この花は何の野菜? 赤い実をつける食材
野菜の花は、その実と花の色が異なることがあり、驚くこともしばしば。この連載でもたくさん紹介していますが、意外なものばかりです。
今回は白い花を咲かせるのに、赤くて刺激的な野菜がとれる食材を紹介します。
この花は何の野菜か知っていますか?
正解は、「唐辛子」の花です!
正解は、唐辛子の花でした! 唐辛子はナス科の食べ物で、ピーマンの花に似た花を咲かせます。
七味や鷹の爪のように乾燥したものが流通しているため、旬の時期はないように思えますが、実はあります。
青唐辛子は6〜8月、赤唐辛子は7〜10月、夏〜秋にかけて旬を迎えます。
また、唐辛子は世界中で食べられているためか、たくさんの種類があり、味わいもそれぞれ違うのだそう。
一般的には、以下のように言われています。
青唐辛子:生が辛く、熱を加えるとマイルドに
赤唐辛子:生は比較的甘味があり、加熱すると辛味が増す。刻んだ方が辛味が強くなる傾向がある。
国内の生産地は、栃木県、大分県、福岡県など。有名な品種でいうと、清水森ナンバ(赤・青)、香川本鷹(赤)、万願寺甘とう(青)などがあります。
◆唐辛子の歴史
唐辛子の原産地は、熱帯アメリカ。紀元前7000〜8000年頃には栽培されていたとか。
世界に唐辛子が広まったのは、コロンブスの船旅から。15世紀にヨーロッパへ持ち込み、そこから伝播して16世紀にはインドやアジアへ到達した模様。
日本へは、南蛮渡来船が持ち込んだ説、ポルトガル人宣教師が伝えた説、豊臣秀吉の朝鮮出兵時に持ち帰った説、さまざまな説がありますが、15〜16世紀頃には存在していたと言われています。
◆唐辛子の栄養
唐辛子には、カプサイシン、ビタミンC、カロテン、ビタミンEなどが含まれています。
それぞれの効能を見ていきましょう。
・カプサイシン… 発汗作用や血行促進・代謝アップ、食欲増進効果が見込める
・ビタミンC… 疲労回復、肌荒れ改善が期待でき、免疫力を高め風邪予防にも
・カロテン… 目や皮膚の健康をサポート、美髪、抗酸化作用
・ビタミンE… 動脈硬化や血栓の予防、血圧の低下、悪玉コレステロールの減少に働く
ただし、栄養があるからと言って食べ過ぎはNG。粘膜を傷つけ、胃が荒れてしまうことがあるので注意してください。
◆唐辛子の選び方
美味しい唐辛子の選び方はこちら!
・色が鮮やか
・実にハリ・ツヤがある
・ヘタが青々しいもの。
・先端が尖っている
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唐辛子の花から選び方まで紹介しました。世界一辛い料理を食べている国とされる、ブータンは幸福度も高いとも言われ、唐辛子も多く食しているそう。寒い季節にはチゲ鍋もぴったりなので、ぜひ食べてみてください。
参考:農林水産省『「辛味」のスパイス とうがらしとこしょうの世界』