「自己顕示欲」とはどんな意味?
「自己顕示欲(じこけんじよく)」とは、「自分のことを必要以上に他人にアピールすること」。身の回りの人に自分のことを見てほしい、注目されたいという欲求が強い人のことを「自己顕示欲が強い人」といいます。「自己顕示欲」の「顕示」は、「わかるようにはっきりと示すこと」という意味なので、自己主張が強いというように解釈できますね。
ちなみに、よく似た言葉に「承認欲求」がありますが、こちらは「他人から肯定的な評価を受けたい、自分を価値のある存在だと思いたいという欲求」を指します。自分のことを認めてほしいという「承認欲求」と、自己主張が強い「自己顕示欲」では、その意味は若干異なります。
「自己顕示欲」が強い人の特徴とは?
仕事やプライベートでやたらに自己アピールする「自己顕示欲」が強い人。その態度を苦手に感じている方も多いのではないでしょうか。ここでは、「自己顕示欲」が強い人によく見られる特徴を紹介します。自分や身の回りの人を診断してみましょう。
1:目立ちたがり屋
「自己顕示欲」が強い人の1番の特徴は、目立ちたがり屋なこと。とにかく周りから注目されたい、自分のことを見てほしいという気持ちが強いため、職場やプライベートでも目立とうとします。自分が常に輪の中心でいるために、大声で喋ったり大袈裟なリアクションをとることもたびたび。
チームのリーダーや役員に立候補して、人の上に立ちたがるのも特徴です。数人で話していても、平気で他人の話を横取りし、自分の自慢話に持っていってしまう会話泥棒な一面もあるでしょう。
2:負けず嫌いで見栄っ張り
負けず嫌いで見栄っ張りな性格もこのタイプの特徴。とにかく人より目立ちたいという気持ちから、本当はできない仕事を「できる!」と言い張ったり、自分よりも優秀な相手に対してライバル心を燃やします。
近年では、SNSやインスタの流行で自分の私生活を気軽に投稿できることから、インスタ映えしそうな食べ物やおしゃれスポットの写真を頻繁に載せたり、友達や彼氏との写真をやたらと載せたりしてリア充ぶりをアピールすることも。必要以上に自分の姿をよく見せようとすることも「自己顕示欲」が強い人の特徴なのです。
3:ファッションや髪型が派手
「他の人よりも目立ちたい!」という心理は、外見にあらわれる傾向も。「自己顕示欲」が強い人は、ファッションや髪型も派手。女性ならミニスカートにハイヒールなど、露出度高めの過激な服を選びます。女子会や合コンでは、ブランド物のバッグをこれみよがしに見せつけて自慢する人もいるでしょう。男性でも、髪を派手な色に染めたり、奇抜なファッションで注目されたいと思っている人が多いようです。
「自己顕示欲」が強い人の心理・原因とは?
「自己顕示欲」が強い人は、自慢話をしたり、自分勝手な行動をとる傾向があるので、周りからうんざりされていることもしばしば。このような人は一体何を考えているのでしょうか? その心理を解明していきましょう。
1:自己肯定感が持てない
「自己顕示欲」の強さは、実は自己肯定感が持てないことに原因があるそう。「自己肯定感」とは、簡単にいうと「自分で自分のことを認めてあげること」。たとえ何かに失敗しても「自分なら大丈夫」と思うことができれば、必要以上に他人の目は気にならないはずです。しかしながら、自己肯定感が持てない人は、自分のことを肯定することができないため、常に「すごいね」と褒めてくれる他人が必要なのです。
2:自信がない
「自己顕示欲」が強い人は、意外と自分に自信がありません。自分に自信がなく、他人から良い評価が欲しいと思うあまり、SNSで私生活の充実ぶりをアピールしたり、派手なファッションをして人の気を引こうとしたりしているのかもしれませんね。
3:理想の自分像がある
あなたにも「こうなりたい」という理想の自分像はありませんか? 「自己顕示欲」が強い人は、理想の自分像のハードルが高い傾向があります。今の自分と理想の自分との間に大きくギャップがあるために、今の自分自身に自信が持てないのです。結果、理想の自分に少しでも近づきたいという思いから、SNSで見栄を張ってしまうことが考えられます。
「自己顕示欲」が強い人への対処法とは?
あなたの職場や学校にも「この人、自己顕示欲が強いな…」と感じる人はいませんか? 自己アピールが強いので、付き合いづらいと感じている方も多いはず。ここでは、「自己顕示欲」が強い人との付き合い方のポイントを紹介します。
1:適度な距離感を保つ
「自己顕示欲」が強い人は、常に人から褒められていないと不安に感じることも。少しでも、「周りの人は自分を評価してくれない」「興味を持ってもらえない」と感じると、精神的に不安定に陥ることもよくあります。安定した信頼関係を築くのが難しいことも考えられるため、程よい距離感でお付き合いした方が良さそうです。
2:意見を肯定する
「自己顕示欲」が強い人は、他人からの評価に敏感。何気なく言った一言で傷ついてしまったり、激昂することもあるでしょう。「自己顕示欲」が強い人と穏便に付き合うためには、相手の意見を肯定することがポイント。「うん、うん」「そうなんだ」「すごいね」など相槌を打ち、聞き役に徹しましょう。
3:「いてくれてありがとう」と感謝の言葉を
中には、身内や恋人の「自己顕示欲」が強い場合もありますよね。この場合、距離感を保ったり、いつも聞き役に徹することは難しいもの。自己アピールが強いわりには自信がなかったりして、理解するのが難しいと感じることもあるかもしれませんが、「自己顕示欲」が強い人が本当に欲しい言葉は、「褒め言葉」より「存在認定」だそう。
「いつもそばにいてくれてありがとう」など、存在を認めてあげる言葉をかけることで心が安定するそうです。なかなか言いにくいセリフかもしれませんが、勇気を持って伝えてみてはいかがでしょうか?
最後に
「自己顕示欲」とは、「自分のことを必要以上に他人にアピールすること」。コミュニティの中心にいたがったり、自己主張が強いなどの特徴があるので、職場や身近にいると厄介に感じる方も多いかもしれません。しかし、「自己顕示欲」が強い人の心理を探っていくと、意外と自分に自信がなかったり、情緒が不安定な一面もあったり…。
自分に自信がないことの反動が、過剰な自己アピールにつながっているのかもしれませんね。自分がストレスを感じない程度に、広い心を持って対応していきましょう。
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