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2022.07.24

意外と身近な「ハロー効果」とは? 恋愛やマーケティングでの活用例も紹介

「ハロー効果」とは、「人物や物事の目立った部分に影響されて、間違った評価をしてしまうこと」。人事やマーケティングなどのビジネスシーンで活用されている心理現象です。そこで今回は、「ハロー効果」の意味や「ハロー効果」の身近な例、メリット・デメリットについて解説します。

高学歴な人ばかりを選んでしまったり、ルックスがいい人はなんとなく性格も良さそうに見えたり…。なぜか他人に過度に期待をしてしまったことはありませんか? もしかすると、それは「ハロー効果」によるものかもしれません。

そこで今回は、意外と身近でよく見られる「ハロー効果」について解説します。人事やマーケティングでも応用させているので、チェックしておきましょう。

「ハロー効果」って何?

(c)Shutterstock.com

「ハロー効果(halo effect)」とは、「人物や物事を評価する際、目立ちやすい特徴に引きずられて、対象の評価が歪められる現象のこと」です。目立って優れたところ、あるいは劣った特徴があると、その人物の全てを優れている・劣っているとみなしてしまう心理のことを指します。

例えばイケメンな男性を見て、「きっと性格も素敵なはず」「女性に優しそう」などと、外見のみで前向きな判断をしてしまいがちなのも「ハロー効果」といえるでしょう。

ちなみに「halo」は、聖人の頭の上に描かれる後光や光輪を意味することから「後光(光輪)効果」とも呼ばれることも。

論理的な根拠ではなく、直感や先入観などの非論理的な心理現象である「認知バイアス」の一つです。1920年に、アメリカの社会心理学者エドワード・ソーンダイクによって提唱された社会心理学用語となっています。

「ハロー効果」の例

「ハロー効果」という言葉には馴染みがなくとも、日常生活において気づかぬうちに「ハロー効果」に影響されていることはよくあります。ここでは、恋愛やマーケティングの場面でありがちな「ハロー効果」についてみていきましょう。

(c)Shutterstock.com

「あばたもえくぼ」も「ハロー効果」?

「あばたもえくぼ」ということわざがあるように、相手のことが好きだと短所も長所に見えてしまうもの。ルックスが悪い、遅刻癖があるなど欠点に見られがちなところがあったとしても、それが好きな人だとかえって愛嬌があるように見えて許してしまう… なんてことは恋愛ではよくあることですよね。

好意的な感情に引きずられて、全てがよく見えることも「ハロー効果」による心理現象といえるでしょう。

マーケティングでも利用される「ハロー効果」

マーケティングの分野でも、「ハロー効果」は利用されています。身近な例で言えば、普段見ているテレビCMで、タレントを起用するイメージ戦略は「ハロー効果」を活用したもの。

化粧品のCMに人気のあるモデルや芸能人などが出ていて、「私も同じものを使ってみたい」「この人がおすすめするのだったら良い商品なはず」などと思ったことはありませんか? このように好感度の良い有名人を起用して、消費者の購買意欲を上げるのもマーケティングの戦略なのです。

採用現場での「ハロー効果」

面接という短時間で採用か不採用かを決めなくてはいけない場面では、「ハロー効果」が生じがちです。例えば、有名大学を卒業しているという肩書を持っていると、それがポジティブな特徴となり、ビジネスパーソンとしても優れていると判断してしまうことも。

期待して採用してみたら、頭はいいけれど実務能力がなさすぎる、というパターンも少なくありません。これは、有名大学卒という肩書が後光となり、本人の実力を底上げして見せているのです。

「ハロー効果」には良い面と悪い面がある

「ハロー効果」には、うまく利用することによって自分が得をすることもあれば、「こんなはずじゃなかった…」と損をしてしまう可能性もあります。ここでは、「ハロー効果」のポジティブな面とネガティブな面を紹介しましょう。

(c)Shutterstock.com

ポジティブ・ハロー効果

「ポジティブ・ハロー効果」とは、一部の良い印象に影響を受けて、実際よりも高い評価をすることです。身近な例で言えば、お店選びをしている時の口コミサイトにも当てはまります。

口コミの評価が高いと、「これだけ多くの人が高い評価をしているなら、きっと良いお店に違いない」というイメージが先行し、実際よりも品質やサービスが良く見えてしまう傾向が。このように一部の良い情報に引っ張られて、全体がよく見えることを「ポジティブ・ハロー効果」と言うのです。

ネガティブハロー効果

一方、悪い特徴をその人の全体評価として捉えてしまい、実際の実力よりも低く評価してしまうことを「ネガティブ・ハロー効果」と言います。例えば、実際にはスキルがあり優秀な人物であったとしても、服装がだらしないとどう思われるでしょうか?

時間にルーズそう、仕事の期限を守ってくれなそう、などの悪いイメージを持ってしまうかもしれません。このように、悪いイメージが先行し、実際より低い評価をしてしまうことはよくあります。ビジネスの場でも陥りやすいため、気をつけたいですね。

「ハロー効果」とピグマリオン効果の違いとは?

「ハロー効果」と似たような用語に、ピグマリオン効果というものがあります。一体どのような意味を持つ言葉なのでしょうか? 一緒にみていきましょう。

(c)Shutterstock.com

ピグマリオン効果とは、他人から期待されることによって、作業や学習の成果が上がる現象のこと。アメリカの心理学者ローゼンタールが、学校の生徒に知能テストの実証実験を行ったところ、教師に期待をかけられた子供の方が好成績を残したのだとか。

つまり、ピグマリオン効果は、育成に活用する手法を指すため、評価の見え方の現象を表す「ハロー効果」とは意味が異なります。

最後に

今回は、意外と身近な心理現象「ハロー効果」についてみていきました。「ハロー効果」にはメリット・デメリットの両面があることがわかりましたね。人間には目立った特徴が全てを印象づけてしまう性質があるので、良い面を強く見せることで印象が上がることもあるでしょう。

また、人事やマーケティングでは一つの目立った特徴に左右されず、多面的な視点で物事を判断するようにしたいですね。この機会に「ハロー効果」を覚えて、ビジネスシーンでもうまく活用してみましょう。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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