医師にゴナールが合わないと訴えようとするも…【30代からの不妊治療】
妊活を始めて3年。現在34歳の私の体験から、妊娠を考えているカップルにとって少しでも役に立つような情報をレポート形式でお届けします。
前回は、家で初めてゴナールを打った話をお届けしました。今回は、ゴナールが合わず医師に相談したお話。
体外受精開始から5日経過、ゴナールがしんどい…
体外受精を始めて迎えたD(デイ)4に、自宅で初めてゴナール自己注射を打ちました。無事注射を終えると、ゴナールの副作用の一種である猛烈な睡魔に襲われて、その日は爆睡。
睡魔だけでなく、頭痛や倦怠感など、ゴナールの副作用があまりに辛く、先生に薬のことを相談しようと考えました。
少しは調子が戻るといいなと願いながら迎えた採卵周期D5の朝。雪山の夢こそ見ずに熟睡はできたものの、寝汗をいっぱいかきました。そして起きた瞬間からの体の重さは相変わらずです。ベッドから立ち上がると昨日以上に雪山状態。
いちおう熱も計ってみたのですが、平熱でした。風邪のような症状はないので、やっぱりゴナールの副作用のようです。メンタルへの影響はまったくなかったのですが、私の場合は思いっきり体にくるタイプだったみたいで少し動くだけで汗が出ました。
その汗が、じわ~っておでこに滲む程度ならいいんですが、もう床にぼたぼた零れ落ちるレベル。リビングとトイレを往復するだけでまたしてもヘトヘトに。
夫「今日、病院だよね。大丈夫? タクシーでいこうか?」
私「うん、そうする。タオルも持っていくわ。汗が噴き出てくる」
夫「うわ、本当だ。やばいな…」
私「こんなじゃ普通の生活送れないから、ゴナール変えてもらおうかな」
夫「そうだね、先生に聞いてみよう」
病院までは地下鉄で2駅の距離。徒歩でも15分くらいの距離なので、天気がいい日は運動がてら歩いて通院することが多かったのですが、もう朝起きた瞬間からしんどかったので、この日はタクシーで通院することにしました。
ゴナールの副作用、キツすぎる…。これじゃ続けるの無理だ…。そう思ってでかけたのですが…。
医師から告げられた血液検査とエコー検査の結果
医師「すごく順調ですね。よく反応してます。このまましっかり卵胞を育てていきましょう」
私「あ! そうなんですか!?」
病院へ来る前はゴナールを変えてもらうことばかり考えていたのに、いざ検査結果がとても良好ときいたらホッとしました。
夫「一昨日、ゴナールを打った当日は元気そうだったんですが、翌日からとても辛そうにしていて、大丈夫なんですか? これ…」
医師「ある程度はしょうがないですねぇ…」
私「結果がついてきてるなら、このままがんばるよ」
私は幸い、仕事も休んでいたし、家でゴロゴロして休んでいればなんとか乗り切れるかなと思いました。
医師「それでは次回は5日後(D10)に様子をみて採卵の日どりを決めましょう。クロサワさんは排卵の周期がずれないようですね。そしたらだいたい来週末くらいになるかなと思います」
だいたい来週末…。木曜なのか、金曜なのか、土曜なのか…、はっきりしないのが不妊治療の大変なところです。卵巣のなかで、複数育てた卵胞を排卵の直前に取り出す採卵。この絶妙なタイミングがけっこう大事っぽいし…。
私の場合、生理周期が大きくズレにくいタイプなのでD14かD15くらいになるんじゃないかという説明を受けました。
私「卵は何個くらい採れそうですか?」
医師「今の段階だと何とも言えないんですよねー。クロサワさんの場合、左右の卵巣に3個ずつくらい見えているのがあるんですが、もしかしたらもう少し育ってくるかもしれませんね。ただ何個採卵できるかっていうのは、当日やってみないとわからないんですよ。ちゃんと針に吸い付いてくれればいいんですけれど…」
ゴナールの自己注射の副作用の苦労と卵胞の育ち具合がちゃんと比例すればいいのに! って思いました。当日、採卵ができる数もやってみないとわからないなんて…。次回の通院でやっぱり卵子、育ってませんでした~とかになったらどうするんだろう。
予測不能なことが連続する体外受精。そのプレッシャーが全部患者側に押し寄せてくるのです。ぐ~っと両肩に不安がのしかかってくるよう…。でもその時、夫がポンポンと私の肩をたたいて言ってくれました。
夫「ゴナール本当に大丈夫? すごくつらそうだし、薬変えてもらうほうがいいんじゃない?」
私は採卵が成功するかどうかのことで頭がいっぱいでしたが、夫は目先のゴナールの副作用に対する心配のほうが強かったみたいです。
私「体が重たいのはしょうがないんですよね?」
医師「そういう副作用はありますねぇ。どうしても合わなければ薬を変えますが、今、せっかくゴナールでよく反応しているので、このまま続けていくほうがいいと思います」
私「じゃあ、このまま続けます」
医師「そうしたら今日はこのあと病院で注射を打っていって、追加のゴナールも出しておきますね」
夫も納得できた表情をしていました。結果が伴っているのならゴナールを続けていく! の一択。採卵は後悔しないようにこの一回で全力を尽くそうという想いも強まっていたし、先生から「順調です!」ときいたら我慢できるキャパが都合よく一気に拡大した気もしました。人間のカラダって本当によくできてる(笑)。
というわけで、この日は診察の後、別室で看護師さんに注射してもらったのですが、病院で打ったのはペンタイプではない普通の注射針タイプのゴナールでした。
家で打つように指導されたペンタイプは針がすごく細いから、一昨日、昨日と打った場所はもうわからないくらいキレイに消えていたんですが、病院で打った普通の注射針タイプでは、おなかに針を刺した後が残りました。
痛みは同じくらいなんですけれど、おなかにポツっと残った注射のあとは、翌日青っぽくなり、その翌日は黒っぽくなり…。だんだんと色は薄くなってはいきました。その間、針を刺した後を見るたびに気分が沈みました。
でも「おなかのなかで卵をしっかり育てるんだ!」と自分を奮い立たせていくしかないんですよね。体外受精って。
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クロサワキコ
34歳・主婦ライター。妊活歴3年目。男性不妊の治療や人工授精に体外受精、ステップアップを重ねていくなかで感じた不妊治療のリアルな本音を発信しています。