「鮨(すし)」の数え方
友人と電話で雑談中、「今度、有名な鮨(すし)屋に行こう」と誘われました。続けて、「何かんくらい食べられるかなぁ〜♡」と! とっても楽しみにしているよう。
ところで、「鮨(すし)」を数えるとき、「1かん、2かん」と数える人が多いと思いますが、この「かん」は、いつから使われるようになったかを知っていますか。
【問題】
「鮨(すし)」の数え方「かん」はいつから使われるようになった?
1. 江戸時代
2. 昭和時代
正解は?
2. 昭和時代
鮨(すし)を数える「かん」は、最近になって生まれた数え方です。握り鮨が誕生した江戸時代からあるのかと思いきや、当時の書物を調べても「一ツ」「一箇(いっこ)」は登場しますが、「1かん」の記述は見当たりません。明治・大正時代になっても変化はなく、志賀直哉の小説『小僧の神様』(1919)でも握り鮨は「一つ」と数えています。
では、いつから「かん」が使われるようになったのでしょうか。『改訂食品事典』(1974)によると、昭和時代、仕上げた料理を2個盛り付けることを料理人の間で「にかん盛り」と言うようになり、「かん」を「個」の意味で使ったとあります。「個(か)」がなまって「かん」になったとする説も。(『丸善 単位の辞典』(2002))
その後、1990年代のグルメブームに乗じて雑誌に鮨店が頻繁に紹介されました。その時に鮨職人が「1かん」を使うのを聞いた記者が、握り鮨専用の数え方かのように記したために一気に普及したようです。「貫」という漢字を使うのは当て字。
『数え方の辞典』の筆者が調べたところ、老舗(しにせ)の鮨屋では漢字を使わず「かん」「カン」と記しています。「1かん」注文すると鮨が何個出てくるのか議論がありますが、基本的には「1かん」は「1個」を指します。
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