なぜモノを買っても幸せになれないのか?
欲しいモノができると、手に入れた時のことを考えて気分が高揚しますよね。
「シャネルのバッグにプラダのハイヒールで、パーティーの主役になりたい!」
「結婚したら一戸建てを建てるのが、人生の醍醐味!」
このように買い物で興奮するのは、ドーパミンという神経伝達物質が分泌されるためです。
ドーパミンは「何かに期待している時に一番出る」という特徴があるので、欲しいものを手に入れる前が一番多く分泌されます。
さらに、ストレスが溜まっていたり、寝不足だったりするとより顕著になります。
しかしドーパミンの作用は長く続かないという特徴があるので、購入する時がピークで、後日、激減した貯金額を見て購入前よりも幸福度が下がってしまうことがあるんです。また、ドーパミンには、その快楽を忘れられずに依存症になりやすいという特徴も!
実際、私も新入社員の頃は月170時間の残業があり、ストレスと寝不足で、僅かな休日は買い物で発散させていました。しかし、買えば買うほどもっと欲しくなり、貯金ができないまま4年が経ち、残業知らずの仕事に就いた友人は貯金が400万もあると聞いた時に卒倒しそうになりました。結局20代の頃は身を粉にして働いたにもかかわらず、一円もそのお金は残らなかったのです。
また、リボ払いで借金をして返せなくなった人の相談をよく受けます。友達のプレゼントに見栄を張ったのがきっかけで、見栄を張らずにはいられない生活に陥り、身分不相応な生活を続けて、ついには借金を200万円まで膨らましてしまったとか……。
ここからわかるのは、モノを買って一瞬の快楽は手に入るものの、続けていけば依存症に陥り、本当の幸せにはなれないどころか、人生を破産させてしまう可能性すらあるということです。
モノに執着する人と、しない人
古い世代の人ほどモノに執着するのはなぜでしょうか? その背景には戦後のモノがなく、必死にモノを追いかけた時代があったと考えます。そして、政府はマイホームやマイカーが幸せの象徴であると国民に印象付けて、住宅ローンを後押しし、国民に借金を負わせ会社に従属させることで経済発展を遂げたのです。しかもそれを引きずっているだけではなく、企業も同様の戦略を行い続けているため、テレビをよく見る人ほど購買意欲が高いのです。
しかし、今はモノが溢れている時代です。これを読んでいるあなたは次のステージに進めます! ドーパミン以外の、セロトニン、オキシトシンという幸福ホルモンをご紹介します。
書籍『精神科医が見つけた-3つの幸福-最新科学から最高の人生をつくる方法』(著 樺沢紫苑)によると、セロトニンは健康ホルモンと呼ばれ、例えば、朝散歩で朝日を浴びたり、運動や森林浴をしたりすることで感じる穏やかな気持ちの正体です。
オキシトシンは愛情ホルモンと呼ばれ、例えば、家族やペットと一緒にいることや趣味を楽しむことで感じる気持ちの正体です。
これらのホルモンは継続しやすく依存性も低いため、習慣的に感じられる環境を作ることで幸福感を長く感じることができます。
なので、モノを買って、貯金額の減少に後悔するよりも、公園に散歩やピクニックに行ったり、家族や友人に感謝の気持ちを伝えたり、ペットを飼ったりしたほうが、幸せになれるということです。
これらにお金はそれほどかかりません。
「本当の幸せはお金では買えない」
なんとなくあなたもわかっていましたよね?
なので、モノや物欲を捨てると、人生が不幸になるのでは? と思って、節約が進まない人は、むしろモノと物欲を手放し、本当の幸せの道に進みましょう。
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