不妊治療の病院選び、後悔しないためには?【30代からの不妊治療】
妊活を始めて3年。現在34歳の私の体験から、妊娠を考えているカップルにとって少しでも役に立つような情報をレポート形式でお届けします。
前回は、顕微授精ができないと知った夫が落ち込んでしまったお話をお届けしました。今回は、病院選びで後悔しないためにやるべきことの話。
合コンよりお見合い?! 私の卵子と夫の精子の相性はいかに…
採卵、採精を無事に終えた私たち夫婦。先生から、採卵9個と過去最高の元気な精子の結果が出たと聞き、私は大喜び。一方夫は、その後の説明の、受精方法に顕微受精ではなく、ふりかけ法を用いるということに、ひどく凹んでしまいました…。そのことについて、病院を出て、すき焼き屋さんでランチをしながら話していました。
顕微鏡で拡大視しながら、受精の手助けを行う顕微授精。形態が正常な運動良好精子をひとつ選別して、細いガラス針の中に取り込み、卵子に注入する様子は、不妊治療のニュースなどで見たことがある人も多いのではないでしょうか。
夫「体外受精のふりかけ法が合コンやカップリングパーティーだとしたら、顕微授精ははじめから1対1のお見合いみたいなものなんだよ。僕はシャイだから、合コンやパーティーみたいな場面だと、『あ、いいな』と思っても譲り合ったり遠慮しちゃったりして、カップルになれないかもしれないんだ。だからさ、はじめからお見合いのほうが、カップル成立する確率高まるでしょ! 精子も一緒なんだよ」
夫の精子が夫と同じような性格をもっているのかどうかはわかりませんが、大人数のパーティーより、1対1のほうがうまくいくという夫の意見は説得力がありました。
ただ、私は夫と少し意見が違っていて、卵子も精子もいい結果が出たことを一緒に喜び合いたかったし、自分たちの体から出て行ってしまった以上、もうできることはないのであとは神様にでも祈りながら穏やかに明日の結果を待ちたかったです。
しかし、夫は食事が終わっても、なお、半泣き状態。
私「う~ん。先生にお任せすることにしていたわけだし、仕方ないよ…」
私は自己注射がしんどくて、採卵期間中自分のことでいっぱいいっぱいだったこともあり、夫が受精方法を具体的に顕微でやろうと強く希望していたなんて、ぜんぜん知らずこの日を迎えていたのです。
夫「あ~顕微したかった…。どうするんだ、本当に…」
私「仮に、今回、もし受精結果がよくなかったら、もう一回採卵すればいいよ」
夫「あんなに辛そうだったじゃないか。もうキミに苦しい思いをさせたくないよ。あぁ病院ごとにこんなにやり方が違うなんて…。もっと調べるべきだった…」
不妊治療の病院選びでやるべきこと
というわけで、不妊治療してて、一番びっくりしたポイントなんですが、採卵の方法や顕微授精が患者の意思でできるかどうかなど、病院のポリシーや基準に大きく左右されてしまうのです。
これから体外受精をしようと思っている人はカウンセリングや見積もりの時点で、治療方法をよく確認しておいた方がいいと思います。
私はついつい、お金の部分や通院頻度ばかりが気になってしまうし、治療方法はどこも大きな差はないようなイメージでいましたが、実際のところ不妊治療の自費診療(2020年当時)においては、医療機関ごとに治療内容がさまざま。こういうのって「不妊治療のベストはコレ!」っていうガイドラインがあればいいのになと思いました。
「患者にあわせてカスタマイズな治療ができるから自費診療がいいんだ」とか「卵の質にこだわるなら○○の治療がおすすめである」とか、いろんな考え方があるのはわかりますが、患者側には医療知識がそこまでないので、いろんなバリエーションの治療方法を提示されてもよくわかりません。値段が高ければ、「あぁ、いい治療なのかな?」とすら思ってしまいます。
単純に治療方法ごとや病院ごとの採卵から妊娠・出産までの成功確率がわかれば比較もしやすいのですが、そういった明確な実績データにすら、患者側がアクセスすることができないのが現状です。
だから、やってみないとわからないことは多いとはいえ、できる限りの知識と体験談を集めて知っておくことは、大事なのかなと思いました。
次回は、すき焼き屋さんを出たあと、おなかがものすごく痛くなってしまったお話をしたいと思います。
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クロサワキコ
34歳・主婦ライター。妊活歴3年目。男性不妊の治療や人工授精に体外受精、ステップアップを重ねていくなかで感じた不妊治療のリアルな本音を発信しています。