プロが教える! 上手なほめ方Tips
メールやチャットでほめるときは、絵文字やスタンプで感情をプラス
「テキストでほめるときの注意点は簡潔に書くこと。表情や声のトーンがわからないぶん、スタンプや絵文字で感情を補うと、相手をほめたいという気持ちが伝わりやすくなります」(船見さん)
「簡潔に伝える代わりに、ほめる回数はいつもより多めにするとよりいいでしょう。長いメールで言葉を尽くそうとすると、わかりにくいし、わざとらしくなるので要注意」(原さん)
目上の人をほめたいときは「教えてください!」
「目上の人に敬意を伝えたくても、『生意気と思われる?』と思ってしまう人も多いはず。そんなときは、頼ったり、相談したりするのも立派なほめ方のひとつと覚えておいて。『教えてください』と伝えることで、『あなたを尊敬しています』というメッセージになります。ストレートに伝えるより、相手も気持ちよく受け取ってくれますよ」(船見さん)
後輩を𠮟るときは「ほめる」→「𠮟る」→「ほめる」の順で
「叱られてうれしい人はいませんよね。だから最初に相手をほめて、指摘を受け止める心理的なハードルを下げることが重要です。『いつも仕事が早くて助かってるよ。でも報告を忘れることがあるのが残念。几帳面な仕事ぶりはあなたの強みだから、今後は大丈夫だと信じてるよ』など、最後にもう一度ほめて締めくくると、相手も行動を改善しようという気持ちになるはずです」(船見さん)
みんなの前でほめるときは〝周囲の人に役立つ情報〟として伝える
「複数の人がいる前でほめても問題はありませんが、特定の人のえこひいきに聞こえてしまうのは避けたいもの。業務改善につながるような、全員に役立つノウハウとして伝えましょう」(原さん)
「たとえば、『○○さんの顧客への対応はみなさんの参考になるはずなので共有しますね』といった言い方なら嫌みにならないはず。それ以外の“ほめ”は、個別に伝えるのがベターです」(船見さん)
教えていただいたのは…
ほめ育グループ代表 原 邦雄さん
はら・くにお/世界18ヶ国に広がる教育メソッド「ほめ育」創始者。「教育立国推進協議会」有識者。世界的スピーチ大会TEDxに2度登壇を果たすなど海外でも活躍。著書は『100点のほめ方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)ほか多数。
心理カウンセラー 船見敏子さん
ふなみ・としこ/青山学院大学卒。出版社に勤務後、フリーライターを経て現職。現在は企業や自治体などでメンタルヘルス支援や講演などを行う。著書に『職場がイキイキと動き出す 課長の「ほめ方」の教科書』(左右社)など。
2022年Oggi5月号「『ほめ方』次第で仕事が回り出す!」より
イラスト/omiso 構成/佐々木 恵・酒井亜希子・島田七瀬(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部