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WORK

2021.01.11

超難関の国家公務員の悩み。私の助言は…<元テレビ朝日プロデューサー転職実録#21>

仕事と自分の人生を見つめ直す社会人10年目。今回は、自分のストーリーの作り出し方の話。元バラエティ番組の女性プロデューサー 古瀬麻衣子が考える「理想の人生」への近づき方。

古瀬麻衣子

立ち止まって当然! 自分独自のストーリーの作り出し方

これまでの連載はこちら

前回(「会って話したい」と言われる私… その理由はストーリーにある!?)に引き続き、“ストーリー/Story”というテーマで今回も語ります。

自分だけのストーリーをあなたは明確に語れるか?」という問いを前回提示しました。

考えなくても即座に浮かぶ人は、すでに今年どう生きようか狙いが定まっていることでしょう。うーんと、まだ悩む人は自身がどうなりたいのか、明確に見えていないのだろうなと感じます。

自分のストーリーを考えるからこそ壁にぶつかる

(c)Shutterstock.com

2020年の年末、私はある若者から相談を受けました。その人は日本一の大学を出て、世界一の大学も出て、超難関の国家公務員になり、外見もパーフェクトな、超人的な印象の人でした。

こっちが相談を持ち掛けたいくらいの存在なのに、その人は真剣な眼差しで私に悩みを打ち明けたのです。

もっと私にしか出来ない仕事にチャレンジしたいんです

今の完璧すぎる状態に満足できていないのか? と一瞬驚きました。しかし話を聞いていると、すぐに彼女の気持ちが手に取るように分かってきたのです。

現在のポジションも、そう簡単に他の人が代われる業務内容ではないわけですが、どうしても大きな組織に属していると、調整ごとや伝達や煩雑な作業は多くなります。そこで色んなことを学んだからこそ、今の心境に至っていて、要は、言葉を選ばずに言うと、「自分じゃなくてもいい仕事に思えてしまった」と。

そう、彼女は自分だけのストーリーを描きたいと思う様になったのです。

私は正直、ここまで賢くて、完璧だと思っていた人でも、同じ様に立ち止まり、悩むんだなとホッとしました。また、真剣に自分のストーリー設定について考えているからこそ、こんな若くても立ち止まれるんだなとも。

その人はこうも言ってました。

「一度こう考え始めると、もう以前のままでいいとは思えないんです」

(c)Shutterstock.com

守られた組織を出て、また一から挑戦することは本当に勇気が必要です。特にまだ日本は定年まで安定していることの良さが大事にされがちなので、この手の感情は奇行と捉えられてもおかしくない。

だからこそ、この境地に至れる人が少なく、チャンスが多いようにも私は感じています。アメリカなんてフリーランス転向や転職なんて誰でもやるので激戦なわけです。

そして、それについて考え始めると、どうしても前に進みたくなり、現状維持がもはや後退にすら思えてくる。

私は彼女にこう伝えました。

様々な手段を使って、色んな人に、自分の中にあるストーリーを発信した方がいい

ストーリーは誰かに知ってもらって初めて価値が生まれる

(c)Shutterstock.com

自分の中だけで今後の設定を作っても、何の意味もありません。こうしたい。こうなりたい。今の私はこれだ。自分の中でうごめくストーリーを誰に届けるか、伝えるか、反応してもらえるか。これが全てです。

それは、企業の採用担当かもしれませんし、エンジェル投資家かもしれないし、恋人募集中の人かもしれない。とにかくそのパイプラインは沢山確保しておくことをお勧めします。

韓国ドラマが国内での放送直後に、Netflixなどあらゆるストリーミングサイトで世界配信しているのと同じことです。

ここで留まるわけにはいかないから、思いも掛けないチャンスを生み出すために、誰かに自分を知ってもらうしかない。自ら大声を張り上げるしかないんです。

そんな作業をしていくうちに、自分のことをよく考えるようになり、いつの間にかストーリーが見えてくることもあるし、新しいストーリーが生まれることもある

「SNSでめちゃくちゃ発信する人って恥ずかしくないのかな?」って言っちゃうような方はまだこの境地に至ってないだけ。そんなことを昨年末に思い、ここでどうしても伝えたくなりました。

強いストーリーがあれば、どんなに迷っても、いつでもそこに戻ってまたスタートできる。あなたの人生を彩るストーリーを今年は作る年かもしれません。

◆これまでの連載はこちら

古瀬麻衣子

1984年生まれ。一橋大学卒。テレビ朝日に12年勤務。「帰れま10」などバラエティ番組プロデューサーとして奮闘。2020年、35歳で米国拠点のweb会社「Info Fresh Inc」代表取締役社長に就任。現在NY在住。日本人女性のキャリアアップをサポートする活動も独自に行なっている。

Instagram:@maiko_ok_
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