お年玉の由来は餅だった!?渡す際の4つのマナーやお年玉袋についてもご紹介
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2023.11.07

お年玉の由来は餅って知ってた!? 渡す時のマナー4選。お年玉袋の由来や最近のお年玉事情も

お年玉という習慣は、正月に供えていたお餅を渡していたことが由来です。昭和の高度経済成長期を機に、現金を渡す風習として変化し、広がりました。この記事ではお年玉の由来、お年玉を渡す際のマナーや、お年玉袋の由来などを紹介します。

お年玉の由来

お年玉はもともと「お金」ではなく「お餅」を渡す風習でした。正月に供えていたお餅を、家族に配っていたことが由来とされています。神様へのお供えもののお下がりをもらって、1年の無事を祈っていたのです。

お餅からお金に変わったのは、高度経済成長期のころ。またお年玉の風習は日本のみならず、諸外国に広まったり、似たような行事が存在します。まずは、お年玉の由来を確認しましょう。

お年玉はもともとお餅だった

お年玉の由来は、お餅だといわれています。正月に歳神を迎える際に供えていた「御歳魂」と呼ばれる丸いお餅を、家族に分けて与えていたことが始まりです。

歳神のお下がりをもらうことで、1年間無事に過ごせるようにとの願いが込められていました。なお、家族にお餅を分け与えていたのは、歳神の代理人だと考えられていた、家長であったといわれています。

高度経済成長期のころからお金に変化

お餅配りがお金配りに変化したのは、高度経済成長期の頃です。家族の人数や都市部の世帯数が増えたことにより、お餅を供えることが減少。その代わりに、お金を渡すようになったといわれています。

またお年玉の風習は日本のみならず、周辺の諸外国で行われています。例えば、中国ではお守り代わりに紙幣を持たせているのです。韓国では、日本と中国の影響によってお年玉の風習が広がったとされていますが、袋に入れて渡す習慣はないようです。

お年玉を渡す際の4つのマナー

(c)Shutterstock.com

お年玉を渡す際は、以下の4つのマナーに注意しましょう。

1. 目上の人には渡さない
2. 新札を使用する
3. 硬貨は表向きに入れる
4. 金額は奇数にする

お年玉は由来からもわかるように、目上の人には渡しません。目上の人の子どもに渡す際も、お年玉は避けましょう。またお年玉に使用するお札や硬貨は、きれいな物を準備します。お年玉袋に入れる向きにも注意が必要です。ここでは、お年玉を渡す際のマナーをご紹介します。

目上の人には渡さない

お年玉は家長が家族にお餅を配っていたことからもわかるように、目上の人には渡しません。たとえ目上の人の子どもであっても、お年玉を渡すのはマナー違反といえるでしょう。

そのため目上の人に新年の挨拶をする際は、商品券や図書券など、現金以外の代用品を準備するのがおすすめです。またのし袋には「お年玉」とは書かずに、「図書券」「御年賀」などと記載しておくのが無難でしょう。

新札を使用する

お年玉は御祝儀であるため、使い古したお札ではなく、新札を準備しましょう。新札を用意することで、「あなたのためにお札を準備しました」という気持ちを込められます。新札を用意できない場合は、シワのないきれいなお札でも問題ありません。

また袋に入れる際は、左側を先に折り、肖像が内側となるよう3つ折りにするのもマナーです。袋から出したときに肖像が見えるよう、表が上になるように入れておきます。

硬貨は表向きに入れる

硬貨もお札と同様に、表向きになるようにお年玉袋に入れるのがマナーです。硬貨の表とは、絵柄や漢数字が描かれているほうのこと。袋に入れる際は、向きに注意しながらゆっくりと入れましょう。

また硬貨も使い古して汚れた物ではなく、きれいな状態の硬貨を用意するのがおすすめです。想定外のことが起きたときのために、予備の硬貨を用意しておくと安心です。

金額は奇数にする

お年玉で渡す金額は、奇数にしましょう。偶数は影の数字ともいわれており、お祝い事には不向きとされています。特に死を連想させる「4」(400円や4000円など)や、苦しみを連想させる「9」(900円や9000円など)は避けるのがマナーです。

近年は昔ほど気にする人がいないものの、よほどの事情や理由がない限り避けるほうが無難といえるでしょう。

近年のお年玉事情

(c)Shutterstock.com

お年玉は渡す子どもの世代によって、相場が異なります。また住んでいる地域によっては風習があるため、事前に確認しておくと安心です。

また近年のお年玉では、現金以外を渡すことも増えてきました。なかなか親戚で集まれない人や衛生面が気になる人は、現金以外を活用するのもおすすめです。ここでは、近年のお年玉事情をご紹介します。

各世代によって異なるお年玉の相場

お年玉の相場は、あげる子どもの年齢によって異なります。例えば0~2歳の乳幼児であれば、1000円が相場。ただし、お金の価値がわかるようになってから渡す方法も一つといえるでしょう。

3~6歳の未就学児であれば、500~1000円が平均だといわれています。年齢が上がるにつれて、お年玉の金額も上がる傾向です。小学校低学年で1000~3000円、高学年で3000円、中学生で3000円または5000円、高校生で5000円または10000円が相場といえるでしょう。

また住んでいる地域によっては風習もあるため、事前に親戚や家族と示し合わせておくと、トラブル回避につながります。

現金以外を渡すケースもある

近年のお年玉は、現金以外を渡すケースもあります。例えば、「親戚で集まる機会が少ないため、お年玉を渡せない」「現金を渡すのは、衛生面が心配」といった声から、キャッシュレスでお年玉を渡す人が増えています。

またスマートフォンでも利用できるプリペイドカードや図書券、おもちゃ券なども活用しやすく、人気です。現金であれば親が貯金に回してしまう家庭もあるため、キャッシュレスを活用して子どものために使うのもいいかもしれません。

お年玉袋の由来

(c)Shutterstock.com

お年玉に由来があるように、お年玉袋にも由来があります。お年玉袋はもともと存在していたわけではなく、昔は薄い紙を利用して包んでいました。

その後、硬貨にも対応できるように改良され、お年玉袋の風習ができたといわれています。またポチ袋には、「少しだけ」との意味が込められています。ここでは、お年玉袋の由来を紐解きます。

お年玉袋はもともと薄い紙を使用していた

日本では昔からお金を裸のまま渡すのはマナー違反とされており、お年玉も「懐紙(かいし)」と呼ばれる薄い紙を使用して渡していました。しかし紙に包んだだけでは硬貨が落ちてしまうため、紙の周囲を糊付けして袋にしたのがお年玉袋の由来だといわれています。

お年玉袋は御祝儀袋として定着し、今ではさまざまなデザインのものが販売されています。そのためお年玉袋選びも、お年玉をあげる際には重視したいポイントです。

ポチ袋には「少しだけ」という意味が込められている

お年玉袋はポチ袋とも呼ばれ、関西の言葉である「ポチっと」が由来です。ポチっととは、「少しだけ」という意味で、「心ばかりの」「これっぽっち」との思いが込められています。

そのため硬貨を入れる小さなお年玉袋は、ポチ袋と呼ばれるようになりました。ポチ袋の由来からもわかるように、本来、お年玉は大きな金額を入れる必要はないのです。

お年玉の由来を理解しよう

(c)Shutterstock.com

歳神に供えていたお餅を家族に配っていた風習が、高度経済成長期のころにお金に変わったというお年玉。

改めてまとめておくと…

お年玉を渡す際は目上の人は避け、お札や硬貨にも配慮することがマナーです。お年玉は御祝儀でもあるため、金額にも配慮するといいでしょう。正月に集まれない場合や衛生面が気になるときは、現金以外も活用するのがおすすめです。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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