犇犇と緊緊の読み方は? 意味は?
見慣れない漢字である「犇」を重ねた「犇犇」と、緊急事態宣言などコロナ禍で目にしない日はないと言っても過言ではない「緊」を重ねた「緊緊」。実は同じ読み方をします。
なんと読むでしょう?
犇犇・緊緊の読み方は?
◆犇犇・緊緊はひしひしと読む
犇犇・緊緊の読み方は「ひしひし」です。
ひしひしとは、以下の意味をもちます。
1. 強く身に迫るさま。切実に感じるさま。
2. すきまのないさま。ぴったり。
3. 強く押されて鳴る音を表す語。みしみし。
4. 猶予や容赦のないさま。びしびし。
5. ひたすらある動作をするさま
私たちがよく使うのは「責任の重さをひしひしと感じる」など、[1]の意味ですね。むしろ、[1]以外の意味はあまり馴染みがないというのが正直なところではないでしょうか。
犇犇・緊緊は全く同じ意味?
◆犇
犇は音読みでは『ホン』、訓読みでは『ひしめく・はしる』と読みます。たくさんの牛が走るさまを表しており、「1. ひしめく。押し合ってさわぎたてる。2. はしる。ウシが驚いて走る」という意味をもちます。こんなに牛(ギュウ)を重ねているのに、ギュウとは読まないなんてちょっとびっくりですね。
◆緊
一方、緊は音読みでは『キン』、訓読みでは『かたい・しめる・ちぢむ・きびしい』と読みます。そのため、緊縮などと使われるように「1. かたい。きつくしめる。かたくしまる。ひきしめる。ちぢむ」という意味や、緊急や緊迫などと使われるように「2. さしせまる。きびしい」という意味をもちます。
◆違いは?
犇犇・緊緊の使い分けについてデジタル大辞泉でも特段言及はありませんが、もともとの漢字の意味を踏まえると、犇犇は「2 すきまのないさま。ぴったり」の意味、緊緊は「1 強く身に迫るさま。切実に感じるさま」の意味に近いように思いますので、あえて使い分けをしているケースもあるかもしれませんね。
また、緊が常用漢字であるのに対し、犇は常用漢字ではないことから、ひしひしを漢字にする場合には緊緊を使うことが多いなどの違いがあるかもしれません。
* * *
いかがでしたか? ひしひしは、なかなか漢字で表記されることが多くないかなと思いますが、だからこそ読めたら知的ですね。今日の「え、そう読むんだ!」という驚きからセットで記憶に残ったら嬉しいです。
言葉の意味/デジタル大辞泉
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鶴田初芽
都内在住のOLライター。マナーインストラクターであり、実用マナー検定準一級や敬語力検定準一級など、ビジネスにおけるマナーや、マネーに関する資格(2級ファイナンシャル・プランニング技能士、金融コンプライアンスオフィサー、マイナンバー保護オフィサー)などを保有。丁寧な暮らしに憧れ、断捨離修行中!