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2022.05.10

「利益相反」とは? ビジネスや医療、遺産相続で起きる「利益相反」を解説

「利益相反」とは、「お互いの利益が相反する状態」のこと。特にビジネスにおいて「利益相反」が発覚すると、大きな問題に発展しかねません。「利益相反」の意味や、ビジネスで生じる「利益相反」のケースや、医療、遺産相続における「利益相反」に実例などを解説します。

「利益相反」とは?

「利益相反」という言葉を聞いたことはありますか? 「りえきそうはん」と読み、いろいろな場面で起こりうることですが、ビジネスシーンで発覚した場合、大きな問題になったり、最悪の場合、罪に問われたりしますので、「利益相反」がどんなものなのか、気をつけるべきことなどを知っておきましょう。

(c)Shutterstock.com

「利益相反」とはどういうことなのか、ビジネスシーンを例に説明しましょう。「利益相反」とは、お互いの利益が相反する状態のこと。英語の「Conflict of Interest」の頭文字を取ってCOIといわれることもあります。

たとえば、ものの売買などの商取引の場合、当事者のうち片方はお金を支払って欲しいものを手に入れ、もう片方は物を売ることでお金を手に入れます。つまり、当事者双方に「利益」がありますよね。本来、取引はこのようにWIN-WINの関係の中で行われるべきものです。

ところが、どちらかが不利益を被るような取引もあります。これが「利益相反」です。特に問題になりやすいのが、1人の人が2つの役割を担う場合。たとえばAさんとBさんの間で取引が行われるとしましょう。AさんがBさんの代理人をする「自己契約」や、第三者CさんがAさんとBさん両方の代理人となる「双方代理」は、「利益相反」の一種として民法第108条で禁止されている行為です。

ちなみに、民法第108条にはこのように記されています。

第108条「同一の法律行為について、相手方の代理人として、又は当事者双方の代理人としてした行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。」

第108条の2「前項本文に規定するもののほか、代理人と本人との利益が相反する行為については、代理権を有しない者がした行為とみなす。ただし、本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。」

少し難しいですが、どの法律で規定されていることなのかは、念のため頭に入れておきましょう。

ビジネスで生じる「利益相反」

ビジネスシーンにおいて、「利益相反」が起こる取引には、主に2つの場合が考えられます。それぞれについてみてみましょう。

直接取引のケース

直接取引とは、取締役が直接会社と契約を行う当事者である場合のことです。具体的には、

・取締役と会社間で行われる売買契約
・会社から取締役へ行われる贈与
・取締役からの利息がついた会社への金銭貸付
・会社から取締役へ行われる債務免除
・取締役が受取人となる会社からの約束手形の振り出し

がこれにあたります。

取締役が会社に何かを売り、取締役が対価を得た場合、取締役の利益と、会社の利益が相反していることになりますよね。

間接取引のケース

もうひとつのケースとしては間接取引があります。間接取引とは、取締役が会社以外の第三者と取引契約を結ぶ場合であっても、結果的に会社と取締役の間の利益がお互いに相反する場合のことです。具体的には、

・取締役と第三者間の債務を会社が保証する契約
・取締役が第三者間とする債務を引き受ける契約

が挙げられます。

会社にとって大切なことがらを決定する立場にある取締役が、会社と直接契約したり、会社が取締役個人の債務を引き受けたりすると、個人的な利益を優先し、会社にとって不利益になる取引を行うこともできてしまうということです。民法の規定は、それを防ぐためのもの。つまり、取締役個人にとってのみ有益で、会社にとっては不利益にしかならない取引である場合、その取引は「利益相反」と考えることができるのです。

ただし、「利益相反」取引のすべてが会社にとって不利益だとは限りません。たとえば、取締役の所有物である建物を会社の事務所とする賃貸借契約を結ぶ場合などは適正な取引だともいえますね。そのため、法律では「利益相反」取引を全面的に禁止するのではなく、会社の承認を得ていれば良しとしています。

この承認には会社の取締役会、あるいは株主総会の議決が必要です。取締役の独断で「利益相反」取引を承認することはできない仕組みになっています。

「利益相反」が生じたら?

(c)Shutterstock.com

もし、ビジネスシーンで「利益相反」が生じ、それによって会社が損害を被った場合、取締役は会社に対して損害賠償責任を負うこととなります。気を付けておかねばならないのは、会社の承認を得て行なった取引であっても、賠償責任の対象となるということです。

また、賠償責任の範囲にも注意が必要です。その取引を行なった取締役のみならず、その取引の実行を決定した取締役や、その取引の承認決議で賛成した取締役も賠償責任を負うこととなります。理由としては、任務を怠ったからで、損害賠償責任を負いたくない場合、自身の行為に過失がなかったことを証明しなければなりません。

「利益相反」の主な事例とは?

(c)Shutterstock.com

ビジネスシーン以外でも「利益相反」が生じることがあります。ここでは、医療の現場と遺産相続における「利益相反」について説明しますので見ていきましょう。

医療における「利益相反」

医療の現場における「利益相反」とは、おもに医学研究の分野で起こることが多くなっています。

具体的には、研究者たちが資金の提供を受けている製薬会社に有利になるような研究を行なったり、企業の不利益になるような研究結果を公表しなかったりする場合です。本来、研究によって利益を受けるべき「患者」と、「研究者および企業の利益」が相反している、ということになります。

遺産相続における「利益相反」

遺産相続は多くの人が関係する法律行為です。遺産相続で「利益相反」が起こりやすいのは、相続人が2人以上で、そのなかに未成年が含まれている場合です。

相続人が、亡くなった人の配偶者と未成年の子どもだったとしましょう。遺産相続の際には、遺産をどのように分けるのかを話し合う遺産分割協議が行われますが、この協議には未成年は参加できないことになっており、通常は親が代理人となります。しかし、この場合、親自身も個人の配偶者として相続人のひとりになっており、ひとりで2つ以上の役割を担うことになりますね。この場合も「利益相反」です。

通常、このような場合には家庭裁判所に対して代理人選定を要求し、未成年の子どもの代理人として親以外の第三者を立てることになります。

最後に

法律と聞くだけで「難しそう…」と目を背けたくなったり、「賠償責任」と言われてやみくもに怖くなったりする人もあるでしょう。

しかし、毎日の仕事は法律行為の連続でもあります。正しい知識は持っているに越したことはありません。仕事に関する法律すべてを頭に入れておくのは困難ですが、自分に関係しそうなことから覚えていくと、自信を持って行動できるようになりますよ。

TOP画像/(c)Shutterstock.com


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