著作権とは?
人が思ったり考えたりしたことを、芸術や文章のかたちで表現した作品を保護する権利です。音楽や小説、絵画や漫画、そして写真など、思想や感情を創作的に表現したものに対して与えられる権利のことを「著作権」といいます。
ほかに表現されたかたちがアイデアの場合は「特許権」、デザインの場合は「意匠権」で、それぞれ知的財産が保護されます。
著作権に期限はある!
実は著作権は永遠に保護されるものではありません。作品の著者の死後70年間、映画や個人名義でない場合は作品の公表から70年と期限が設定されています。ただ、特許権が出願から20年、意匠権が25年であることを考えると非常に長い期間、保護されますね。
ちなみに2018年にこの法律が変わりました。昔の作品は50年だったんです。映画についてはけっこう前から70年とされ、この著作権の期限ひとつとってもかなり複雑なんです。
さて、本題です。
そのスクショ、ネットにアップして大丈夫?
Twitterやインスタにアニメや映画のワンシーンをスクショしてUPする行為、実は基本的にNG。スクショ自体はその作品が合法的に公開されているのであればOKですが、無断アップロードはほとんどの場合NGです。その場面を解説するなどの目的(引用)であれば認められますが、Twitterやインスタへのアップで引用が認められることは稀でしょう。地裁レベルですが、スクショ引用を行った側に不利な判決となった裁判例もあります(令和3年(ワ)第15819号)。
Twitterには引用ツイートが用意されていますし、インスタにはリポストが用意されていますので、そちらを使いましょう。ただし元の投稿がもし著作権法に違反している場合は、著作権侵害の幇助とみなされるため注意が必要です。
著作権を侵害したらどうなる?
著作権を侵害すると、著作権者から使用の差止や損害賠償を請求される恐れがあります。もっとも、先に警告状などが送られてくることが通常です。
また、創作物がたまたま誰かの作品と似ていたというだけでは、著作権侵害とはなりません。「似ている」+「その作品を参考にした場合」に、著作権侵害となります。また、故意に侵害した場合には刑事罰を受けることもあり得ます。
インターネットという便利なツールの下で、著作権法もデジタル社会に対応する改正を順次おこなわれています。大好きな作品や推しを応援したり、自分と似た趣味や価値観の人とも気軽につながれたりできるSNS。著作権を理解したうえで正しい方法で情報の発信をしていくようにしましょう。
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弁護士 烏丸莉也
知的財産案件に強い米国弁護士。著作権検定上級や温泉ソムリエなど幅広い資格を持つ。