「粘着質」の意味をおさらい
「粘着質」の「粘着」という二字熟語は、「粘着テープ」という言葉にも使われている通り、「ねばりついて離れない状態」を指します。そこから転じて、執着心が強かったり、しつこかったりする人のことを「粘着質」な人と言うようになりました。
心理学の世界においては、「粘り強く、感情的な動きが少ない気質」のことを「粘着質」というようですが、一般的に日常生活では、「執着心が強い気質」「しつこい性格」という、マイナスなイメージで使われています。
「粘着質」な人の特徴は?
ではさっそく「粘着質」な人の特徴について紹介します。よもや自分に当て嵌まっていないかどうか…併せてチェックしてみて。
思い込みが激しい
「粘着質」な人の特徴の一つとして、思い込みが激しいことが言えるでしょう。むしろ、思い込みが激しいから「粘着質」になってしまっているといえるかもしれません。
例えば「粘着質」と言われる人は、友人の些細な言動から、「もしかしかたら、あの人に嫌われているかも…」と思い込んでしまう、気にしいな部分があります。「~かもしれない」が、「~にちがいない」と次第に脳内変換され、被害妄想を増大させてしまったり。
そして、それを確かめないと不安で仕方なくなってしまい、周りの人たちに執拗に聞いたり、確認して回ってしまう。「粘着質」な人は厄介だと思われてしまうのは、人間関係に強めの負荷をかけてくるから、とも言えそうです。
依存しがちである
「粘着質」な人は、人に対する執着心が強いことから、他人に依存しがちな傾向にあります。友人や恋人が自分のすべてになってしまうため、「この人がいないと、生きていけない」といった思考に。
加えて、人間は見返りを求めたがる生き物です。「粘着質」な人は、「自分がこれだけ相手を思って尽くしているのだから、自分にも同じだけの気持ちを注いでほしい」と、見返りを求めてしまうことも。その結果、相手にとっては負担に感じられ、うんざりとした気持ちを抱かれてしまうのです。
嫉妬しやすい
さらに、「粘着質」な人が持っている特徴として挙げられるのが、「嫉妬心が強い」こと。相手に懸ける思いが強すぎる分、見返りが返ってこなかったり、他の人と仲良くしている様子を見たりすると、嫉妬してしまうのです。
「自分が一番あなたを気にかけているのだから、あなたも私を一番に思って欲しい」という気持ちが先行して、不機嫌になってしまったり。また、嫉妬心のあまり相手の気持ちを確かめたくなり、「私のことどう思っているの?」と質問攻めにして、粘着してしまう人も。
「粘着質」な人への対処法は?
思い込みが激しくて依存体質、さらに嫉妬深いとなると、「粘着質」な人自身も、その感情を向けられる人も、大変ですよね…。
そこで、ここからは「粘着質」な人と、上手く関わっていくための対処法を紹介します。後ほど、「粘着質」な人向けに改善方法も紹介します!
自分の話をしない
「粘着質」な相手に興味を抱かれたり、気に入られたりすることを防ぐためには、「自分の話をしない」という方法が一番おすすめです。自分のことについて話してしまうと、根掘り葉掘り細かな部分まで詮索されてしまう可能性があります。
「粘着質」な人と会話をするときは、なるべく聞き役になって、相手の話を盛り上げるようにするといいかもしれません。
過去の話をあまりしないようにする
普段はそんなことはないのに、好きな人に関することとなると、「粘着質」になってしまう人が多いです。「粘着質」な人は、過去の恋人のことを気にして引きずります。
「過去にこんな人とお付き合いしていたけど、あなたが一番だよ」というように話をしてしまうと、余計気になってしまったり、束縛が激しくなったりしてしまう可能性があります。それならいっそ、過去の話はノータッチでいたほうが○。
忙しいふりをする
「粘着質」な相手に、詮索されたり質問攻めにされてしまった場合は、時間のないふりをするのがおすすめ。こちらが答えるまで、ずっと粘着される可能性があるため、「今急いでいるんだ」と切り上げてしまうのも一つの手です。
その際に、言い方がきつくなってしまったり、うんざりした様子を出さないように気を付けましょう。しつこくされると、ついつい言い方に棘を含んでしまいがちになりますが、あくまで相手を傷つけることが目的ではなく、詮索から切り抜けるための方法です。
「粘着質」にはメリットも!
デメリットが多い「粘着質」ですが、デメリットだけではありません。いいところもあるのです。
記憶力がいい
「粘着質」と呼ばれる人は、相手への興味や思いが強すぎるあまり、執着してしまう傾向にあります。裏を返せば、相手のことについて色々と知りたいという思いがあるため、相手のことに関しての記憶力が抜群です。
物事に集中して取り組む
ビジネスシーンにおいて、「神経質」な人は意外にも評価される傾向にあります。一生懸命に物事に取り組むところや、自分がこだわりたい部分への集中力は人一倍です。
努力家である
自分の好きなことや、興味のあることに関してのこだわりが強い「粘着質」の人は、そのことに対して精一杯取り組みます。
また、一度決めたことは曲げない、最後までやり遂げるという強い意志を持っており、ビジネスシーンにおいてモチベーションを挙げてくれる存在でもあるのです。
これで大丈夫!「粘着質」の治し方
分かっていても、人に執着してしまったり、依存してしまったりしてしまう時期もあるもの。そんな時は中期的な目線で、自分の将来を良くするために行動を起こしましょう。
自分磨きをする
「粘着質」になってしまう人には、自分に自信が持てないという傾向が。自分に自信が無いため、相手が離れていかないか不安になったり、自分を好きでいてくれる、一緒にいてくれる相手に依存してしまったりします。
ですので、自分一人でも生きていける! という強さを身につけるために、自分磨きに時間を割いてみてはどうでしょうか? 自分の武器になるものが一つでもあると、それが自信になり、その武器に関わるアクションに時間を費やすことが増えます。一つのことに没頭したら強い粘着気質の特性を、スキルアップや肉体改造などに注ぎましょう。
過去は過去と割り切る
「粘着質」な人は、過去のことをずるずると引きずってしまう傾向にあります。「もしあのとき、こうしていたら」「こうすればよかった」など、後悔してもどうしようも出来ないことを考えて、ナーバスになってしまうのです。
過ぎたことは戻ってこない、割り切って前を向き、過去は振り返らない。言葉では簡単に言えますが、実現するのはなかなか至難。やはり粘着質のメリットである「一つのことに打ち込める力」を活かして、新しい人間関係・趣味・推しに時間コストを注ぎ、自然と過去のことを思い出す時間を減らすことが一番の近道かもしれません。引っ越しをしたり、新しい共同体に所属して”場所を変える”ことも効果的です。
謙虚な姿勢を意識する
「神経質」な人の特徴でも紹介しましたが、「神経質」な人は思い込みが激しいところがあります。思い込んでしまうため、他人の意見に耳を傾けられなくなってしまうことも。
思い込みの激しさから人間関係を損なってしまうことが嫌なら、相手の立場に立つ、他人のさまざまな意見に耳を傾ける姿勢が大切。とは言え一足飛びにできることでもないので、壁やPCにメモ紙を貼り付けておいてリマインドできるようにしたり、1日の終わりに振り返りをしてみるなどの、訓練を続けるのが良さそうです。
最後に
自分に自信が無かったり、劣等感を感じることで生まれる、執着心や依存心。その状態に捉われたままぐるぐる考えを巡らせている状態は、とても辛いですよね。
相手の気持ちは相手にしか分からないものです。だからこそ、気になって粘着してしまいますが、考えても分からないものは分からないので、そこに時間をかけるより、自分に自信が持てる”好きな趣味や運動、アクション”を見つけて、そこに時間を注ぎ込むのが良さそう、ということがわかりました。費やした時間は特技となり、自信となり、「粘着質」を改善する一番の近道になります。
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