【目次】
・「鼻白む」の意味や語源とは?
・「鼻白む」の使い方を例文でチェック
・「鼻白む」の類語は?
・「鼻白む」の対義語は?
・「鼻白む」の英語表現もチェック
・最後に
「鼻白む」の意味や語源とは?
「鼻白む」と聞いて、ピンとこない方も多いのではないでしょうか? 初めて耳にする方もいるかもしれませんね。今日はそんな「鼻白む」という言葉の語源、どんな時に使えるのか、また言い換え表現や英語でのフレーズまで、しっかりと説明していきますのでこの機会にぜひ覚えておきましょう。
◆鼻白むの意味
「鼻白む」の読み方は、<はなじろむ>。「白む」という言葉は、「興ざめする」、「しらける」といった様子を表す言葉です。「鼻白む」は、なかなか聞き慣れない言葉かと思いますが、相手の勢いやその場の雰囲気などに押され、気後れした顔つきをすること、または、これまでの楽しい気分が失われ、興ざめする様子を意味します。
◆鼻白むの語源
「鼻白む」は、急に困難な状況に直面した時に、鼻のあたりが蒼白になることから生まれた言葉とされています。「顔面蒼白」という言葉がありますが、突然の悪い知らせや、思いがけないトラブルに直面した時に、顔が青白くなる様子と同じようなニュアンスですね。
「鼻白む」の使い方を例文でチェック
「鼻白む」は、日常会話の中ではあまり聞き慣れない言葉かと思います。あの有名な『源氏物語』の一説にも使われるように、非常に古くからある言葉で、どちらかというと文語的に使用されるシーンの方が多いです。では、具体的にどのような場面で使われるのか、例文と一緒に解説していきます。
1:「結婚式での場違いなスピーチに、ゲスト全員鼻白んだ表情をしていた」
大事なお祝いの場での場違いな発言… 全員の顔が蒼白になり興ざめしてしまいますよね。スピーチをお願いする相手は、しっかりと選びましょう! (笑)
2:「突然の彼女からの告白に、そこにいた仲間は一様に鼻白んだ」
突然あっと驚くような衝撃的な告白をされた時に、一瞬でその場の全員が興ざめした様子を表しています。
3:「前触れもなくいきなり彼が怒り出したため、私は鼻白んでしまった」
急に相手に叱責されたら、誰しも心がひるみますよね…。きまりが悪く、気後れしてしまった様子を表しています。
「鼻白む」の類語は?
「鼻白む」と似た意味の言葉はいくつかあります。次は、「鼻白む」の言い換え表現について、解説していきますね。どれも「鼻白む」よりも、少しカジュアルな表現になります。
1:「白ける」
「白ける」とは、「興ざめする、その場の雰囲気が気まずくなる」という意味の言葉です。場が台無しになる状況で、できたら使いたくない言葉ですね…。
<例文>
「彼のそのつまらない一言で、パーティー会場全体が一気に白けた」
2:「冷める」
こちらは、「高まっていた感情や興味が薄らぐ」事。愛情や何かに対する情熱が覚める時などに使います。
<例文>
「彼の店員へのひどい悪態を見て、愛情が一気に冷めてしまった」
3:「萎える」
「萎える」は、「心が弱くなる、衰える」という意味。やる気や気力がなくなってしまう場面で使われる言葉です。
<例文>
「何度チャレンジしても同じ失敗を繰り返してしまい、いいかげん気持ちが萎えてしまった」
「鼻白む」の対義語は?
「鼻白む」が、「気後れする」、「興ざめする」という意味で使われるとなると、その反対は、場が盛り上がったり、ヒートアップしていく様子を表す時に使う言葉が当てはまります。次は、そんな「鼻白む」の対義語について、いくつか解説していきますね。
1:「白熱する」
「白熱する」とは、場の雰囲気や感情などが極度に熱を帯びた状態になることです。
<例文>
「大物俳優の登場と同時に、会場が一気に白熱した雰囲気に包まれた」
「新しい課題点が出てきたため、議論が白熱した」
2:「拍車がかかる」
「拍車」とは、馬に乗るとき靴のかかとに取り付ける金具の事です。馬術において、馬に「進め」の合図をする際に、この「拍車」を利用するのですが、そこから「物事の進行に一段と力が加わる」という意味を表します。
<例文>
「先月リリースした新曲がヒットしたので、アイドルグループの人気はますます拍車がかかった」
「政治が混乱し、経済不況に拍車をかける事態となってしまった」
3:「血が騒ぐ」
「血が騒ぐ」の意味は、「気持ちが高ぶってじっとしていられない、心が躍る様子」です。「江戸っ子の血」や「スポーツマンの血」、「オタクの血」など、専門家や○○好きと組み合わせて使うことが多いですね。
<例文>
「遠くからお囃子が聞こえてきたので、だんだんとお祭り好きの血が騒いできた」
「難解な事件と遭遇し、探偵の血が騒ぐ」
「鼻白む」の英語表現もチェック
「鼻白む」を英語表現する時は、「気後れする」というニュアンスの“lose one’s nerve”や、「冷める」、「引く」というニュアンスのある“turn off”、“put off”が使えます。ネガティブなシーンなのであまり積極的に使うフレーズではないかもしれませんが、こちらは口語的にも使用できるので便利な表現です。
<例文>
・“I lost my nerve in front of the native English speakers.”
(ネイティブスピーカーの前だと気後れしちゃうんだよなぁ)
・“His attitude is totally turned me off.”
(彼の態度にかなり興ざめしちゃったよ)
・“It’s such a turn-off.”
(今の本気で引いたわ~)
・“I’m put off by her words.”
(彼女の言葉にドン引きした!)
最後に
今回の「鼻白む」という言葉、理解できましたでしょうか? 「気後れする」、「興ざめする」という意味で、ネガティブなシーンで主に使われる言葉になります。普段の会話の中であまり出てこない表現ではありますが、英語表現なども含め知っておくと、大人としての語彙力アップにつながりますね。この言葉を覚えておくと、周囲から一目置かれるかもしれませんよ!
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