「アーリーリタイア」とは?
「アーリーリタイア」という単語を聞いたことはありますか? 以下で詳細に解説していきます。
「アーリーリタイア」の意味
「アーリーリタイア」は、英語で「early retirement」です。「early」は、「早い」、「早期」という意味を持ち「retirement」は「退職」、「引退」という意味を持ちます。すなわち「アーリーリタイア」とは、「早期退職」のこと。
「アーリーリタイア」は、特殊な事情があって一時的に仕事を辞めるということではなく、定年を迎える前に仕事を辞めて引退することです。基本的には、退職後、仕事をしません。
「FIRE」とは?
最近では「アーリーリタイア」のことを「FIRE」と呼ぶこともあります。今までは、「アーリーリタイア」や「早期退職」を考えるのは、40代、50代になってからが多かったものですが、「FIRE」という考え方は、特に20代から30代の若い世代に注目されています。
「FIRE」は「ファイア」と読みますが、これは「火」の意味ではありません。「Financial Independence, Retire Early」の頭文字を取っています。つまり、「FIRE」とは、「経済的自立」と「早期退職」のことです。
従来の「早期退職」とはいったい何が違うのでしょうか。「FIRE」のポイントは、「経済的自立」のための退職。つまり、退職をするまでの資金のつくり方、退職後の資金の使い方が従来の「早期退職」とは違うのです。
「FIRE」は、資産運用によって退職後の生活を成り立たせるライフプラン。「アーリーリタイア」は、「早期退職」で得た退職金などを切り崩しながら余生を過ごすライフプランですので、その点が異なっています。
「アーリーリタイア」と「セミリタイア」の違い
「セミリタイア」という言葉もあります。「セミリタイア」の「セミ」とは、「半ば」などの意味を持っている言葉。つまり、「セミリタイア」とは半退職のこと。
「アーリーリタイア」と違って、「セミリタイア」の場合は、早期退職後も何らかの仕事をしながら生活をします。
「アーリーリタイア」が増加している理由
今までは、定年を迎えるまで働くことが理想の形、当たり前の形として捉えられてきました。しかし、今では「アーリーリタイア」や「FIRE」、「セミリタイア」という考え方も珍しくなくなってきています。
「アーリーリタイア」が増加しているのには、どのような背景があるのか迫っていきましょう。
1:叶えたい夢がある
会社勤めなど、「時間拘束があると、実現できない夢ができた」という理由で「アーリーリタイア」を選択する人がいます。もともと成し遂げたい夢があり、資産運用を視野に入れて就職したのち、資金をある程度貯めて「FIRE」を選択するというケースもあるようです。
「アーリーリタイア」をすることで、自由な時間が確保できます。
2:人間関係に疲れた
職場の人間関係に疲れてしまった、人間関係のトラブルに巻き込まれたことが原因で 「アーリーリタイア」する人もいます。
3:自由に暮らしたい
会社勤めをしていると、自分の意に反した仕事をしなければならなかったり、上司に理不尽な要求をされたり、したいことができず仕事に対する理想と現実に隔たりがあったりと、様々な縛りがありますよね。
こういった縛りから解放されたい、自由にのんびり暮らしたい、と思い「アーリーリタイア」を選択する人も多いようです。
「アーリーリタイア」のメリット
「アーリーリタイア」をすることで得られるメリットには、どのようなものがあるでしょうか。次に、「アーリーリタイア」のメリットについて紹介します。
1:自由な時間が増える
先ほども述べたように、「アーリーリタイア」をすることで、自由に使える時間が増えます。今まで時間がなくてできなかった趣味や、長期の海外旅行など、自分のペースで様々なことができるようになるのが「アーリーリタイア」の大きなメリットです。
2:ストレスが減る
「アーリーリタイア」をすることで、会社勤めをする上で感じられる負担やメリットが一切なくなります。過度なストレスによって、体調不良になってしまう場合もあるため、限界を迎える前に「アーリーリタイア」や「セミリタイア」、「FIRE」を視野に入れてみてはいかがでしょうか。
3:新しい世界を見ることができる
会社勤めをしていると、毎日が同じことの繰り返しのように感じてしまうこともありますよね。
一度きりの人生を後悔しないために、「アーリーリタイア」を選択するというのも一つの手。「アーリーリタイア」は、新しい世界へ飛び込んでみるきっかけとなります。「アーリーリタイア」によって生まれた時間を有効に使いましょう!
「アーリーリタイア」のデメリット
「アーリーリタイア」には、過度なストレスから解放されたり自分の時間を確保しやすくなったりするというメリットがある一方で、デメリットも存在します。良い面と悪い面の両面から、「アーリーリタイア」が自分にとって現実的なのかを考慮しなければなりません。
1:お金の心配がつきまとう
「アーリーリタイア」をする上で一番のデメリットといえるのが、「お金の心配」です。就労していた時のように定期的な収入が見込めなくなります。「早期退職優遇制度」を利用したとしても、貯金を切り崩しながら生活するのは不安ですね。
2:社会的な信用度が得にくくなる
「アーリーリタイア」をすると、クレジットカードの審査が通らなくなったり、アパートやマンションを借りられなくなったりする可能性があります。これらの審査には、職業や勤続年数などの収入情報が問われるため、無職と同じ扱いの「アーリーリタイア」が審査に影響してしまうのです。
3:社会的な繫がりがなくなる
「アーリーリタイア」をすることによって、社内での人間関係におけるトラブルやストレスからは解放されるかもしれません。しかし、「アーリーリタイア」をすることで人間関係が希薄になることも考えられます。
「アーリーリタイア」は、自発的に人と交流する場を設けないと、社会的な繫がりがなくなってしまうというデメリットがあるのです。
最後に
「アーリーリタイア」は、早期退職後に「何がしたいか」、「何をするか」を明確にすることで有意義なものにすることができます。先を見通したライフプランを立てて、より刺激的で生き生きと暮らせる方法を模索していきましょう!
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