【目次】
・「お歳暮」とは?
・「お歳暮」とお中元の違いは?
・「お歳暮」を贈る際の注意点やマナー
・「お歳暮」をもらった時のお返しはすべき?
・最後に
「お歳暮」とは?
そろそろ、年末年始の予定を立てる方もでてくる時期ですが、その前に、皆さんはお世話になった方への「お歳暮」の準備、始めていますか? 数年前までは、社内の上司や親密な取引先、親せきなどに贈るのが主流で、デパートやスーパーなどでは、「歳暮商戦」といわれる賑わいを見せていましたが、近年では、実家や親しい友人などの間で贈るケースが増えているそう。
「お歳暮」は、日本古来の贈り物の風習ですが、贈る際のマナーや注意点など、意外と知らない方も多いのでは…? 本記事では、「お歳暮」の意味や由来、金額の相場や、贈る時期などについての注意点を解説します。「お中元」との違いも、お教えしますよ! ぜひ、参考にしてください。
意味と由来
「お歳暮」とは、今年1年を振り返って、お世話になった方に対して、感謝の気持ちを込めて渡す贈り物のことを指します。毎年、年の瀬には「歳暮回り」といって、日頃からお世話になっている方に感謝の気持ちを伝えるための行事がありました。その時に持参する手土産のことを「お歳暮」と呼び、現代にも長く残っている風習です。
実は「お歳暮」の由来は、中国から来ていることをご存じでしょうか? 古来中国では、旧暦の1月15日を上元、7月15日を中元、10月15日を下元と呼び、天の神を祭るための行事が行われ、季節ごとに神様へお供え物を贈っていました。
また日本にも、お盆とお正月の時期に、先祖の霊を供養する行事があり、これが中国の文化と結びつき定着したのが、「お中元」と「お歳暮」です。なんと日本で「お歳暮」の歴史がはじまったのは、室町時代だそう。その後江戸時代に入り、一般的な風習として全国に根付き、明治30年頃には、現在のような「お歳暮」の形になったといわれています。
「お歳暮」とお中元の違いは?
「お歳暮」と「お中元」って何が違うの? と疑問に思う方は少なくないと思います。「お歳暮」も「お中元」も、どちらも、日頃お世話になった方へ、感謝の思いを伝えるために贈り物をすることには変わりありません。大きく違うところは、贈り物をする時期です。
「お歳暮」を贈る時期は年末であるのに対し、「お中元」は7月初め~お盆頃に贈ります。ですので、「お中元」の品は、その時期の旬のフルーツや、季節柄、スタミナのつくウナギ、またビールや冷菓など、夏を快適に過ごせるように、清涼感のある贈り物がよく選ばれます。
また、「お歳暮」は1年分の感謝を込めるという意味で重視される傾向にあり、価格設定や内容も、「お中元」より少し高価なものを贈る方が多いです。
「お歳暮」を贈る際の注意点やマナー
では、ここで気を付けたい、「お歳暮」を贈る際の注意点やマナーについて解説します。
1:贈る時期
「お歳暮」は、日本国内でも地域によって贈られる時期が異なります。一般的には、東日本は11月下旬~12月20日前後、西日本は12月13日~20日前後。また、関東地方では1月7日(松の内)までに、関西地方なら15日まででしたら、表書きを「御年賀」にして贈ります。
もし、その時期を過ぎてしまった場合は、立春(2月4日頃)までの間でしたら、「寒中御見舞」として贈ることが可能です。その場合のマナーとして、先方に手紙か電話で一言、「お歳暮」として贈れなかったことをお詫びしましょう。「お歳暮」は、送り先の地域の習慣に合わせて贈るのがマナーですので、注意が必要です。
2:金額の相場
一般的に金額の目安は、3,000円~5,000円程度とされています。場合によっては、特別にお世話になった方へ1万円以上の品を贈ることもありますが、あまり高価すぎても、かえって相手に気を遣わせてしまうことに…。感謝の気持ちを伝えることが一番大事ですので、お互いが気持ちよく、負担にならない程度のものを贈りましょう。
3:贈る際のマナー
贈り物をする際は、相手への心遣いがとても大事です。お酒やコーヒーが飲めない方に、そのような品を贈ることなどは避けましょう。事前に、相手の好みや家族構成を確認しておけば安心ですね。
さらに受取日など、相手の予定を確認してから配送する、忙しい相手には日持ちするビールやお菓子にする、高齢なので固いおせんべいなどは避けるなど、ちょっとしたプラスαの心配りができると、一層気持ちが伝わりますよね。
もし手渡しできる機会があれば、年末のご挨拶も兼ね、直接お礼を伝えられるのでいいですね。その場合は、持ち帰りやすいように、贈り物にあった紙袋などを用意するのも忘れないようにしてくださいね。
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「お歳暮」をもらった時のお返しはすべき?
「お歳暮」はそもそも、日頃お世話になった方へ感謝の気持ちを伝えるための贈り物なので、基本的には、何かお礼の品を返す必要はありません。しかし、贈り物をいただいたときは礼儀として、なるべく早めにお礼状を出しましょう。親戚や親しい友人などには、すぐに電話でお礼をしても問題ありません。贈った方も無事に受け取ってもらえたことがわかり安心しますよね。
最後に
「お歳暮」は、日本で古くから伝わる行事で、大切な方へ「いつもありがとうございます」と伝えられる、とてもいい機会です。最近では、SNSなどですぐにコミュニケーションが取れる時代ですが、改めて感謝の気持ちを伝えるきっかけはなかなかありませんよね。ぜひ、「お歳暮」という形で、日頃の感謝を贈ってみてはいかがですか?
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