体外受精を進めて起きた変化と感じたこと【30代からの不妊治療】
妊活を始めて3年。現在34歳の私の体験から、妊娠を考えているカップルにとって少しでも役に立つような情報をレポート形式でお届けします。
前回は、ゴナールが体に合わず医師に相談したお話をお届けしました。今回は、金銭感覚の変化と夫に感じたことの話。
金銭感覚がどんどん麻痺していく…
体外受精をすることを決意し、ゴナールの自己注射で妊活を進めていくことを決意した私ですが、薬が体に合わないことを医師に相談。しかし、検査の結果、順調に進んでいることが分かり、ゴナールを継続することに決め、診察室を後にしました。
追加のゴナールが処方されたこの日のお会計は、検査費用や診察料すべて込みで6万8千円でした…。
思い起こせば、妊活を始めたころ、私は数千円の支払でぶつぶつ文句を言っていたのに…。こんなものかと思いながら、クレジットを切っている自分の金銭感覚がだんだん麻痺してくるような感覚に陥りました。6万8千円もあれば、温泉旅行にいけちゃうな、いいお宿に泊まれちゃうな… とか思ってしまいます。
しかしこんなところで腰を抜かすわけにはいかないのです。無事に卵を育てて、採卵を完了させ、培養して子宮に戻す。このクールに90万かかるんだ! 不妊カウンセリングのときにもらった見積もりを思い出しながら、順調…! 順調…! と自分に言い聞かせました。
病院のあとはおいしいものを食べに行く!
この日の通院の帰り道、夫とフレンチのお店でランチをしました。体はすっごく重たいし、汗は出るし、シャンパンは飲めないし…。
わざわざこのタイミングでいいお店へ出かけるのも… って思ったのですが、家にいても時間さえあれば採卵のことばかり調べちゃうし、久しぶりに外の空気を吸って、おいしいお料理を食べたらいい気分転換になりました。
私「やっぱお店でご飯食べるのいいねぇ」
夫「そうだね。僕もラストスパートだからコエンザイムQ10のサプリ飲み忘れないように持ってきたんだ」
そういって、リラックマの小さなお薬ケースを夫がポケットから取り出しました。普段、うっかり飲み忘れちゃったりしてもそれほど気にしなかったサプリですが、採卵周期は夫も精子を万全の状態に整えようと気を配っていたようです。
すぐに「僕にはこれくらいしかできることないから…」と言う夫ですが、毎回通院に付き添ってくれるだけでも本当に心強いなと思いました。私も会社員だったことがあるから、日本の企業に勤めながら、このように時間を捻出してくれる大変さはわかります。
“不妊治療は2人で!”というスタンスを、ずっと徹底してくれていたから、私もめげずに常に前をむいていくことができました。
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クロサワキコ
34歳・主婦ライター。妊活歴3年目。男性不妊の治療や人工授精に体外受精、ステップアップを重ねていくなかで感じた不妊治療のリアルな本音を発信しています。