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2021.01.13

正しく使えないと恥ずかしい!「賜る」とはどんな意味? 例文・注意点・類語もご紹介

ビジネスシーンで何かと使われることの多い「賜る」という言葉。目上の相手や取引先に対して、あるいはかしこまったシーンで幅広く使われるため、間違わずに使いたい言葉です。本記事では、「賜る」の正しい意味や使い方、また「承る」との違いなどについて解説します。

【目次】
「賜る」の読み方や意味は?
「賜る」の使い方は? 例文でチェック
「賜る」を使う上での注意点は?
「承る」との違いは?
「賜る」の類語にはどのようなものがある?
最後に

「賜る」の読み方や意味は?

(c)Shutterstock.com

ビジネスシーンで何かと使われることの多い「賜る」という言葉。皆さん正しく使えていますでしょうか? 目上の相手や取引先に対し、あるいはかしこまったシーンで幅広く使われる言葉です。今日は「賜る」の意味、使い方、また「承る」との違い、類似表現について解説していきます。

◆「賜る」の読み方と意味

「賜る」は、<たまわ・る>と読みます。送り仮名を<たま・わる>と間違えやすいですので気を付けましょう。意味は、「もらう」の謙譲語と「与える」の尊敬語の2つの側面があります。謙譲語としての「賜る」は、目上の人からものをいただくことを意味し、尊敬語の「賜る」は、目上の人が目下の人にものを与える、という意味です。

「賜る」の使い方は? 例文でチェック

では、「賜る」を使った例文をいくつかご紹介します。どれもよく目にする、耳にする表現ですので、ぜひ覚えておきましょう。

1:「平素より格別のご高配を賜り、ありがたく厚く御礼申し上げます」

お礼状や案内状、請求書などビジネス文書でよく使われる、一種の決まり文句のようなフレーズです。ご高配というのは、相手からの敬意、配慮を意味する言葉になります。日頃お世話になっている方々からいただく心配りに感謝の気持ちを込めた表現です。

【こちらの記事もチェック】「ご高配」の意味とは? 正しい使い方の例、類語・言い換え表現も紹介

2:「○月○日に予定しておりました講演会につき、開催を中止とさせていただきます。何卒ご理解賜わりますようお願い申し上げます」

ここでの「賜る」は、相手に理解を求めるフレーズになります。こちらもビジネス文書で使われる表現ですが、「ご理解」の他、「ご協力」、「ご指導」など相手に何かお願いをする際の、へりくだった丁寧な表現ですので、非常に広く活用できます。

3:「それでは、ご来賓の方々よりご祝辞を賜ります」

こちらは、式典などで来賓の方より祝辞をもらう際のフレーズです。葬儀、告別式などの場合は、「弔辞を賜る」といった表現になります。

「賜る」を使う上での注意点は?

(c)Shutterstock.com

「賜る」は、ものだけでなく、相手の厚意などに対しても使える便利な表現ですが、使用するうえでの注意点がいくつかあります。まずは使用場面について、文書では多く使われていますが、口頭での頻出度は高くありません。冠婚葬祭などのフォーマルな場面では、口頭で多く使われますが、堅い言葉なので日常生活で使う機会は少ないでしょう。

また、ビジネス文書でも乱用することは避けましょう。使いすぎるくどく思われ、相手への敬意がかえって伝わりづらくなってしまいますので、注意が必要です。

「承る」との違いは?

「賜る」と似たような読み方で、「承る」という言葉があります。こちらは<うけたまわ・る>と読みますが、違いはあるのでしょうか? この「承る」は、相手の依頼や注文、話した内容を、しっかりと理解する、引き受けることを意味する謙譲語になります。「賜る」とは、意味合いが異なりますので理解しておきましょう。

<例文>
・この度はご注文ありとうございます。確かに承りました。
・あいにく伊藤は外出しております。よろしければご用件を承ります。
・大変申し訳ございませんが、今回のご依頼に関しては当社の規定に則さないため、承ることができかねます。

「賜る」の類語にはどのようなものがある?

(c)Shutterstock.com

「賜る」を言い換えるとどんな表現があるのでしょうか。謙譲語、尊敬語としての「賜る」、両方の類似表現をご紹介します。

1:「頂戴する、いただく」

もらうや受け取るの謙譲語としての「賜る」は、「頂戴する」や「いただく」という言葉で置き換えることが可能です。

<例文>
・この度は、大変結構なお品を頂戴し、どうもありがとうございます。早速使わせていただきます。
・貴重なご意見をいただきありがとうございます。早速、次の会議にて議題に挙げさせていただきます。

2:「拝受」

「拝受」もまた、「頂戴する」と同様に受け取るの謙譲語となります。主にビジネスシーンで、目上の人や社外の人に対して使われ、口頭よりもメールで使われることが多い堅い表現です。日常生活ではあまり使われません。

<例文>
・早速資料をご送付いただき、ありがとうございます。拝受しました。
・ご注文書、確かに拝受しました。発送の手続きに入らせていただきます。

3:「くださる」

「くださる」は、目上の人が、目下の人に何かを与えるという意味を持つ尊敬語になります。こちらは比較的、日常会話でもしばしば使われる表現です。

<例文>
・お忙しい中お時間を割いてくださり、どうもありがとうございます。
・このような時節に足をお運びくださり、大変恐れ入ります。

最後に

いかがでしたか? 「賜る」という言葉は、謙譲語と尊敬語、二つの側面を持ち非常に広く活用できます。しかし、堅くフォーマルな表現になるので、冠婚葬祭などで使われることが多いです。

近しい上司や先輩、また日常生活で使う場合には言い換え表現を活用しましょう。また「承る」は似て非なる言葉ですので、こちらも混合しないように注意が必要です。社会人として、しっかりとマスターしておきたい言葉ですね。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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