欲さは捨て、あくまでも謙虚にw)お参りしてきました! SNS映えのみならず、秩父という地の歴史を感じられるスポットです。
【聖神社】
埼玉県秩父市黒谷2191
【秩父の1位スポット その4】
日本初の重力系アクティビティパーク「秩父ジオグラビティパーク」
秩父の自然の中に突如現れる秩父ジオグラビティパークは、アドベンチャースポーツが大好きなメンバーで編成され、2019年にオープンした施設。日本のアドベンチャーツーリズムの水準をさらに高め、アドベンチャーシーンに改革をもたらすのがテーマで、日本初のアクティビティをはじめとするユニークな体験をすることができます。
渓谷スイングに落下、そして特大ブランコを組み合わせた「キャニオンスイング」や、日本初の吊り橋からのバンジー「キャニオンバンジー」は、日本ではここでしか体験できない究極の重力系アクティビティ。
地上から57mで宙ぶらりんになりその後に47mも落下し、大自然の中でバンジー×ブランコを体験できるというアクティビティは、想像しただけで絶叫してしまいますよね!
◆初心者には「キャニオンウォーク&フライ」がおすすめ!
「キャニオンスイング」にも興味が少しはありつつも、ビビりな弾丸トラベライター・門司はキャニオンウォーク&フライ(¥3,500~)を体験。全長約100m、高さ60mオーバーの渓谷ジップラインは、なんともダイナミック! 行きは「イェ~~~イ♪」と思わず声を出してしまうくらい爽快感があり、無重力感が堪能でき楽しかったです!
ちなみに、ここ秩父ジオグラビティパークの安全基準は最先端の国際基準に準じており、スタッフへの教育もしっかりと行われ、最高級な機材が使用されているのだとか。ハーネスの装着はもちろんしっかりと、何度も確認して丁寧に、スタッフ全員が連携をとりながら、厳しい安全基準を日々徹底しているのだそう。
◆帰りは… 隙間の開いた踏板の吊り橋を戻るという試練が…!
ジップラインの爽快感にすっかり飲み込まれ、帰途についてすっかり忘れていました。「キャニオンウォーク&フライ」なので、帰りは自分の足を使ってのウォーク…。わずか4本のワイヤーと隙間の空いた踏板だけでできている吊り橋は、スタート地点まで戻るのに100m近くもあるんです。
足元、そして周りを見まわせば荒川渓谷の絶景が広がっているにもかかわらず、高さは約60m、まったく見ている余裕なんてありません(泣)! もちろんハーネスは装着したままですが、両手でワイヤーを必死につかみながら、絶妙な隙間から落ちないよう、恐る恐る足を上げて進んでいくのみ。
往路はジップラインでほんの一瞬でしたが、復路はその何倍の時間がかかったことか…。スタート地点に戻ったときには、ワイヤーを全身全霊で握り過ぎたせいか、腕の付け根や肩回りの筋肉がガチガチに。
おもしろかったし、ドキドキしたし、最高の気分転換にはなりましたが、疲れました(笑)。日常を忘れしばしの非日常感、スリルが欲しいという方、最高のリフレッシュ感を味わいたい方はぜひ!
◆秩父ジオグラビティパークはかかしの里「贄川宿」に
秩父ジオグラビティパークは、江戸時代から三峯神社参拝の祈りの宿場として栄えた贄川宿にあります。
近隣の宿場町のなごりのある街並みには、さまざまな表情のかかしが約60体も、暮らすように佇む姿が。ちょっぴりシュールだけれど、見れば見るほど愛らしい♡ 「みんな、撮って!」と言わんばかりの表情です。秩父ジオグラビティパークに寄ったなら、ぜひ贄川宿の愛嬌たっぷりのかかしにも会ってきてくださいね!
【秩父ジオグラビティパーク】
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【秩父の1位スポット その5】
日本イチの雲海が見えるかも!? な「秩父ミューズパーク展望台」
雲海が見られるかも!? と小鹿野町の宿に1泊した翌早朝、車を走らせてたどり着いたのは、秩父の雲海観測スポットとして有名な秩父ミューズパーク展望台。
日の出前に展望台までたどり着きましたが、残念ながら雲海はほとんど発生しておらず…。その代わり、山肌からジワジワと顔を出す輝きあふれる朝日からのパワー、しっかりと受け止めてきました!
雲海が最も発生率の高い時期は11月で5割近く、次に高いのは4月で2割強、それ以外では1割前後。前日に降雨(降雪)などがあり、湿度が高く、当日は晴れの日に雲海がより発生しやすいそう。
湿度や気象条件などが揃ったときにタイミングよく出合える美しき雲海、より日ごろの行いをよくして、雲海観測リベンジを果たしたいと思います!
【秩父ミューズパーク】
埼玉県秩父郡 小鹿野町長留2518
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次回は秩父でしか出会えない絶品ご当地グルメについて、たっぷりとお伝えしたいと思います! お楽しみに♡
弾丸トラベライター 門司紀子
大学在学時からCanCam編集部にて編集アシスタントとして“雑誌づくり”のキャリアをスタート。約20年、フリーランスエディター&ライターとして活動。趣味は弾丸旅と料理とゴルフ。コロナ禍以前は月イチで台北にごはんを食べに台北への日帰り弾丸旅を敢行。昨今は食べまくり飲みまくり動きまくり充実の国内旅を堪能中。著書に『台北日帰り弾丸旅食べまくり! 1年12回』、『弾丸トラベライターの台湾妄想旅ごはん』、『たった2コの食材でキレイになれる 魔法のニコサラダ』(すべて小学館刊)。