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2022.06.19

「発足」の意味とは? 2つの読み方や使い方、「設立」との違いを解説

「発足」は、「ほっそく」または「はっそく」と読みます。ビジネスシーンでは、新規事業を始めたり、団体を作ったりする場合など大事な場面で使われる言葉です。今回は、「発足」の意味や使い方、類語、英語表現について解説します。

「発足」の意味や正しい読み方とは?

「発足」の正しい意味や読み方は理解できていますか? 組織の活動や式典などかしこまった場面で使われる言葉なので、正しい使い方を押さえておきたいところです。今回は、「発足」の意味に加え、「設立」や「創立」などの意味を混同しやすい言葉についても解説します。

(c)Shutterstock.com

「発足」の意味

「発足」とは、「組織や機構などが設けられ、活動を始めること」。「新団体が発足する」「審議会が発足する」という使い方をします。「発」という文字は、「始める」「起こす」などを表し、「足」は、「歩くこと」「行くこと」などの意味があります。「発足」には、他に「出発すること」という意味もありますが、現在ではあまり使われません。

一般的には「ほっそく」

「発足」の一般的な読み方は「ほっそく」です。「発」を「ほつ」と読むのは、漢音が日本に入ってくる前に定着していた呉音の読み方で、仏教にまつわる言葉として用いられていたようです。「発作」や「発端」なども、同じく「ほつ」と読みますね。

「はっそく」という読み方も

また、「発足」には「はっそく」という読み方も。一般的には、「ほっそく」と読まれるケースが多いですが、「はっそく」も間違いではありません。こちらは、漢音の「はつ」をそのまま使った読み方となっており、他には「発症」「発見」「発表」などが挙げられます。

類語や言い換え表現とは?

「発足」と意味を混同しやすい表現に、「設立」や「創立」などがあります。新しく組織を作るという点では同じですが、対象となる組織や条件などが異なるため、これを機に明確な違いを覚えておきましょう。

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1:設立

「設立」とは、「組織や施設、制度などを新しく作ること」です。「設立」は主に、企業や会社などを法的な手続きによって立ち上げる場合に使われます。運営資金の確保や法人の登録などの手続きが必要となる、大きな組織を作る際に用いられる言葉です。

一方で「発足」は、法的な手続きを踏んで活動を行うのではなく、特定の目的を持つ団体やグループなどを結成する際に使います。具体例としては、新しい部署の立ち上げや、大学サークルの立ち上げなどがそれにあたるでしょう。

2:創立

会社や学校などの組織をはじめて作り上げることを「創立」と言います。特に大学でははじめて作った日を「創立記念日」とし、節目に「創立100周年」としてお祝いすることもありますね。「創立」は、あくまでも事業をイチから立ち上げた場合に使われるため、子会社を増やしたり、新規事業を始めたりするときには適しません。「子会社を創設する」というように、「創設」という言葉を使いましょう。

3:創業

会社や店がはじめて作られることを「創業」と言います。「創業50年」など老舗店に対して使われる傾向にある言葉です。頭に「創業」とつけることで、歴史の長さや信頼の証などをアピールする効果も。法的な手続きを必要とする機関や組織に対しても使われます。

4:始動

大きな事業やプロジェクトが動き始めることを「始動」と言います。「新規事業が始動した」「新体制が始動する」など新しい試みがスタートするときには、「始動」や「発足」を使ってみましょう。

使い方を例文でチェック!

「発足」は、式典のスピーチや書面でも用いられる言葉です。具体的な使い方を例文でチェックしておきましょう。

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1:この度、社内に製造部門を発足させ、当社自ら商品の製造を行うことになりました。

企業内で、新規事業や新しい部署を立ち上げる際には「発足」を使います。企業内で部署を立ち上げる際には法的な行為は必要ないため、「設立」や「創立」ではなく「発足」が適当です。

2:大学に新しくテニスサークルを発足し、祝賀会が行われた。

企業とは関係のない、大学のサークルや有志によるクラブ活動などにも「発足」が使われます。例えば、住民の健康増進を目的とした登山会や、周辺環境の美化のための清掃ボランティア活動などにもこれにあたります。

3:今日は父が立ち上げた団体の発足式が行われた。

事業団体が活動を始める前に行われる式典のことを「発足式」と呼びます。協力者や関係者へのお礼や事業のお披露目などが目的で行われることが多いようです。「発足式」という言葉は、「発足式のご案内」として来賓への案内状に使われることもあります。

英語表現とは?

英語で企業や組織を作ったり、活動を始めることを伝える場合、どのような表現があるのでしょうか。「inauguration」は、「(新政策などの)開始」「開業」「就任」などの意味をもちます。新しい事業を行うなど「発足」と同じようなニュアンスで使うことが可能です。

・The inauguration ceremony was held without delay.(発足式は滞りなく行われた)
・Finally a new government was inaugurated.(ついに新政権が発足した)

また、「会社や学校を作りたい」と言いたい場合には、「found」や「set up」「start」などを使って表現してみるといいでしょう。「found」は「創立する」という意味でややかしこまったニュアンスをもちます。「set up(設立する)」「start(始める)」は会話で使いやすいため、覚えて置くと便利です。

・This company was founded in 1989.(この会社は1989年に創立した)
・I want to set up a company.(会社を設立したい)
・I want to start a company.(会社を始めたい)

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最後に

「発足」は、ビジネスシーンで新しい事業や活動が始まるときに使われる言葉です。「ほっそく」と「はっそく」2つの読み方があり、どちらを使っても誤りではないですが、一般的には「ほっそく」が浸透しているため、そちらを使ったほうが無難です。「設立」や「創立」などとの違いを覚えて、正しく使い分けましょう。

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