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2022.08.08

「オミナエシ」の花言葉は美人! 花名の由来や育て方のポイントを紹介

秋の七草として知られる「オミナエシ」。細い茎の先に細かな黄色い花を咲かせる植物です。漢字で書くと「女郎花」と書きますがどのような由来があるのか知っていますか? そこで今回は、「オミナエシ」の花名の由来や特徴、育て方、代表的な品種などをまとめて紹介します。

「オミナエシ」の花の特徴

秋の七草として、古くから日本で親しまれてきた「オミナエシ」。ほっそりとした茎の先に黄色い小さな花を咲かせる様子は、風情が感じられますよね。そんな「オミナエシ」の花言葉には、悲しい恋の物語にまつわるものも。今回は、「オミナエシ」の特徴や、花名の由来、育て方、代表的な種類などをまとめて紹介しましょう。

小さな花が咲くオミナエシ
(c)Shutterstock.com

特徴

「オミナエシ」は、オミナエシ科の多年草。別名オミナメシとも呼ばれます。草丈1mほどの細い茎の先には小さな黄色い花を咲かせます。開花時期は6月〜10月と長めで、秋の七草と呼ばれていますが、実際には8月〜9月に見頃を迎えます。花には独特の匂いがあり、切り花として飾るとやや匂いが気になることも。定期的に水を代えることで抑えられるそうです。

由来

「オミナエシ」という変わった名前は、「女」という意味の「オミナ」と、古語の「圧(ヘシ)」が変化した「エシ」を組み合わせてつけられたとされています。まるで女性を圧倒するほどの美しい花という意味が込められているようです。

また、「オミナエシ」は「粟花」や「粟米花」とも呼ばれます。これは黄色い小さな花が集まって咲いている様子が、穀物の粟に似ていることが由来だとか。

昔、男性が優位に立っていた時代は、男性は白い餅米を食べ、女性は黄色い粟飯を食べていました。そこで、粟飯のことが「女飯(オミナメシ)」と呼ばれるようになり、黄色い粟飯の見た目が「オミナエシ」の花に似ていたことから、「オミナメシ」→「オミナエシ」と呼ばれるようになったという説もあります。

秋の七草「オミナエシ」

「オミナエシ」は、秋を代表する七つの草花である「秋の七草」にも数えられています。これは奈良時代の歌人、山上憶良が詠んだ歌が由来とされているので見ていきましょう。

辺り一面のオミナエシ
(c)Shutterstock.com

「秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花」
「萩の花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝貌の花」

1つ目の歌では、秋の野原に咲いている草花を数えてみると7種類あると言っています。そして2つ目の歌で、それは「萩の花、尾花、葛の花、撫子の花、女郎花、藤袴(ふじばかま)、朝貌(あさがお)の花である」と述べています。「朝貌」は、今でいう「桔梗」のことを指すようです。

春の七草は七草粥にして食べることで無病息災を祈るものとされていますが、秋の七草はその美しさを鑑賞して楽しむものとされています。「女郎花」の美しさも、秋の季語として多くの俳句や和歌で詠まれていますね。

「オミナエシ」の花言葉とは?

「オミナエシ」の花言葉には、悲しい恋の物語が由来となっているものも。ここでは、「オミナエシ」の花言葉を3つ紹介します。

1:美人

「オミナエシ」には、「美人」という花言葉がつけられています。茎が細くてすらっとした花姿には、どこかはかなく品のある女性を連想させるのかもしれませんね。

2:はかない恋

こちらの花言葉も、「オミナエシ」の花姿から来ているとされています。秋風になびいて揺れている「オミナエシ」が、昔の人の目にどこか寂しそうに映ったのでしょう。恋に敗れた女性の姿に重ね合わせたのかもしれませんね。

3:約束を守る

「約束」という花言葉は、能の演目「女郎花」からきているそう。物語の中ではある男女の悲しい恋模様が描かれています。夫婦は共に愛し合っていましたが、夫は徐々に他の女性の元へ通い、妻のもとへ戻らなくなりました。妻はそのことを恨み悲しみ、川に身を投げてしまうのです。

そして妻の塚から「オミナエシ」の花が咲き、そのことを知って悲しんだ夫もあとを追ってしまうのでした。夫婦の約束を守るという言葉の重みが伝わってくる物語ですね。

花束を満喫し、両手を広げる女性
(c)Shutterstock.com

「オミナエシ」の種類

「オミナエシ」は、日本の花というイメージがある方も多いかもしれませんが、中国や東アジアに広く分布している植物です。現在では東アジアや中央アジアに20種類、日本には8種類ほど分布しているとされています。

1:ハクサンオミナエシ

「ハクサンオミナエシ」は、「オミナエシ」より小型で、草丈20〜30cmほどの品種です。本州の高山帯の山場などに生えており、小さく可憐な黄色い花を咲かせます。

2:キンレイカ

「キンレイカ」は、本州の太平洋側の山地の岩場や岩の多い斜面などに自生します。「ハクサンオミナエシ」によく似ていますが、こちらの方が花が一回り大きいのが特徴です。

3:ハマオミナエシ

こちらは山地よりも海岸に花が咲く品種なので「ハマオミナエシ」と名付けられました。草丈がやや低く、茎が太いことが特徴です。また、葉に厚みがあるので他の品種と判別しやすいですね。

4:チシマキンレイカ

「チシマキンレイカ」は、ロシアから東シベリア、サハリン、北海道などに分布。高山の草原などで見かけることがあるようです。草丈は10cmほどと他の品種に比べるととても低く、花も直径4mmと小型です。

5:オトコエシ(男郎花)

「オミナエシ」とは対照的な、「オトコエシ」という品種も。見た目は「オミナエシ」にそっくりですが花の色が白く、茎が太め。また、全体に細かい毛が生えています。細くはかないイメージの「オミナエシ」に対して、逞しい姿をしているのが「オトコエシ」の特徴です。

「オミナエシ」の育て方

ガーデニングをする女性
(c)Shutterstock.com

「オミナエシ」は、比較的育てるのが簡単なので初心者にもおすすめできる植物です。太陽の光を好むので、日当たりの良い場所に植えてあげましょう。反対に日陰の場所に植えてしまうと、花つきが悪くなり枯れてしまう可能性もあります。苗から育てる方法と種をまく方法がありますが、苗の方が開花が早いので慣れないうちは苗から育ててみると良いでしょう。湿気に弱いので水捌けのいい場所に植えることもポイントです。

鉢植えの場合は、表面の土が乾いてきたらたっぷり水をあげましょう。比較的水を好むので、夏場は一日1、2回与えます。庭植えの場合は、特に水を与えなくても問題ありませんが、晴れが続いて、土が乾いているようなら水をあげてください。

最後に

古くから秋の七草として、詩歌や和歌の題材としても用いられてきた「オミナエシ」。山や野原などに自生している植物というイメージがありますが、自宅のお庭で育てることもできます。今までと違った雰囲気のガーデニングをしてみたいという方は、「オミナエシ」を植えて、自宅で和の風情を感じてみてはいかがでしょうか?

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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