この記事のサマリー
・「うとい」は、ある分野の知識や理解が十分でない状態を表す言葉として使います。
・「うとい」の漢字表記は「疎い」です。
・対義語は「精通」「熟知」などが挙げられます。
日常会話の中で「私はその分野にはうとくて…」などと言ったりしますよね。話し言葉として馴染みはあるものの、漢字でどう書くのかわからない人も多いかもしれません。そこでこの記事では、「うとい」の意味や使い方、類語・対義語について解説します。
「うとい」とは?
まずは、漢字表記と意味から確認していきましょう。
漢字表記と意味
「うとい」は漢字で「疎い」と書きます。主に、「そのことについての知識や理解が不十分である」という意味で使われる言葉です。
例えば「政治についてうとくて…」と言う場合は、「政治についてあまり詳しくなくて…」というニュアンスになります。
また、「親しい間柄ではない」「疎遠である」という意味もあります。「去る者は日々に疎し」ということわざでは、離れて会わなくなった人とは、しだいに関係が薄くなるという意味で使われています。現代の日常会話では、「流行に疎い」「機械に疎い」のように、知識や理解が十分ではない意味で使われることが多いでしょう。
辞書では次のように説明されていますよ。
うと・い【疎い】
[形][文]うと・し[ク]
1 親しい間柄でない。疎遠だ。「二人の仲は―・くなった」「去る者は日々に―・し」
2 (「…にうとい」の形で)そのことについての知識や理解が不十分である。「その方面の事情に―・い」
3 親しみが持てない。わずらわしく思う。
「かつ見れど―・くもあるかな月影のいたらぬ里もあらじと思へば」〈古今・雑上〉
4 不案内である。関心がない。
「後の世のこと心に忘れず、仏の道―・からぬ、心にくし」〈徒然・四〉
5 愚かである。間が抜けている。
「女郎狂ひするほどの者に、―・きは一人もなし」〈浮・胸算用・二〉
[派生]うとさ[名]
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
使い方を例文でチェック!
「うとい」は、「あまり詳しくない」「事情がよくわからない」ことをやわらかく伝える表現です。ただし、相手や第三者に対して使うと、知識不足を指摘しているように聞こえる場合もあります。
ここでは、使い方の例を確認していきましょう。

私はファッションの流行にうといので、服を選ぶときは店員さんに相談している。
「流行にうとい」は、今どきのファッションや話題のアイテム、SNSで広まっている言葉などをあまり知らないという意味で使えます。必ずしも興味がないとは限らず、忙しくて情報を追えていない場合にも使える表現です。
上司にお酒は飲むのかと聞かれたので、「すみません、お酒のことにはうとくて…」と答えた。
「お酒のことにはうとくて…」は、お酒の種類や銘柄、飲み方などに詳しくないことをやわらかく伝える表現です。自分の知識不足を控えめに伝えたいときに使えます。
ただし、相手によっては「興味がない」と受け取られることもあるため、ビジネスの場では「詳しくなくて恐縮ですが」「あまり詳しくないため、教えていただけますか」などと添えると、より丁寧な印象になります。
政治についてうといところがあるので、まずはニュースの背景から確認したい。
「政治にうとい」は、政治の仕組みやニュースの背景について、あまり詳しくないという意味で使えます。ただし、「彼女は政治にうとい」のように相手や第三者に使うと、知識不足を指摘しているように聞こえる場合があるので注意しましょう。
類語や言い換え表現は?
「うとい」と近い意味で使える言葉には、「不案内(ふあんない)」「寡聞(かぶん)」などがあります。「専門外」も似た場面で使えますが、完全な類語ではありません。
ビジネスシーンでは、相手や状況に合わせて「詳しくない」「知見が十分ではない」「確認が必要です」などと言い換えると、より自然です。

不案内
その方面の事情や様子がよくわからないことを「不案内」といいます。「株には不案内でして」「この土地には不案内です」のように、知識や事情に詳しくないことを丁寧に伝えたいときに使える表現です。謙遜したニュアンスを含むため、ビジネスシーンでも使いやすいでしょう。
・現代美術のことは全く不案内で、まずは基本から学びたいと思っています。
寡聞
「寡聞」とは、見聞が狭く浅いことを表す言葉です。自分の知識が十分でないことをへりくだって伝えるときに使われます。「寡聞にしてその件は存じません」のように、ややかしこまった場面で使われることが多い表現です。
・そんな生き物が存在しているとは、寡聞にして知りませんでした。
専門外
「専門外」とは、その分野を専門としていないことを表します。「疎い」と近い場面で使えますが、必ずしも知識がないとは限りません。詳しい回答を控えたいときや、専門家の確認が必要なときに使うと自然です。
・教授に意見を求めたところ、「それについては専門外のため、専門の先生に確認してください」と言われた。
対義語は?
物事についてよく知っている、詳しく理解している場合には、「精通」や「熟知」という言葉が当てはまります。「うとい」が知識や理解が十分ではない状態を表すのに対し、「精通」「熟知」は、ある分野や事柄をよく知っている状態を表します。

精通
ある物事についてよく知っていることを「精通」と言います。「○○さんは、最近の中国の政治事情に精通している」など、その道によく通じている専門家を表すときに使われる言葉です。知識が豊富で、その道のプロであることも多いため、知識のない「うとい」人とは全く正反対の表現ですね。
・その教授は海外の不動産事情に精通していることで有名だ。
熟知
「熟知」とは、「詳しく知っている」こと。「熟」という言葉をつけることで、細かいところまで深く理解しているという意味合いを伝えることができます。また、お互いの長所も短所もよく知っているという意味で「彼女たちはお互いを熟知している」ということもありますね。
・念のため上司に相談したところ、「その件ならすでに熟知している」と言われた。
「うとい」に関するFAQ
ここでは、「うとい」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q. 「うとい」は漢字でどう書きますか?
A. 「うとい」は漢字で「疎い」と書きます。
Q. 「うとい」はどんな場面で使えますか?
A. 自分がある分野に詳しくないことを伝える場面で使えます。例えば「政治にはうとくて」「デジタル分野にはうとくて」のように使いますよ。
Q. 「うとい」の言い換え表現はありますか?
A. 「不案内」「詳しくない」「知見が十分ではない」などに言い換えられます。ビジネスでは「詳しくなく恐縮ですが」「確認してからお答えします」と言うと、より丁寧で自然な印象になります。
最後に
ビジネスシーンでは、自分があまり知らないことを相手に聞かれたとしても、ストレートに「よく知りません」とは言いづらいものです。
そんな時には、「そのことについてうといもので」「その分野に関して不案内で申し訳ありません」などと表現すると、遠回しに真意を伝えることができるでしょう。ビジネスで使える言い回しの一つとして、この機会に覚えてみてはいかがでしょうか?
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