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LIFESTYLE

2022.12.18

初詣やおせちはNG? 食事や買い物は? 喪中の年末年始の過ごし方〈仏事・終活プロ監修〉

喪中は、亡くなった方を偲(しの)び、供養をして静かに過ごす期間。年末年始を迎える際にも、お正月のお祝いは控える必要があります。具体的にどのように過ごすのか、やってもいいこと控えるべきことなどをご紹介します。「メモリアルアートの大野屋」の終活・仏事アドバイザー・川島敦郎さんによるコラム。

終活・仏事アドバイザー 川島敦郎

喪中とは? 忌中との違いも確認

喪中とは、身内の方が亡くなった後、3ヶ月から1年に渡って、「喪に服す」期間のことです。

喪中には、亡くなった方を偲んで、供養のために静かに身を慎んで過ごします。誕生日や結婚式などのお祝いごとや、楽しい旅行、飲み会などは謹んで、亡くなった方の死を悼みます。

一般的に、喪に服す期間は、次のようになっています。

・配偶者:1年間
・一親等/父母・子などが亡くなった場合:1年間
・二親等/祖父母・兄弟姉妹・孫などが亡くなった場合:3ヶ月
・三親等/叔父・叔母・甥・姪などが亡くなった場合:期間はそれぞれの考えで決めて良い

◆忌中(きちゅう)とは?

喪中の過ごし方を考える際に、忌中についても理解しておくことが大事です。

忌中は、神道(しんとう)では亡くなった後、50日目に行われる「五十日祭」までの期間を言います。

また仏教では、亡くなってから49日目に行われる「四十九日法要」が終わるまでの期間を忌中とします。

忌中が終わることを、「忌が明ける」と言い、忌が明けるまでは喪中と同様にお祝いごとは控えます。忌中は、喪中よりも強い意味合いを持ちます。

喪中の間にどうしてもお祝いごとをしたいということ、例えば、一生に一度しかない子どもや孫のお宮参りや七五三が喪中の期間と重なってしまったなど、どうしても今の時期しかお祝いできない、といったような特別な事情がある場合、「忌が明けていれば、喪中でもお祝いごとをしてもいい」という考えがあります。関係者全員の了承の下であれば、忌中でなければ、喪中の間でもお祝いしても良いのではないかということです。

もし忌が明けていなければ、お祝いごとは控えようとなるわけです。

それだけ忌中は重要視されています。

黒いリボンをもつ女性
(c)Shutterstock.com

喪中の年越しとお正月の過ごし方

さて、喪中の過ごし方のお話に戻りましょう。喪中期間には、先ほどもお伝えしたようにお祝いごとやパーティー、イベントは控えます。ですから、年末年始も同様に控えます。

年末に松飾りを飾ったり、鏡餅をお供えしたり、おせち料理を準備したりするなど、新年をお祝いするための準備をする過ごし方はしません。神道では、元旦には歳神様が高い山から降りてきて、家々に新年の幸せをもたらすといわれていますが、喪中の家にはいかないといわれます。

ですから、歳神様の依り代である鏡餅を飾ってはいけません。おせち料理も、本来、歳神様へのお供えですから、用意するのは控えましょう。

年が明けてからの、新年のご挨拶や初詣、新年会などのお祝いごともすべて慎みます。

喪中の年末年始は、普通の暮らしをしながら、亡くなった方の供養のために過ごします

◆三が日を過ぎたらお参りしても良い

初詣という名目ではなく、神社やお寺にお参りに行くのは問題ありません。ただし、正月三が日には初詣の方が多く訪れますので控え、1月4日か5日に行きましょう。「昨年はありがとうございました。今年もよろしくお願いいたします」とお参りします。その際、お札を納めたり、おみくじを引いたりしても問題ありません。それらはお祝いごとではないためです。

ただし、神社に行く場合、気をつけるべきなのは、忌中であればたとえお参りという名目であっても控えなければならないことです。神社は、神道の教えで「死を穢(けが)れ」としており、忌中の期間には境内には入ってはいけません。そのため、忌中であれば神社に行くのは控えます。

一方、お寺は仏教の教えに基づいており、死を穢れとはしていませんので、忌中であっても境内に入ってかまいません。もし忌中の方が新年にお参りに行く場合は、4日か5日にお寺に行きましょう。

◆お年玉は「文具代」「本代」などに

お年玉は新年のお祝いですので、基本的には控えます。しかし、自分の子どもや甥や姪にお年玉を用意したいこともあるでしょう。

その場合は、お年玉用のポチ袋ではなく、白い無地の封筒にお金を入れ、「文房具代」「本代」という意味合いで渡すのであれば、問題ありません。

◆年越しそばは食べて良い

年越しそばは本来、長寿や無病息災を願い、縁起を担ぐものであり、お供えものではないため、食べても問題ありません。ただし、地域によって、また人によって意見が異なることもありますので配慮した上で判断しましょう。

◆ごちそうやお餅は食べて良い

おせち料理という名目ではなく、いつもより豪華な料理を食べることはかまいません。料理の内容は、おせち料理とほぼ同じであっても、紅白の祝い膳や祝箸を使わず、いつもの食器と箸で食べるのには問題ありません。

またお餅自体はお祝いものではありませんので、鏡餅にしなければ、普通にお餅をお雑煮やお汁粉、磯辺焼きなどどのような形でも食べてかまいません。

◆買い物に行っても問題ない

お正月といえば、初売りセールや福袋ですが、それらはお祝いごとなので控えるべきです。ただし、三が日にデパートやスーパーに買い物に行くこと自体は問題ありません。行く目的として、初売りセールや福袋というお祝いごとを控える意識が大切です。

買い物袋をもつ女性
(c)Shutterstock.com

喪中の新年会の断り方

喪中には会社や友人の間で開催される新年会もお断りします。新年会は、喪中の方を誘わないのが本来のマナーですが、相手が喪中と知らなければ誘われることもあるでしょう。

その場合、断り方に迷う方もいるのではないでしょうか。

基本的に「実は昨年、母が亡くなり、喪中なので、辞退させていただきます」などと伝えてお断りして問題ありません。

ただ、できれば近親者が亡くなったことを知らせたくないということもあるかもしれません。その場合には、一番親しい人に伝えてお断りをすると良いですね。もし親しい人がおらず、伝えたくない場合には、別の用事を作るか、病欠などを理由にお断りしても良いでしょう。

また喪中であっても、自分の意思で参加する方もいます。しかし、安易に参加して、後日周囲に喪中であることを知られたら、「あの人、最近お母さんが亡くなったらしいのに、なんで新年会であんなにはしゃいでいたの?」などと思われてしまうかもしれません。

またそれが自分の兄弟姉妹や叔父叔母などの耳に入り、「なんて無情な娘だ」と思われてしまうこともあるでしょう。喪中なら、できるだけ控えるようにした方が良いでしょう

最後に

喪中の年末年始の過ごし方をご紹介しました。年越しやお正月に限らず、喪中にはお祝いごと全般を控えて、故人を偲び、供養のために過ごしましょう。

一方で、どうしてもという特別な事情がある場合は、忌中でなければおこなっても良く、逆に忌中であれば、何があってもお祝いごとは行わないという考え方を、よく押さえておくことをおすすめしめす。喪中の過ごし方を考える際には、ぜひ参考にしてください。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

メモリアルアートの大野屋 終活・仏事アドバイザー 川島敦郎

1956年東京都出身。大学卒業後ブライダル会社に勤務。企画やプランナー育成に携わり、業界資格の試験官も務めたエキスパート。ブライダルの世界から2005年にメモリアルアートの大野屋に入社。葬儀ディレクター、生前相談アドバイザー、セミナー講師としても活躍し、現在「大野屋テレホンセンター」で仏事アドバイザーとして年間5000件以上の相談に答える。

大野屋テレホンセンター著「もう悩まない! 葬儀仏事お墓ズバリ! 解決アンサー」(二見書房)、監修「小さな葬儀とお墓選び・墓じまい」(自由国民社)

お電話窓口:0120-02-8888

メモリアルアートの大野屋

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