「興ざめ」の意味や読み方とは?
皆さんは、「興ざめ」という言葉についてどんなイメージを持っていますか? 中には気になっている相手の態度を見て「興ざめ」してしまった… という方もいるかもしれません。今回は、「興ざめ」の意味や使い方、類語、英語表現などを紹介します。「興ざめ」とはどんな感情のことを指すのか、一緒に見ていきましょう。
「興ざめ(きょうざめ)」とは、「それまで楽しいと思っていた気持ちを一気に失ってしまう」ことです。今まで楽しい気分で盛り上がっていたのに、何かをきっかけにその気持ちが一気に冷めてしまうことを言います。「あの人の態度には興ざめした」というように、相手の態度や行動にがっかりしたというニュアンスで用いられることが多いですね。
また、「興ざめ」は、「興醒め」と書くことも。「醒」という文字には、「酔いがさめる」「目が覚める」という意味があり、意識がはっきりするというようなニュアンスが含まれます。このことからも、それまで良い気分で浮かれていたのが、一気に正気に戻る様子が伺えますね。
使い方を例文でチェック!
仕事やプライベートで、「興ざめ」してしまう瞬間ってどのようなときなのでしょうか? ここでは、日常生活で「興ざめ」しやすいシチュエーションと使い方を紹介します。
1:好きな芸能人が既婚者だとわかり、興ざめしてしまった。
独身だと思って好意を抱いていた芸能人が、実は既婚者だと知ってがっかりした事はありませんか? 相手にほのかな恋心を抱いていたり、付き合うことを妄想していたりすることもあるでしょう。そんな場合に、現実を知ったときのがっかり感は大きいもの。相手への興味が急激になくなっていく様子に、「興ざめ」という表現はぴったりです。
2:それまでは優しかった彼が、お酒を飲んだ瞬間に態度が悪くなって興ざめした。
ふとしたときに、相手の意外な一面を見てしまい気持ちがスーッと冷めてしまったときにも「興ざめ」を使います。特にお酒の席では、それまで知らなかった相手の本性が見えてしまうこともしばしば。普段優しい人が、店員に偉そうな態度をとっているところを見て、「そんな人だと思わなかった!」とがっかりしたこともあるのでは? 悪い意味でギャップを感じたときに、人は「興ざめ」してしまいがちです。
3:デート中、彼女に仕事の話をすると「興ざめするようなこと言わないで!」と怒られた。
場合によっては、相手から「興ざめするようなことを言わないでほしい」と言われることも。例えば、恋人とのデート中に、相手から仕事の愚痴や真面目な話を持ちかけられたとき。ロマンチックなムードを望んでいたのに、がっかりした… なんて経験はありませんか? その場にそぐわない話題を持ちかけると、相手を「興ざめ」させてしまう可能性があるので気を付けましょう。
類語や言い換え表現とは?
「興ざめ」とよく似た意味を持つ言葉には、「白ける」「幻滅」「鼻白む」などがあります。いずれも、相手の態度や行動にがっかりしたときに使われる表現ですね。それぞれ、どんなときに使われるのか詳しく見ていきましょう。
1:白ける
「白ける」とは、「興がさめて気まずい雰囲気になる」こと。例えば、会社の飲み会で話が盛り上がっていたところ、上司の説教が始まって、すっかり場の雰囲気が悪くなってしまったときに使います。「興ざめ」が、その人の心情を指すのに対して、場の雰囲気や空気感を指すのが「白ける」の特徴です。
・せっかく夏休みの予定を話していたのに、A君が宿題の話を持ち出したから、場が白けてしまった。
・チーム一団となって考えたアイデアが、上司に却下されて場が白けた。
2:幻滅
「幻滅」とは、「理想と現実が異なることを知り、がっかりすること」。恋愛の場面では、誠実だと思っていた男性が、実は浮気性で失望した… なんていうときに「幻滅した」と表現します。人は誰でも、好意を抱いている人に対して、自分の望むような幻想を抱きがち。理想と現実のギャップが大きいと、それだけがっかり感も増しますよね。
・気になる彼と食事に行ったけれど、ご飯の食べ方が汚くて幻滅してしまった。
・親友だと思っていたB子が、陰で自分の悪口を言っていたと知り、幻滅してしまった。
3:鼻白む
「興ざめ」したり、不愉快な気持ちになることを「鼻白む(はなじろむ)」と言います。「はなじらむ」とは読まないので、誤読に気を付けましょう。あまり聞き慣れない慣用句ですが、「鼻白む」も、これまでの楽しい気分が失われ、気を悪くしてしまうことを表します。
・勇気を持って話しかけたのに無視されて鼻白んだ。
・2人で協力して行った仕事なのに、彼女ばかり周囲に褒められて鼻白んでしまった。
英語表現とは?
「興ざめ」と似たニュアンスを持つ英語表現は、「turn off」です。「turn off」には、「興味がなくなる」「〜にうんざりする」「〜に嫌気が差す」などの意味があります。もともとは、「(電気や水が)止まる」という意味でしたが、次第に「興味がなくなる」という意味として使われるようになりました。「turned off by〜」で、「〜に対して興ざめ(うんざり)する」と表現することができます。
・His attitude really turned me off.(彼の態度には、ほとほと嫌気が差した)
・I’m turned off by people who smoke.(たばこを吸う人にはうんざりする)
最後に
「興ざめ」とは、どんな気持ちのことを指すのか理解できましたか? 些細なことがきっかけで、一気に相手への興味を失ってしまったり、テンションが下がってしまうのは誰にでもあることかもしれません。また、一度「興ざめ」してしまうと、元の感情を取り戻すのが難しいことも。自分自身も「興ざめ」な言動をしていないかどうか、改めてチェックしてみてはいかがでしょうか。
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