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「来るもの拒まず、去るもの追わず」とは?
「来るもの拒まず、去るもの追わず」という言葉を聞いたことはありますか? もしかしたら座右の銘にしている人もいらっしゃるかもしれませんね。まずは、「来るもの拒まず、去るもの追わず」の意味や類語など、言葉そのものに着目してみましょう。
「来るもの拒まず、去るもの追わず」の意味
「来るもの拒まず、去るもの追わず」は、言葉の通り「自分に近づいてくる人は寛容に受け入れ、自分から去っていく人のことは追いかけない」という意味です。他人に依存しないという点で、自立した人と言えるかもしれません。一方で、人や物に執着しないため、「冷たい人」という印象を与えてしまう可能性もあります。
「来るもの拒まず、去るもの追わず」の語源
「来るもの拒まず、去るもの追わず」という格言の由来は、戦国時代の中国と言われています。「孟子(もうし)」という人物を知っていますか? 孟子は儒教の思想家で、仁義王道の政治や性善説を説いた人物です。
孟子が「自分を信じられずに去っていく者を引き留めることはしないが、自分を信じて頼ってくる者はどんな人物でも受け入れよう」と説いたことから、「来るもの拒まず、去るもの追わず」というフレーズが生まれたと言われています。
「来るもの拒まず、去るもの追わず」の類語
「来るもの拒まず、去るもの追わず」の考え方を魅力的だと感じる方も多いのではないでしょうか。「座右の銘にしたい!」と思う方もいらっしゃるかもしれません。そこで、「来るもの拒まず、去るもの追わず」の別の表現も紹介します。他の人とはちょっと違う座右の銘をつけてみてはいかがでしょうか。
例えば、類語として、「送往迎来」という四字熟語が挙げられます。「往く人(去る人)は送り、来る人は迎える」と書く漢字からも、類語であると推測しやすいですね。
「来るもの拒まず、去るもの追わず」な性格な人の特徴
「来るもの拒まず、去るもの追わず」タイプの人には、どのような特徴があるのでしょうか。「来るもの拒まず、去るもの追わず」な人の人間関係や、考え方が自分に当てはまるのかどうかを考えながら見てみると面白いかもしれませんね。
1:他者に依存しない
誰でも受け入れるけれど、自分から離れていく人を追いかけることはしない「来るもの拒まず、去るもの追わず」タイプの人は、他者に依存することはあまりありません。そういう意味で、自立している人ということができるのではないでしょうか。
2:広い交友関係を築く
言葉の通り、「来るもの拒まず」なスタイルであるため、広く浅い友好関係になることが多いです。それゆえ、飲み会の幹事になったり、男女関係なく遊びに誘われたりする傾向があります。
3:人とコミュニケーションを取ることが好き
「来るもの拒まず、去るもの追わず」タイプの人は、人とコミュニケーションを取ることが好きな人が多いです。いろんな人に興味を抱く好奇心が旺盛な人が多いため、広い友好関係を築く傾向があるといえるのかもしれませんね。
4:寛容
「自分と気が合えば仲良くすれば良いし、相性が合わないのであれば無理に付き合う必要はない」と、ある意味割り切った寛容さを持っていることも一つの特徴です。この特徴も、一つ目に紹介した「他者に依存しない」特徴と関係していると言えるのではないでしょうか。
「来るもの拒まず、去るもの追わず」のメリットとは?
「来るもの拒まず、去るもの追わず」タイプの人には、どのようなメリットがあるのでしょうか。具体的に見てみましょう。
1:人間関係でトラブルになりにくい
先に特徴で紹介したように、「来るもの拒まず、去るもの追わず」な人は、相手に対して寛容で、他者に依存しないことが多いです。つまり、自分の意志で相手を束縛することが無いので、人間関係においてトラブルになりにくいと言えます。
2:追われる恋愛ができる
「来るもの拒まず、去るもの追わず」の人は、追われる恋愛向きと言えるでしょう。
相手を追う恋愛が好きな人は、相手の気持ちを確かめたくてそっけない態度を取って駆け引きをすることがあるのではないでしょうか。「来るもの拒まず、去るもの追わず」タイプの人は、そういった駆け引きに応じないケースが多く、更に追いかける気持ちを高めさせることがあります。
3:切り替えが早い
人や物に執着しない「来るもの拒まず、去るもの追わず」タイプ。気持ちの切り替えがしやすいというメリットがあります。過去に囚われず、未来を向くポジティブ思考であると言えるのではないでしょうか。
「来るもの拒まず、去るもの追わず」な人のデメリット
「来るもの拒まず、去るもの追わず」タイプの人には、メリットが沢山あることが分かりました。しかし、その特徴ゆえ注意しなければならないこともあります。最後に、「来るもの拒まず、去るもの追わず」な人のデメリットを紹介します。
1:諦めがはやい
自分から去っていく人を積極的に止めない「来るもの拒まず、去るもの追わず」なタイプの人は、良くも悪くも諦めがはやい傾向にあります。粘って取り組んでも成果が得られないことはあるでしょう。しかし、すぐに諦めてしまうと、折角のチャンスを逃す可能性もあるため、引き際を見極めることが大切です。
2:深い人間関係を築きにくい
「来るもの拒まず、去るもの追わず」タイプの人は、広い友好関係を築くことは得意ですが、深い人間関係を築きにくいという特徴があります。その場限りの付き合いや、一時的な繫がりが多くなってしまうことが多いです。
3:熱意が伝わりづらい
「来るもの拒まず、去るもの追わず」タイプの人は、人や物事に執着する様子をあまり見せないので、熱意が伝わりにくくなるというデメリットがあります。場合によっては、「何を考えているのか分からない」という印象を与えてしまうことも。
最後に
「来るもの拒まず、去るもの追わず」とは、言葉の通り「自分に近づいてくる人を寛容に受け入れ、去っていく人のことは追いかけない」こと。
他者に依存せず、自分の軸を持っているその姿は魅力的に見える反面、「諦めがはやい」「熱意が伝わりづらい」などのデメリットもあることが分かったのではないでしょうか。「時に軽やかに、時に粘り強く」を大切に生活していきたいですね。
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