この記事のサマリー
・「おいとまする」は、別れを告げてその場を去ることを伝える表現です。
・現代では訪問先を辞する意味で使われることが多く、やわらかな響きがあります。
・「おいとまします」は自分が席を立つ場面で使い、相手の行動には通常使いません。
「おいとまします」と聞くと、どこかやわらかく、品のある響きを感じる人も多いのではないでしょうか? けれど、いざ自分で使おうとすると、どんな場面なら自然なのか、少しかたく聞こえないか、迷ってしまいますよね。
何気ない別れ際のひと言だからこそ、しっくりくる使い方を知っておきたいですね。
「おいとまする」の意味とは?
まずは「おいとまする」の意味から確認していきましょう。

意味
「おいとまする」は、相手に別れを告げてその場を去ることだったり、その挨拶を意味します。現代では、訪問先を辞する場面で「そろそろおいとまします」「おいとまいたします」のように使われることが多く、「帰ります」と直接言うよりもやわらかい響きがありますね。
「おいとま」について、辞書では次のように説明されています。
お‐いとま【▽御▽暇】
[名](スル)
1 訪問先から退出すること。「もうそろそろ―しようか」
2 奉公先などを離れること。「―をいただきます」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
使い方を例文でチェック!
「おいとまする」は、現在では訪問先を辞する場面で使われることが多い表現です。「帰ります」よりもやわらかく、場の空気を崩しにくいのが特徴だといえるでしょう。ここでは、具体的な例文をもとに使い方を確認していきます。

ついつい長居をしてしまいました。おいとまいたします。
相手の自宅やオフィスを訪問したとき、会話がはずんで予定より長く滞在してしまうことがあります。そこで使いやすいのが、「おいとまいたします」という表現です。
「そろそろ、おいとまいたします」と伝えると、席を立つ意図をやわらかく示せます。
お茶をすすめられたので、「そろそろおいとましますので結構です」と伝えた。
訪問先では、帰るきっかけをつかみにくいときがあります。特にビジネスシーンでは、長引かせすぎず、失礼にもならない切り上げ方をしたいところです。
そんなときは、用件がひと区切りついた場面や、会話が落ち着いた場面で「そろそろおいとまします」と伝えると自然です。
お茶をすすめられたときにも、「ありがとうございます。ただ、次の予定がございますので、そろそろおいとまします」と返せば、断る理由と退席の意図を無理なく伝えられます。
あ、もうこんな時間か。さて、そろそろおいとましましょうかね。
「おいとましましょうかね」のように言うと、少しくだけたやわらかさが出ます。かしこまりすぎない一方で、「もう帰ります」と言い切るより角が立ちにくく、場をゆるやかに締めたいときに使いやすい言い方です。
ただし、相手や場面によっては少し古風に響くこともあるため、仕事の場では「おいとまします」「おいとまいたします」のほうが無難です。
類語や言い換え表現は?
「おいとまする」は、別れを告げてその場を去るときの表現です。ただ、どの場面でも同じ言い方が最適とは限りません。相手との関係や、その場の空気によっては、別の表現のほうが自然に聞こえることもあります。ここでは、近い意味を持つ言い換え表現との違いを整理します。
失礼します
「失礼します」は、「おいとまする」と意味が近い表現です。席を立つときや、会議を退出するとき、退勤するときなど、幅広い場面で使いやすいのが特徴です。
「失礼します」には、相手への配慮をにじませる働きがありますが、謝る意味だけに限られるわけではありません。別れや退出の場面で広く使える丁寧な言い方です。
引きあげます
「引きあげる」は、その場を離れて元の場所に戻るという意味で使われる言葉です。「おいとまする」と同じくその場を去ることを言い表せます。
辞去
「辞去(じきょ)」とは、「別れの言葉を述べて、立ち去ること」。相手の元から立ち去ることを表した硬い表現なので、書き言葉として使われることが多いでしょう。大事な商談などを終えた後、挨拶をしてその場を離れることを、「速やかに辞去する」と表現します。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)、『角川類語新辞典』(角川書店)
英語表現は?
英語で表現するなら、“take one’s leave” があり、会話では “I must be going now.”のような表現が使いやすいでしょう。
参考:『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)

「おいとまする」に関するFAQ
ここでは、「おいとまする」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「おいとまする」とはどういう意味ですか?
A. 相手に別れを告げて、その場を去ることを述べる表現です。現代では、訪問先から帰る場面で使われることが多く、直接「帰ります」と言うよりもやわらかい印象になります。
Q2. 「おいとまする」はビジネスでも使えますか?
A. はい、使えます。取引先や目上の相手のもとを辞する場面では自然です。ただし、社内で先に退勤するときなどは、「お先に失礼します」のほうがなじみやすいでしょう。
Q3. 「おいとまする」は漢字でどう書きますか?
A. 漢字では「御暇する」と書きます。ただ、現代ではひらがなで「おいとまする」「おいとまします」と書かれることが多いでしょう。
最後に
「おいとまする」は、帰ることをやわらかく伝えたいときに、そっと寄り添ってくれる表現です。意味や使いどころを知っておくと、ことば選びに迷った場面でも、落ち着いて伝えやすくなりますね。
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