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2026.04.29

「オミナエシ」はなぜ「女郎花」と書くの? 花言葉も紹介

秋の七草として知られる「オミナエシ」。夏の終わりから秋に、黄色の小花を多数傘状につけます。この記事では、「オミナエシ」の特徴や由来、花名の由来や特徴、育て方、代表的な品種などをまとめて紹介します。

この記事のサマリー

・「オミナエシ(女郎花)」には、「女性を圧倒するほど美しい(女圧し)」が語源とされる説があります。
・万葉の時代から愛された花「オミナエシ」は、僧・遍昭の歌で、修行者の理性を揺さぶるほどの「女性の象徴」として描かれてきました。
・文学に見る「理想の女性像」や、風に耐えて咲く姿から「美人」「はかない恋」などが花言葉として知られています。

「女郎花(オミナエシ)」という花の名を見かけて、「なぜこのような漢字を書くのだろう?」と不思議に思ったことはありませんか?

「オミナエシ」は、秋の七草の一つとして、古来、日本人に愛されてきた花です。可憐に咲くその姿は、多くの和歌に詠まれる一方で、お盆の供花としての顔も持ち、私たちの文化に深く根ざしています。

この記事では、辞書の記述に基づいて、オミナエシの「花言葉」や、それにまつわる文化的な背景を紹介します。

「オミナエシ」とは?

まずは、オミナエシがどのような植物であるか、基本情報を確認しましょう。

「オミナエシ」の特徴と名前の由来

『デジタル大辞泉』には、以下のように記載されています。

おみなえし〔をみなへし〕【女=郎=花】
1 スイカズラ科の多年草。日当たりのよい山野に生え、高さ約1メートル。葉は羽状に裂けていて、対生する。夏の終わりから秋に、黄色の小花を多数傘状につける。秋の七草の一。漢方で根を敗醤(はいしょう)といい、利尿剤とする。おみなめし。《季 秋》「ひょろひょろと猶露けしや―/芭蕉」
一部引用:『デジタル大辞泉』(小学館)

「オミナエシ」は、その花姿が「粟飯(あわめし)」に似ていることから、古くは「女飯(おみなめし)」と呼ばれたという説があります。

また、「オミナ(女)」を「ヘシ(圧す)」、つまり「美しい女性をも圧倒するほどの花」とする解釈もあります。

ただし、これらの語源については確定的な記述はなく、諸説あるものです

参考:『デジタル大辞泉』、『日本国語大辞典』、『日本大百科全書』(すべて小学館)『世界大百科事典』(平凡社)

小さな花が咲くオミナエシ
(c)Shutterstock.com

「女郎花」という表記

「女郎」という字から遊女を連想する方もいるかもしれませんが、本来この言葉は「若い女性」や「女性一般」を指す語です。

『日本の歳時記』(小学館)でも、「『女郎』とは単に若い女性のこと」と明記されています。

参考:『日本の歳時記』(小学館)

和歌や文学における「オミナエシ」

「オミナエシ」は、古典文学の世界にも彩りを添えてきました。『万葉集』に多くの詠歌があることからも、その関心の高さが伺えますが、特に象徴的なのが『古今和歌集』に収められた僧正遍昭の歌です。

「名にめでて 折れるばかりぞ 女郎花 我おちにきと 人に語るな」
(「女郎花」に惹かれ、つい手折ってしまった。私が女色に溺れて堕落したなどと、決して誰にも言わないでおくれ)

ここには、戒律を守るべき高徳の僧ですら、その可憐な姿に理性を揺さぶられてしまう姿が描かれています。

参考:『デジタル大辞泉』、『日本国語大辞典』、『日本の歳時記』(すべて小学館)

「花言葉」に込められた美人の面影

「オミナエシ」の花言葉としては「美人」や「はかない恋」があります。ここまで見てきたような、「うら若い女性」の象徴として、または、風雨に耐えながら細い茎を凛と伸ばす姿が、長い年月をかけて「花言葉」として結晶していきました。

人々の美意識がこの花に「理想の女性像」を重ねてきたといえるでしょう。

花束を満喫し、両手を広げる女性
(c)Shutterstock.com

「オミナエシ」が仏前に供えられる理由

「オミナエシ」は、秋を代表する野花ですが、お盆の花(盆花)として、今も多くの地域で役割を担っています。

「オミナエシ」はなぜ仏前に供えられるのか?

「オミナエシ」は、お盆に仏前へ供える「盆花」として、各地で広く親しまれてきました。

古くから、日本ではお盆の時期に野に咲く花を摘み、ご先祖様を迎える依代(よりしろ)として供える風習があります。その中でも、「オミナエシ」の素朴でありながら凛とした佇まいは、仏前を彩る花として定着してきたようです。

注目すべきは、その香りです。「オミナエシ」には独特の強いにおいがあり、『世界大百科事典』(平凡社)では、この香りを「腐った豆醤(とうしょう)」に似ていると記しています。

また、『デジタル大辞泉』(小学館)では、根を「敗醤(はいしょう)」と呼び、排膿や利尿の薬草として用いると説明しています。この「敗醤」という名も、まさに腐敗した醤(ひしお)のようなにおいに由来しています。

一見、花の優美な見た目とは相反する特徴に思えるかもしれませんが、特に、時間の経過とともに香りが強まるため、近年では仏壇よりもお墓に供える花として選ばれることが増えています。

花の美しさと、先祖を敬う気持ち。その両方が重なり合い、「オミナエシ」はお盆の季節に欠かせない花として根づいてきたのです。

参考:『世界大百科事典』、『デジタル大辞泉』(ともに小学館)

線香
(c)Adobe stock

「オミナエシの花言葉」に関するFAQ

ここでは、「オミナエシの花言葉」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。

Q1. 「オミナエシ」の代表的な花言葉は何ですか?

A. 「美人」「はかない恋」などが一般的です。 これらは特定の出典があるわけではなく、古典文学における女性のイメージや、細い茎で風に耐えながら咲く植物としての特性から生まれた言葉といえます。

Q2. 「女郎花」という漢字の意味は何ですか?

A. 「若い女性」や「貴婦人」を指す言葉であり、決して「遊女」を指すものではありません。「女郎花」には「若い女性のようにたおやかな花」という意味が込められています。

Q3. 花言葉の「美人」を裏付けるエピソードはありますか?

A. 僧正遍昭が、その美しさに抗えず思わず手折ってしまったという歌が有名です。仏道修行の身ですら「自らの戒律を危うくする」と感じるほど、「オミナエシ」が魅力的な女性の象徴として扱われてきたことが、現代の「美人」という花言葉に繋がっています。

最後に

この記事では、「オミナエシ」という花が持つ「優美な女性像」と、お供えの習慣に根ざした「盆花」としての二面性を解説しました。辞書や古典が伝える背景を知ることで、優美な黄色い花が、祈りや、理想像を表すものとして見えてきますね。

秋の野やお墓参りでこの花を見かけた際は、ぜひその名に込められた背景を思い出してみてください。

TOP・アイキャッチ画像/(c)Shutterstock.com

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