「ノウゼンカズラ」ってどんな花?
皆さんは「ノウゼンカズラ」という花を知っていますか? 名前は聞いたことがあるけれど、どんな花なのか分からないという方も多いでしょう。「ノウゼンカズラ」は、色鮮やかなオレンジ色や黄色の花を咲かせるので、夏場のお庭を華やかにしたい方には、ぴったりの植物です。今回は「ノウゼンカズラ」の特徴や育て方、おすすめの品種などを紹介します。
「ノウゼンカズラ」の特徴
「ノウゼンカズラ」は、中国原産のつる性植物です。つるが壁や樹木に巻きつき成長し、7月〜8月頃にかけて開花します。「ノウゼンカズラ」の花はラッパのような形で、オレンジや赤、黄色などの鮮やかな色合いです。次々と花を咲かせますが、一つ一つの花は短命なため、生花としては扱いません。
草丈は3m〜10mと幅があるので、自宅の庭にあったものを選びましょう。花壇や庭のアーチに巻きつけるなど、ガーデニングで活躍する植物です。
日本には、平安時代に渡来し、当初は「ノセウ」「ノウセウ」と呼ばれていたのだとか。それが後になまって「ノウゼン」となりました。古来より寺社などに植えられ、現在でも庭園樹として親しまれています。ちなみに英名では、「トランペットヴァイン(Trumpet vine)」や「トランペットクリーパー(Trumpet creeper)」と呼ばれています。
「ノウゼンカズラ」には毒がある?
「ノウゼンカズラ」は、花の中からたくさん蜜を垂らす習性があります。この蜜にはラパコールという成分が含まれており、弱い毒性があるのだとか。毒性は弱くても、触ると肌がかぶれたり、目に入ると炎症を起こす可能性もあるため、気をつけましょう。かぶれるのが心配な場合は、手袋をつけると良いですよ。
「ノウゼンカズラ」の花言葉とは?
「ノウゼンカズラ」の花言葉には「名声・名誉」「豊富な愛情」「華のある人生」という花言葉がつけられています。それには、古くから伝わる伝説が元になっているものも。さっそく詳しい由来をみていきましょう。
1:名声・名誉
「ノウゼンカズラ」の代表的な花言葉は、「名声」「名誉」。これは、「ノウゼンカズラ」がラッパにそっくりな花を咲かせることが由来だそう。まるで、勝者や英雄を祝福する際のファンファーレで吹くトランペットのように見えることから名付けられたと言われています。
2:豊富な愛情・華のある人生
「ノウゼンカズラ」には、「豊富な愛情」「華のある人生」という女性らしい花言葉も。これにはある伝説が元となっています。
その昔、松の木は色鮮やかな花を咲かせる「ノウゼンカズラ」に恋心を抱きました。勇気を出して告白したところ、晴れて両想いに。「ノウゼンカズラ」は松の木に絡みつき仲良く過ごしました。ところが、「ノウゼンカズラ」は恋愛体質で、自由自在につるを伸ばし、他の木々にも絡みつき花を咲かせます。松の木は「ノウゼンカズラ」に振り回され、すっかり憔悴してしまいました。
この物語から、恋多き「ノウゼンカズラ」には華やかな花言葉がつけられたそう。「ノウゼンカズラ」に恋した松の木がちょっぴりかわいそうですね。
「ノウゼンカズラ」のおすすめの種類
「ノウゼンカズラ」はオレンジ色が一般的ですが、品種改良が進み、現在では赤や黄色、ピンク色などの花も流通しています。今回は、その中から特に人気のある品種を紹介しましょう。ガーデニングで利用する方はぜひ、チェックしてみてくださいね。
1:アメリカ・ノウゼンカズラ
アメリカ・ノウゼンカズラは、通常の「ノウゼンカズラ」に比べて、花序が短いので、花がまとまって咲くのが特徴。小さめの赤い花が可愛らしく、育てやすいのも嬉しいポイントです。
2:アメリカ・ノウゼンカズラ・フラバ
アメリカ・ノウゼンカズラの園芸品種。オレンジ色がかった黄色い花が目を引きます。赤やオレンジ色よりも優しげな雰囲気があるので、気に入った方はぜひ選んで植えてみてください。冬の寒さにも比較的強い品種です。
3:マダムガレン
「ノウゼンカズラ」とアメリカ・ノウゼンカズラの交配種。夏になると、赤に近いオレンジ色の花を咲かせます。生育旺盛で育てやすいので、初心者におすすめです。
4:オランジュ・タカラヅカ
こちらは、マダムガレンと「ノウゼンカズラ」の交配種。花は赤みがかったオレンジ色で、真ん中が黄色く染まっています。夏場の庭に植えるとパッと雰囲気が明るくなりますよ。比較的小型の品種なので、鉢植えも可能です。
5:コンテッササラ
コンテッササラは、ピンク色の「ノウゼンカズラ」です。ピンク色の花に、赤紫色の細い筋が入ります。他の品種に比べると、比較的新しく輸入された品種です。名前は「サラ公爵夫人」という意味で、その名の通り上品な雰囲気が魅力。若干寒さに弱いので、庭植えは暖かい地域の方が適しています。
「ノウゼンカズラ」の育て方のポイントとは?
真夏に花を咲かせる「ノウゼンカズラ」は、暑さに強く初心者にも比較的育てやすい植物です。太陽の光を好むので、日当たりが良く、水捌けが良い場所に植えるとよく育ちますよ。3月から4月頃に植え付けると、夏の時期に花を咲かせます。
つる性植物なので、支柱を立てたり、近くに巻きつくための樹木やアーチ、フェンスなどがあると安定します。つるは日のあたる明るい方向に伸びる習性があるので、伸びる方向を考えて、植える場所を決めることがポイントです。生育旺盛なため、もしつるが伸びすぎた時には2月〜3月頃に剪定してあげると良いでしょう。
最後に
真夏に花を咲かせる品種は限られていますが、「ノウゼンカズラ」は暑さにも強く元気にたくさんの花を咲かせてくれます。和風のハイビスカスのような雰囲気のある花は、青空の下でみるとより美しく見えるはずですよ。鉢植えにしたり、玄関の近くのアーチにはわせたりして、真夏のお庭を鮮やかに彩りましょう。
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