アップルのスティーブ・ジョブズ流の女性の口説き方
ここまで「聞くことは、話し方の一部。うまい話し方とは、聞くことから始まる」ということについてお話ししてきました。
さて、「人は誰しも自分自身に一番興味がある」ということは、そこを満たすために大切なのは、「相手のことをよく知る」ということになります。
そのためには、
「この人はどんな人で、どんなことに興味があるのだろう?」と、相手に関心を寄せることがファーストステップになります。
今や伝説となったアップル創業者のスティーブ・ジョブズはこう言いました。
「美しい女性を口説こうと思った時、ライバルの男がバラの花を10本贈ったら、君は15本贈るかい? そう思った時点で君の負けだ。ライバルが何をしようと関係ない。その女性が本当に何を望んでいるのかを見極めることが重要なんだ」
この言葉は、人間関係の真理を表わしています。
ジョブズが言っているのは、「相手を観察し、相手が本当に求めているのは何かを真剣に探そう。そうすれば必ずうまくいく」ということなのです。
人間の欲求に対する飽くなき興味、それが今のアップル社の繁栄を築いたのです。
好かれる人がやっている「3つのリアクション」
さて、少し話が大きくなりすぎましたので、日常的なことに話を戻しましょう。
人には誰しも、自分の気持ちをわかってほしい、自分の話を聞いてほしい、という欲求があります。
そうすると必然的に、自分の話を聞いてくれる人のことを大切に思うようになります。
あなたは、周りの人の話を興味を持って聞いていますか? 相手への興味より、自分の話ばかりしていませんか?
流暢に話ができれば、それに越したことはありませんが、それは噺家さんや芸人さんなど一部のプロに任せておけばいいのです。
私たちは、相手の人にいかに自分が関心を寄せているかを伝えることが大事なのです。
では、話し相手に対して「私はあなたに興味を持ってるよ」と効果的に示すにはどうしたらいいのでしょうか?
それは、「顔の表情」「声の表情」「体全体の表情」の3つを効果的に活用することです。
具体的には、「笑顔で聞き、自分の感情を言葉に乗せ、身振り手振りを使って相手にリアクションする」です。
繰り返しますが、人は誰もが自分をわかってほしい生き物です。
うまくいっている人は、話すことではなく、まず聞くことによって相手の心の扉を開いているのです。
さらに、「笑顔で聞き、自分の感情を言葉に乗せ、身振り手振りを使って相手にリアクションする」を意識して「聞く」を実践することで、聞く力をますますパワーアップさせています。
うまくいく人は、「顔の表情」「声の表情」「体全体の表情」の3つを駆使して、徹底して「聞き上手になること」で大きな得を手にしているのです。
次回は、相手に9割しゃべらせる「拡張話法」についてお届けしようと思います。
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永松 茂久(ながまつ・しげひさ)
株式会社人財育成JAPAN代表取締役。大分県中津市生まれ。「一流の人材を集めるのではなく、今いる人間を一流にする」というコンセプトのユニークな人材育成法には定評があり、全国で数多くの講演、セミナーを実施。「人のあり方」を伝えるニューリーダーとして、多くの若者から圧倒的な支持を得ており、講演の累積動員数は延べ40万人にのぼる。2020年1番売れた会話の本『人は話し方が9割』(すばる舎)をはじめ、著書多数。
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