【目次】
・「高みの見物」の意味や由来とは?
・「高みの見物」はうざい?
・「高みの見物」の使い方を例文でチェック
・「高みの見物」の類語にはどのようなものがある?
・最後に
あなたは「高みの見物」という言葉をご存じですか? 昔から使われている表現なので、知っている方が多いかもしれませんね。実は、この「高みの見物」はSNSやネット掲示板などで使われていることが増えているんです。
「高みの見物」は、なんとなくの意味はイメージできても、正確な意味を知っている人というのは意外と多くありません。今回はそんな「高みの見物」の意味や由来・使い方についてご紹介です。
「高みの見物」の意味や由来とは?
まずは「高みの見物」の意味や由来について確認してみましょう。
「高みの見物」の意味
「高みの見物」の読み方は、「たかみのけんぶつ」です。「高見の見物」と書くのは誤りなので、間違えないように注意する必要があります。意味は、「第三者の立場から、物事の成り行きを様子見すること」。「高み」は「周辺よりも高いところ」、「見物」は「眺めること」を表していますよ。
「高みの見物」の由来
実は、元々「高みの見物」は、「第三者の立場で、大騒ぎしている人々を高いところから見ること」という意味がありました。争い事や揉め事などを見るときは、同じ目線よりも、より高いところから見たほうが全体を眺めることができますよね。そのため、騒ぎを見るには高い場所が適している、と昔から言われています。
「騒ぎを興味本位で見物しに来た人にとっては、高い場所が都合がいい」という発想から生まれたのが、この「高みの見物」という言い回しですよ。
「対岸の火事」との違いって?
「高みの見物」に似た表現に、「対岸の火事」という表現があります。「対岸の火事」は、「川を挟んだ、自分とは反対側で起こっている火事」のことです。意味は、「自分には直接関係ない物事を様子見すること」。
どちらも「自分にとって無関係のことを、安全なところから見学している」というシチュエーションですね。この2つの違いは、言葉の由来のニュアンス。「高みの見物」は、争い事や揉め事という当事者にとって不幸な出来事を興味本位で見学する、つまり人の不幸を眺めて見下すというニュアンスがあります。
それに対し、「対岸の火事」には見下すというニュアンスがありません。第三者の立場で物事を見物するときに、見下すニュアンスがあるかどうかで、「高みの見物」と「対岸の火事」を使い分けられるようになるといいですね。
「高みの見物」はうざい?
先述の通り、「高みの見物」は見下すニュアンスがあるため、「高みの見物」をしている人は「うざい」と思われることが多いです。もし友人などが困っているときには、決して「高みの見物」をせずに、親身になってあげることが大事ですね。
「高みの見物」の使い方を例文でチェック
続けて、「高みの見物」の使い方についてご紹介です。実際に「高みの見物」はどんな風に使うことができるのか、チェックしてみましょう。
1:「どうやら、いつも仲良しの2人が喧嘩してるらしいぞ。高みの見物でもしようじゃないか」
「高みの見物」の基本的な使い方です。自分に関わりがないことに対して、興味本位で見物するときに使うことができますよ。
2:「このままだと、こっちに飛び火してきそうだから、高みの見物なんてしてられない」
「高みの見物」は、このように「高みの見物をしていられない」と否定形で使うことも。否定形にすることで、「他人事ではない」といった意味合いで使うことができます。
3:「志望校に合格したワイ、高みの見物」「ニートのワイ、低みの見物」
ネット上では、「ワイ、高みの見物」といった表現で使われることが多いです。自分よりも劣っている人がいるときに、見下す意味合いで使いますよ。
また、「高みの見物」と反対に、自分が相手より低い立場や「高みの見物」をされる立場、トラブルに対して関与したくてもできない立場にいるときには、「低みの見物」という表現を使うことがあります。
「低みの見物」は、ネット用語なので会話の中で使ったときに意味が伝わらない可能性があることに注意しましょう。
「高みの見物」の類語にはどのようなものがある?
最後に、「高みの見物」の類語についてご紹介です。類語を覚えておくと、シチュエーションに合った適切な表現を使い分けることができるようになりますよ。
1:野次馬
最も直接的な「高みの見物」の言い換え表現です。「自分とは関係のないことに対して、面白半分に騒ぎまわること」という意味がありますよ。「高みの見物」は傍観というニュアンスが強いですが、こちらは騒ぎ回ったり、面白半分で首を突っ込んだりするときにも使われます。
2:第三者的な態度
「第三者的な態度」は、「その出来事に一切関係がない、といった態度をとること」という意味がある表現です。こちらは当事であるにも関わらず、「高みの見物」をしているときなどに使われます。
3:山門から喧嘩見る
「山門から喧嘩見る」の読み方は、「さんもんからけんかみる」です。「事件・出来事と関係のない安全な場所から、事の成り行きを興味本位で見物すること」という意味がありますよ。「高みの見物」よりも、「対岸の火事」に近いニュアンスを持った表現です。
最後に
「高みの見物」についてのご紹介でした。いかがだったでしょうか?
「高みの見物」は、「第三者の立場から、物事の成り行きを見学すること」という意味を持つ表現です。「高みの見物」は、している本人からすれば楽しいものですが、当事者からすると煩わしい存在ともいえます。友人知人が困っているときには、決して「高みの見物」を思われるような態度をとらないように、注意が必要ですね。
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