腹痛、体重増加、新たな疑問… 採卵後の出来事【30代からの不妊治療】
妊活を始めて3年。現在34歳の私の体験から、妊娠を考えているカップルにとって少しでも役に立つような情報をレポート形式でお届けします。
前回は、病院選びで後悔しないためにやるべきことの話をお届けしました。今回は、麻酔による採卵後、痛み止めが切れておなかが痛くなった話。
採卵は痛い! 生理痛より酷い下腹部の痛みで動けなくなる
採卵、採精を無事に終えた私たち夫婦。先生から、採卵9個と過去最高の元気な精子の結果が出たと聞き、私は大喜び。一方夫は、その後の説明の、受精方法に顕微受精ではなく、ふりかけ法を用いるということに、ひどく凹んでしまいました…。
病院後、ランチで来たすき焼き屋さんで夫は、顕微受精の方が体外受精の成功確率が上がると考えていたことを私に教えてくれました。
半泣き状態になっている夫をなだめながらランチを済ませ、歩いて10分くらいの自宅へ向かおうとしていた時でした。
私「待って、おなか痛いかも…」
夫「え? マジ? タクシーで帰る?」
私「わ、わ、わ、どうしよう。動けない」
すきやき屋さんを出て、ほんの数十メートル歩いた程度の場所で、私はうずくまってしまいました。採卵後に入れてもらった痛み止めの点滴の薬が切れたのだと思います。食べ過ぎたとか、生理痛とは種類が違う、ビキビキバキバキするような重たい下腹部の痛み。額から汗がいっぱい出てきました。
私「タクシー乗り場まで行けないかも…」
夫「マジか。いったん座ろうか」
幸い、近くにベンチがあったので腰かけていったん休憩。ランチなんかしないで、まっすぐに家に帰ればよかった。時刻は14時半。針を刺した回数とか、その時の体調など、個人差があるとは思うのですが、私の場合は、朝の採卵から5時間以上が経過していても、薬が切れたら猛烈な痛みがありました。
夫が大きな通りまで出てタクシーを拾ってきてくれ、体を引きずるようになんとか乗り込み家路へ。ひとりだったら、道端でうずくまったまま身動きが取れなくなっていたかもしれません。夫が付き添ってくれていて正解でした…。
麻酔して採卵をしたので車の運転などはできない
ちなみに私は採卵時に受けた麻酔は、静脈麻酔と局所麻酔の併用で、当日中は車の運転が禁止されたりなどの制限が出されました。出血した様子はないけれど、ひたすらおなかは痛くてベッドでぐったりしてしまいました。
採卵した日は私のように腹痛に見舞われることもあるので、できれば付き添いの人がいたほうが安心だし、午後もなるべくゆっくりできる環境を整えておくことをおすすめします。
採卵当日の夜は、お風呂はNGでシャワーだけ。食後は処方されたフロモックスを飲みました。
採卵から12時間が経過。体重が激増していた
夜の21時過ぎになると、痛みもだいぶやわらぎました。が、完全に復活というわけではなくどんより痛いし、引き続きダルい感じです。夫と遅めの夕食をとりながらも、なんだか疲れすぎて食が進みませんでした。
私「もう卵子も精子も、私たちのカラダから出て行ってしまったのかと思うと、なんだかさみしいね。昨日までは食べたものが全部卵の栄養になるくらいの気持ちでいたからさ」
夫「ボクはもう何食べようと無意味だけど、キミはこれからまだ移植、妊娠、出産と重大任務が立て込んでいるじゃないか。しっかり食べなきゃだめだよ。そういえば体重ってどうなった?」
私「あぁ、どうだろう。最近は計ってなかった」
食事の途中だけど、ふと気になって体重計に乗ってみました。
私「え?! 48キロ!(今までで一番増えていた!)どおりでカラダが重たいわけだ。てっきり卵をとりだしたから少し減っちゃったかと思ってた~」
夫「食べる量も増やしていたし、いろんな薬も使っていたからね。このままの体重維持していったほうが妊娠しやすいんじゃないのかな」
私「少なすぎるよりいいのかもね。やっぱり食べなきゃ!」
そう意気込んでみたのですが、結果から言うと、採卵当日が私の体重ピークでした。週明けにはあっという間に45キロ台に落ちてしまって…。
でもそこからは妊娠しやすい体質になりたい! という一心で体重を減らさないように筋トレも再開。野菜もお肉も魚もフルーツも、とにかくバランスよくなんでも食べるように心がけました。
初期胚、グレード、胚盤胞…。採卵後のステップがさっぱりわからない
採卵後の診察時、K先生の言葉の意味がほぼ理解できなかった私は、夕食中もスマホ片手にこのあとどういうステップを踏んでいくのかをネットで検索しまくり。
しかし、同じ時期に採卵周期に入っていた不妊治療戦士たちをTwitterでたくさんフォローしていたのですが、気が付けば私より少し前に採卵を終えていた人たちが呟く「初期胚を○個凍結した」とか「グレード1が○個でグレード2が○個で…」とか「胚盤胞ができた」などの言葉の意味がまたわからなくて悩みました。
私「今日先生にもっと詳しく効けばよかった。受精卵ってやっぱり良いとか悪いとか、何かグレードという格付けみたいなのがあるのかしら…」
夫「かねぇ? 僕も今それを調べていたんだけれど、グレードって言っている人もいるし、AAとかBBとか、クリニックごとに評価の仕方が違うみたいなんだよね。『受精してもその後、半分くらい脱落して胚盤胞になれなかった』と書いている人もいるね」
私「ということは受精卵=胚盤胞ではないってこと? 胚って受精卵の事かと思っていたけれど違うのかな? 明日の受精結果では数を教えてくれるって言ってたから、このグレードの話はまた別なのかしら」
夫「ううむ」
私「う~ん、ちんぷんかんぷんだ…」
2人してクエスチョンマークが飛び交いました。たったひとつでもいいから、妊娠に繋がる卵が採卵できればいいな! と思って、採卵数だけに重きをおいてしまったがばかりに、そのあとのステップの知識がまるっと欠落していたのです。
受精卵になれるかどうか、移植して着床できるかどうか、これから乗り越えていかねばならないハードルの高さ、数を想像するだけでも気が遠くなるのですが、私たち夫婦はその一つひとつのハードルがどういうものかという理解が追い付いていない状況でした。
そして、体外受精を経験された人なら、ここでたくさんの勘違いをしていることにお気づきかもしれませんが、私たち夫婦は受精卵と胚盤胞の違いも分かっていなかったし、移植もスケジュールのことばかりでどの卵を選ぶかというミッションそのものがすっぽ抜けていました。
ここでのいろんな勘違いが原因で、週明け、病院にいってドタバタしてしまう失敗があったのですが、そのお話はまた後日。次回は、翌朝の受精結果を電話で知らされた時のお話をしたいと思います。
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クロサワキコ
34歳・主婦ライター。妊活歴3年目。男性不妊の治療や人工授精に体外受精、ステップアップを重ねていくなかで感じた不妊治療のリアルな本音を発信しています。