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2022.07.21

「うとい」ってどんな意味? 会話での使い方や類語・対義語などを解説

「うとい」とは、「ある分野についての知識や理解が不十分なこと」。漢字では「疎い」と書きます。会話の中では、「○○についてうとくて…」と謙遜の意味を込めて使われることが多い言葉です。今回は、「うとい」の意味や使い方、類語・対義語についてチェックしてみましょう。

日常会話の中で「私はその分野にはうとくて…」などと言ったりしますよね。話し言葉として馴染みはあるものの、漢字でどう書くのかわからない方も多いかもしれません。そこで今回は、「うとい」の意味や使い方、類語・対義語について解説しましょう。

「うとい」の意味とは?

「うとい」は漢字で「疎い」と書きます。「うとい」は、「そのことについての知識や理解が不十分なこと」という意味です。例えば、「政治についてうとくて…」と言う場合には、「政治についてあまり詳しくなくて…」というニュアンスで使われるのが一般的です。

また、その他にも「親しい間柄ではない」「関心がない」「愚かである」などの意味もありますが、多くは古典などで使われていた意味合いなので、現代ではあまり使われません。

使い方を例文でチェック!

「うとい」は、「あまり詳しくない」ことの遠回しな表現といえますが、皆さんはどのような場面で使っていますか? 「うとい」がよく使われるシチュエーションを3つみていきましょう。

(c)Shutterstock.com

1:弟はオシャレの流行にうといので、着る服は全て母親が選んでいる。

今どきのファッションについてよく知らない、関心がない場合に「流行にうとい」などと言うことが多いでしょう。そもそもファッションやメイクなどに興味がないと、その分野について深く知りたいと思うこともないはずです。結果、自分よりもオシャレに詳しい友人や恋人に選んでもらったり、プロの店員のアドバイスを参考にものを選ぶ傾向がありますね。

2:上司にお酒は飲むのかと聞かれたので、「すみません、お酒のことにはうとくて…」と答えた。

相手にあまり深く質問されたくない場合にも「うとい」を使います。例えば、上司にお酒を飲むのかと聞かれて、「はい、お酒が好きです」と答えたら、じゃあ飲みに行こうと誘われる可能性があります。ですが、「お酒には疎くて…」と言うことで、お酒にはあまり興味がない=飲みにいく気がないことを遠回しに伝えることができるでしょう。

相手の申し出を遠回しに断りたいときにも、このフレーズは使われます。

3:彼女は政治についてうといので、全く議論にならない。話していても退屈だ。

ある分野について深く知識がある人から見れば、よく知らない・関心がない人との会話はつまらないとしらけてしまうこともあるでしょう。ただし、「うとい」はあくまでも本人が「その分野についてよく知りません」と言うときに使う言葉。相手に対して使うと失礼にあたるので注意しましょう。

類語や言い換え表現とは?

「うとい」と同じように、物事をよく知らないときに使われる言葉には「不案内」「寡聞」「専門外」などがあります。ビジネスシーンでも使える表現なので、セットで覚えておくと便利です。

(c)Shutterstock.com

1:不案内

その方面の事情や様子がよくわからないことを「不案内」と言います。例えば上司との会話で、「○○君は株をやっているの?」と聞かれたときに、「恥ずかしながら、株には全く不案内でして」というように使います。謙遜したニュアンスが含まれた表現なので、ビジネスシーンで使ってみると良いでしょう。

・現代美術のことは全く不案内で困っています。

2:寡聞

「寡聞(かぶん)」とは、「見聞が狭く浅いこと」です。「寡」という文字は「弱い、少ないこと」を指すので、「知識や経験が少ない」といった意味合いで用いられます。自分の知識が浅いことを謙遜していう場合に「寡聞にしてその件は存じません」などと言うので、ややかしこまった場面で使われることが多いでしょう。

・そんな生き物が存在しているなんて、寡聞にして聞いたことがない。

3:専門外

「専門外」とは文字の通り「その分野を専門としていないこと」。誰かに詳しい意見を求められたときに「いや、それについては専門外だよ」と言って断る時などに使用します。それについて詳しいことを知らないので、これ以上聞かれても困るといったニュアンスで使うことが多いですね。

・教授に意見を求めたところ、「それについては専門外なのでお答えできない」と断られた。

対義語とは?

物事についてよく知っている・知識がある場合には、「精通」や「熟知」という言葉が当てはまります。一緒に意味を確認していきましょう。

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1:精通

ある物事についてよく知っていることを「精通」と言います。「○○さんは、最近の中国の政治事情に精通している」など、その道によく通じている専門家を表すときに使われる言葉です。知識が豊富で、その道のプロであることも多いため、知識のない「うとい」人とは全く正反対の表現ですね。

・その教授は海外の不動産事情に精通していることで有名だ。

2:熟知

「熟知」とは、「詳しく知っている」こと。「熟」という言葉をつけることで、細かいところまで深く理解しているという意味合いを伝えることができます。また、お互いの長所も短所もよく知っているという意味で「彼女たちはお互いを熟知している」ということもありますね。

・念のため上司に相談したところ、「その件ならすでに熟知している」と言われた。

3:半可通

いい加減な知識しかないのに通人ぶることを「半可通(はんかつう)」と言います。「半可」は、「生半可」という言葉にも使われるように「未熟なこと、中途半端なこと」を表す言葉。

中途半端な知識を振り回す人のことを「半可通」ということが多いようです。「うとい」には、知識がないことを謙遜するようなニュアンスがありますが、こちらにはそのような意味合いはありません。

・彼は酔っ払って半可通な知識を振り回した。

最後に

ビジネスシーンでは、自分があまり知らないことを相手に聞かれたとしても、ストレートに「よく知りません」とは言いづらいものです。

そんな時には、「そのことについてうといもので」「その分野に関して不案内で申し訳ありません」などと表現すると、遠回しに真意を伝えることができるでしょう。ビジネスで使える言い回しの一つとして、この機会に覚えてみてはいかがでしょうか?

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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