部下の自己肯定感を高めるたった1つのシンプルな言葉
子供を医者にしたい保護者のための「幼児教室ひまわり」塾長、熊野貴文です。講師として親御さん向けに子育てのアドバイスをしたり、経営者として社員に指導したりする中で、子育てと部下教育には多くの共通点があると感じています。
なので私は、自分の部下に教育する際も子どもだと思って接している部分があります(笑)。もちろんこれは「子ども扱い」をしているわけではありません。相手を“一人の人間”として認め、対等に接しているからです。
これは実は子育ても同じで、親子だからといってその関係性は主従関係や上下関係ではないのです。親は子どもを一人の人間として認め、対等に接していくべきだと思います。相手が子どもであっても大人であっても、考え方は同じです。
確かに、上司も親も教える立場ではあるのですが、相手を認めて対等に接していくと、主従関係や上下関係ではできないような強固な信頼関係を築けるようになります。
安心感が生まれると自己肯定感が高まる
さて、そんな部下教育の中で特に大事なことは「相手の自己肯定感を高める」ことだと思います。
近年「自己肯定感」という言葉が頻繁に使われるようになりました。そのため、教育における自己肯定感の重要性はお分かりいただけると思います。ただ、どうすれば相手の自己肯定感を高めることができるのか? その具体的な方法はまだまだ多くの方が模索中な気がします。
そこで今回は、相手の自己肯定感を高めるたった1つの言葉を紹介します。
それは「大丈夫」という言葉です。本当にシンプルですよね。でも実はこのシンプルな言葉には、相手の自己肯定感を高める効果があります。
そもそも自己肯定感というのは、読んで字のごとく「自分を肯定する」という意味です。つまり、自分で自分を認めるということ。「自分はこのままの自分で良いんだ。」と思うことです。相手にそう思ってもらうためには、相手に安心感を与えるようにます。「大丈夫」という言葉は、まさに相手に安心感を与えます。
これはなぜかと言うと「大丈夫」という言葉には、相手に「あなたは一人ではない。あなたには味方がいるんだよ」というメッセージが含まれているからです。
たとえば、誰かに「あなたは大丈夫だよ!」という声がけをする状況を想像してみてください。上司の立場の方であれば、仕事で悩んでいる部下に対して「あなたは大丈夫だよ!」と声がけをする状況です。おそらくその時、何も根拠がない状態で「あなたは大丈夫だよ!」という声がけはしないと思います。
「あなたは大丈夫だよ!」と声がけをする時は、「私も一緒に頑張るから!」「たとえ失敗しても私が守ってあげるから」というような、自分が味方として積極的に関わっていく気持ち(責任)が備わっていると思います。だからこそ「大丈夫」という言葉は、決して相手任せの無責任な言葉にならず、相手に安心感を与えることができるのです。
そのため「大丈夫」と言われた相手は、
「私は一人ではないんだ」
「私にはこんな素敵な味方がいるんだ」
「だから自分はこのままの自分で良いんだ」
という安心感が生まれ自己肯定感が高まっていきます。
「大丈夫」という言葉はとてもシンプルなのですが、伝える側にも責任感が生まれ、相手に与える効果がとても高くなる言葉なのです。
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幼児教室ひまわり塾長 熊野貴文
1978年兵庫県神戸市生まれ。灘中・灘高卒、大阪大学医学部現役合格、同校卒。
医師として、大阪大学付属病院(阪大病院)や市中病院など数々の病院で勤務医として医療に携わる。
その後、「自分が両親から授けて頂いた本当の教育方法」を世に広めることに対して使命を感じ、現在幼児教室ひまわりの運営を行っている。
著書『子どもを医者にした親たちが幼少期にしていたこと』(啓文社書房)では、我が子の能力を最大限に引き出す教育法を伝授。