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2021.08.23

出産育児×キャリアへの不透明な不安を拭い去ってくれた出来事…<元テレビ朝日プロデューサー転職実録#34>

仕事と自分の人生を見つめ直す社会人10年目。今回は、私の新たなライフステージの話。元バラエティ番組の女性プロデューサー 古瀬麻衣子が考える「理想の人生」への近づき方。

古瀬麻衣子

新たなライフステージに挑戦! 私が決断したきっかけは?

これまでの連載はこちら

みなさま、大変ご無沙汰しております。ちょっとコラムを休憩をさせて頂いておりましたら、いつの間にかオリンピックまで終わっていました。

まだまだ新型コロナウイルスの収束も見えず、感染に配慮した毎日ですが、気疲れも通り越して、この日常をデフォルトの状態と認識して、受け入れて過ごしている方も多いかと思います。

この2ヶ月ちょっと、コラムの連載をお休みさせて頂いておりましたが、タイトルにあります通り、そうなんです、新たなライフステージへ進む決断をしておりました。

私の新たなライフステージとは…

(c)Shutterstock.com

結論から申し上げると、現在妊娠6ヶ月に入りました。36歳でも、まだまだ先のことだと思っていた妊娠・出産への一歩をとうとう踏み出しました。

ようやく心身共に、お腹の中のお方も共に、安定した生活がやってきたところです。

コラムを読んで下さっている方や、私のことをよくご存知の方からは、ここで「あれ? 受精卵凍結してるって言ってたし、N.Y.でのキャリアを考えると、妊娠を望むのはもう少し先の話かと思った」という声が聞こえてきます。実際に身近な方からは何回もこう言われました。

自分勝手な考え方ではありますが、私もずっとそう考えていて、むしろいつ妊娠を望むべきタイミングなのか、私自身もわからなくなっていました

夫は早くから子供を望んでいましたが、私のペースに合わせてくれていて、私も「いつか時が来るだろう」と神様任せにしていた部分もありました。

そんな2021年の年明け、何気なくビジネス仲間と居酒屋でいつも通りビールをがぶ飲みしている際に、私に「その時」が舞い降りたんです。

きっかけは考えることを止めていた自分を再認識したこと

(c)Shutterstock.com

その人はいつか私と一緒にビジネスをしたいと色んな提案をしてくれるサポーティブな経営者仲間でした。

今後のN.Y.での展開やお互いの考えをぶつけ合っている最中、急にひと言。

「麻衣子さんっていつ出産したいと考えているんですか? もちろんいつでもいいのですが、いつ頃と考えているかは知っておきたいな。特に女性はその瞬間、仕事をストップせざるを得ないことが多いので、心構えだけしたいなと思って」

彼には出産を終えたばかりの奥さんがいて、その壮絶さを体験していたからこそ、私のタイミングを把握して、サポートできる体制を考えようとしてくれていました。

私にはその問いが驚くほど新鮮で、こんなストレートに質問されると、そこに答えがないことを強く痛感させられたのでした。答えがないというより、どう判断していいのか分からないまま止まっている自分、考えることを止めていた自分を再認識したという方が正しいですね。

そして、帰りの電車の中で浮かんだ想い。今でもはっきり覚えています。

「仕事が落ち着くまでは妊娠できないと勝手に決めつけていたが、私が走り続ける限り仕事が落ち着く日なんて一生来ない」

落ち着く日が来る前提でいたことが間違いだった。

「むしろ、子供との生活がデフォルトの状態で家族で走ることに早く挑戦すべきだ

いつかは大事な夫との間に子供が欲しいと願っていたのに、出産・育児はキャリアをストップさせるという瞬間的な側面だけに注目して、その先にある長い人生の歩みのことは無視していました。

私はなんて短絡的思考だったのだろう。止まっちゃいけない。止めちゃいけない。誰からもこんな呪いをかけられていないのに、無意識にこのバイアスに囚われていました。

私たちの新しい人生の扉が開く

(c)Shutterstock.com

急にそのバイアスから放たれた瞬間、本当は心の底から夫との子供を持ちたいと願っていたことに気づいたのです。自分勝手にも程がありました。

難しい数学の問題が解けたような、「そっか!」という感覚でした。帰宅してすぐにその胸の内を夫に話すと、夫は小躍りして大喜び。私たちの新しい人生の扉を開ける日になりました。

こんな些細な出来事が、これまで晴れたことのなかった出産育児×キャリアへの不透明な不安を拭い去ってくれたのです。「時が来る」とはこのことでした。

とはいえ、そう簡単に妊娠するわけでもありません。そう甘くありません。次回は妊娠への道〜詳細編〜をお届けします。

◆これまでの連載はこちら

古瀬麻衣子

1984年生まれ。一橋大学卒。テレビ朝日に12年勤務。「帰れま10」などバラエティ番組プロデューサーとして奮闘。2020年、35歳で米国拠点のweb会社「Info Fresh Inc」代表取締役社長に就任。現在NY在住。日本人女性のキャリアアップをサポートする活動も独自に行なっている。

Instagram:@maiko_ok_
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Oggi12月号で商品のブランド名に間違いがありました。114ページに掲載している赤のタートルニットのブランド名は、正しくは、エンリカになります。お詫びして訂正致します。
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