「詰めが甘い」とは?
皆さんは、慎重で注意深いタイプですか? それとも「詰めが甘い」と言われることがあるタイプでしょうか。今回は、人の性質を表す「詰めが甘い」という言葉について一緒に見ていきましょう。
「詰めが甘い」の意味
「詰めが甘い」とは、「物事の途中の段階では万全であったとしても、最後の段階でミスが見つかったり、欠陥が見つかったりすること」を指します。進めてきた物事の大切な場面で、不適切な対処によって結果やその過程が上手くいかなくなってしまうときにも用いられる言葉です。
「詰めが甘い」の語源
「詰めが甘い」の「詰め」とはどういう意味か分かりますか? 予定を決めることを「予定を詰める」と言ったり、果物を袋に入れる時などに「詰める」という表現をしたりすることがありますよね。
もともと「詰め」は、将棋で用いられている言葉でした。大手をかけられ、「王将」の身動きが取れなくなってしまった状態のことを「詰み」といい、負けを意味します。このことから、「詰み」は、最後に失敗するというニュアンスがついたようです。
「詰めが甘い」の類語
「詰めが甘い」の他にも、「大切な場面や最後の段階で失敗してしまう」というようなニュアンスを持つ言葉があります。例えば、「画竜点睛を欠く」という言葉。「画竜点睛」は「がりょうてんせい」と読み、「最後の大切な仕上げ」という意味の故事です。
つまり、「画竜点睛を欠く」とは、「最後の最後で失敗すること・肝心なところに不備があること」という意味があります。
「詰めが甘い」人の特徴
ビジネスシーンや日常生活において「詰めが甘い」と言われる人からは、どのような行動がうかがえるのでしょうか。いくつか特徴を紹介します。当てはまる項目が多い人は「詰めが甘い」傾向があるのかもしれません。
1:せっかち
「詰めが甘い」人は、「せっかち」な傾向にあります。例えば仕事に対して、「早く終わらせないと!」という気持ちが先行してしまい、見直しをしなかったり間違いに気がつかないまま提出してしまったりすることが多いです。
結果として、完成したものが不十分になってしまい、「詰めが甘い」人だと思われてしまうことがあります。
2:遅刻が多い
「詰めが甘い」人は、スケジュールの管理が苦手な人が多いです。予定が入った時に、メモをしたり、他の予定とブッキングしていないか確認することをめんどうに感じてしまう人が多く、予定の日を勘違いしたり、時間に遅れてしまったりすることもしばしば。
自分の確認不足によって、「詰めが甘い」結果になることが多いです。
3:忘れ物が多い
忘れ物が多いことも、「詰めが甘い」人の特徴といえるのではないでしょうか? スケジュール管理が苦手な人が多いので、準備する時間が無くなり、慌てた結果忘れ物をしてしまうというケースが考えられます。
4:ぼんやりしている
「詰めが甘い」と言われる人は、集中力がなく、ぼんやりとしいる人も多いです。そのため、大切な話を聞き漏らしてしまったり、記憶することができずにミスをしてしまったりするのではないでしょうか。
「詰めが甘い」ことで考えられるデメリット
「詰めが甘い」人の特徴を見てきましたが、「詰めが甘い」人にはデメリットが多いように感じた方も多いのではないでしょうか。具体的にどのようなデメリットが考えられるのか、一緒に見ていきましょう。
1:信頼関係が築きにくい
「詰めが甘い」人は、注意力や集中力が無かったり、それらが原因となり物事の肝心な場面で失敗をしてしまったりすることが多いです。
そのため、一緒に仕事をするうえで「この人に任せても大丈夫なのかな」と思われ、信頼してもらいにくくなってしまいます。
2:手間が増える
「詰めが甘い」ことによって、めんどうな確認作業が省ける分、物事を進める途中までは楽ができるかもしれません。しかし、結局失敗してしまうことも多いので、修復するための手間や時間が余計にかかってしまいます。
修正できるものもありますが、中には修正ができないこともあります。後悔しないためにも、最後まできちんとやり遂げることを意識したいですね。
3:成功できない
ビジネスなどで成功したいと思っている方にとって、「詰めが甘い」ことは大きなデメリットといえるでしょう。過程も大切ですが、評価されるにはやはり結果が重視されがちです。「詰めが甘い」ことによって、結果が失敗に終わってしまっては、出世することが難しくなってしまいます。
「詰めが甘い」人へおすすめする改善方法とは?
「詰めが甘い」人よりも、最後までやり遂げられる人の方が魅力的に感じますよね。そこで、最後に「詰めが甘い」ことを改善するために意識したいことについて紹介します。今からでも取り組めることばかりですので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
1:メモを取る
「詰めが甘い」人は、確認不足が原因でミスをしてしまうことが多いです。そこで、メモを取って見返すことを習慣づけてみましょう。メモを取るだけでなく、とったメモを目の付きやすい場所に貼って見返すことも大切です。
また、自分のアイデアをメモすることで、自分の考えを整理することにも繋がります。他にも、予定や締切をメモすることで、うっかり忘れてしまうことを防いでくれるメリットも挙げられますね。
2:「報連相」をする
「報連相」とは、「報告・連絡・相談」のことです。特にビジネスシーンにおいて重要な要素といわれます。他者とコミュニケーションを取りながら、確認し取り組むことで、ミスを減らすことができるのです。
3:優先順位を考える
優先順位をつけながら行動する習慣をつけることもおすすめです。優先順位をつけないと、すべてのことが中途半端に終わってしまい、「詰めが甘い」と評価されることがあります。順序立ててひとつひとつ着実に取り組むことを心がけてみてはいかがでしょうか。
最後に
「詰めが甘い」とは、「物事の最後の段階でミスが見つかったり、欠陥が見つかったりすること」。過程がどれだけ順調でも、最後が上手くいかなかったら結果は台無しです。「終わり良ければすべて良し」という慣用句があるように、最後までやり遂げることが結果を残すことに繋がります。
それだけでなく、「詰めが甘い」と信頼問題に関わってくることもありますので、気を付けていきたいですね。
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