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2021.08.30

焦燥感と闘う36歳の私。受精卵移植と、夫の存在<元テレビ朝日プロデューサー転職実録#35>

仕事と自分の人生を見つめ直す社会人10年目。今回は、私が体験した受精卵移植の話。元バラエティ番組の女性プロデューサー 古瀬麻衣子が考える「理想の人生」への近づき方。

古瀬麻衣子

1回目の受精卵移植、その結果は…

これまでの連載はこちら

あっという間に8月も終わり、今年も残すところ4ヶ月。年内にこの目標だけは達成したいと、焦りを覚えている人もいらっしゃるのではないでしょうか。そのせいなのか、私のところにもキャリアカウンセリングの相談が一気に増えています。

“焦り“って大事です。その衝動が自分を突き動かすので、マイナスな感情だと思わずに、焦りをうまく利用して、とっとと次のステップに進んでいきたいものです。

さてさて、先週掲載の記事の続きをお話します。

突然舞い降りた“妊娠・出産”への意欲

(c)Shutterstock.com

妊娠と出産については、ただ意欲だけあっても、こればかりは授かりものなので思い通りにはいかないわけです。

さらにN.Y.で仕事をしている私には、日本にいる夫と離れて暮らしているというハードルまで加わっています。日本に住んでいれば、気長に妊活に励もうと考えたと思うのですが、N.Y.で現地にいないと出来ない仕事ももちろんあるので、アメリカへの帰還 VS 日本で妊娠へのトライという謎の焦りとの闘いが始まりました。

全て自分が決めたことなのに、不思議なものです。なんとも表現のしようがない、焦燥感。しかし、そこで私を救ってくれたのは、紛れもないあの“受精卵”の存在だったのです。

34歳の時に凍結していた受精卵

(c)Shutterstock.com

私は34歳の時、受精卵を凍結させていました。2021年現在のわたしの年齢は36歳。あっという間に37歳になることと、妊娠のことを考えた時、生殖医学的にも卵子の状態は年齢が若いほど色んなリスクが低いことは分かっていたので、自然妊娠ではなく、即座に受精卵をお腹に戻すことを選びました。

しかし、やはり予定通りにいかないのが人生

まずは、低容量ピルを飲んでいた私の身体はホルモンバランスが妊娠に向けて万全になっておらず、「今月は無理ですね」とあっさり医師がひと言。1ヶ月後に再度検診ということで病院を後にすることに。

これはとにかく最後のお酒を楽しむ時間なんだと思い込ませ、毎日惜しみながらビールを飲みました。そんな2021年2月でした。

さてさて、ビールも浴びるほど飲んで、心の準備が出来たところで1ヶ月が経ち、Next challenge。ホルモンも整い… いや、むしろ更にホルモンを薬や注射で注入し、妊娠したくてたまらない状態へ身体を持っていきました。

そして受精卵移植の日、手術室には解凍された私の受精卵1号が注射器の中で待ち構えていました。「古瀬麻衣子さん受精卵1個!」と看護師さんの声高な掛け声と共に、30秒ほどで移植は終わりました。

子宮内に受精卵が入っていく様子がモニターに映し出されていて、医師がボールペンで「これだよ〜」と呑気に説明してくれました。

しかし、受精卵が子宮に移植されたという事実は私にとっては平常心ではいられるわけもなく、お腹に赤ちゃんの息吹が存在しているという感覚にしばらく酔っていました。

そして、これまたすごいのは、受精卵移植の場合、約2週間後には妊娠判定が出るという、スーパースピーディーなスケジュール間なのです。

2週間ソワソワしながら、「着床しただろうか?」「無事だろうか?」となんとも言えない、合格発表の前のような気持ちで、指折り判定の日を待ちました。

ただ医師から、お風呂にゆったり入ったり、少しくらいならお酒も飲んでいいよと言われたので、缶ビール半分くらいは毎日飲みつつ、ストレスのない形で過ごしたわけです。

その結果、妊娠していませんでした

夫と結婚して本当に良かった

何が原因かなんて誰にも分からず、医師も申し訳なさそうに「今回は縁がなかったと考えようね」とひと言。

妊娠は奇跡的な出来事だと頭では理解はしているものの、この瞬間「私はいつか妊娠できるのだろうか?」と急激な不安に襲われました。

キャリアだとか、受精卵だとか、アメリカだとか、自分の心に従って進んできたものの、生殖機能はその次元とは別の領域に存在しています。考えが甘かったのか、日頃の行いが悪いからか、色んな感情が溢れてきて、どうやって病院を出たのか覚えていません。

ただ、私に落ち込んでいる暇はない。今出来ることをやり尽くして、その結果を受けて、その先を考えよう。プランはAだけじゃない。BもCもあることを自分に何度も言い聞かせました。

(c)Shutterstock.com

少し落ち着いてから、この結果を待ち構えていた夫にLINEすると、「そうかー! こればっかりは仕方ない! でも、ありがとう!」と即座に返信が来ました。

妊活の教本でも読んでいたのだろうか。まさか、このタイミングで「ありがとう」と夫の口から出ると思いませんでした。

妊娠の場合、どうしても女性が負う部分が大きいのは事実ですが、自然と労ってくれたこの言葉に「この人と結婚して良かった」と、私は人目も憚らずに駅で泣きました。

そんな経験を経て、本当に有り難いことに、2回目の受精卵移植で私は妊娠し、現在に至ります。

妊娠には様々な道があると思うので、私の経験はあくまで私の個人の体験として読んで頂きたいです。幸運だったのか、苦労したのか、判断することではなく、ひとりの女性として、家族と仕事と自分自身を大事にしていく中でこんなパターンもありましたというだけです。

次回は、2回目の妊娠に向けて、私が心機一転トライしたことをお話しようと思います。いつか皆さんの役に立つことがあるかもしれないので、洗いざらい(笑)。

◆これまでの連載はこちら

古瀬麻衣子

1984年生まれ。一橋大学卒。テレビ朝日に12年勤務。「帰れま10」などバラエティ番組プロデューサーとして奮闘。2020年、35歳で米国拠点のweb会社「Info Fresh Inc」代表取締役社長に就任。現在NY在住。日本人女性のキャリアアップをサポートする活動も独自に行なっている。

Instagram:@maiko_ok_
HP


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