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2024.10.26

「鏡開き」はいつ? 意外と知らない由来ややり方を解説! アレンジレシピも紹介

「鏡開き」とは、お正月に飾っていた鏡餅を食べることを指します。昔からある慣習だと知ってはいるものの、その発祥や意味を知っている人は少ないのではないのでしょうか? 本記事では、「鏡開き」の意味や由来、いつなのか、またそのやり方まで解説します。

「鏡開き」とは? 意味や由来を知ろう

「鏡開き」を知っていますか? お正月に飾った鏡餅を割って食べることを言いますが、それにはきちんと意味があります。由来や意味、「鏡開き」の方法をご説明します。

(c)Shutterstock.com

まずは、「鏡開き」の風習からおさらいしていきましょう。

「鏡開き」の意味

「鏡開き」とは、お正月に飾っていた鏡餅を食べること。日本では、お正月に各家に年神様という新年の神様がお越しになると考えられており、鏡餅はお正月の間、年神様の居場所となっているのです。ちなみに、鏡餅のような「神様の居場所」のことを「依代(よりしろ)」と言います。

依代には年神様の霊力が宿っていますから、年神様がお帰りになった後、その霊力を分けてもらうべく、鏡餅を食べて、一年の無病息災を願うのです。

【鏡開き(かがみびらき)】
(1)《「開き」は「割り」の忌み詞》正月11日(もと20日)に鏡餅(かがみもち)を下ろし、雑煮や汁粉にして食べること。武家では、男子は具足に、女子は鏡台に供えた鏡餅を手や槌(つち)で割り砕いた。町家でもこの風習をまねて行うようになった。鏡割り。《季 新年》「伊勢海老の―や具足櫃(ぐそくびつ)/許六」
(2)「鏡抜き」に同じ。鏡割り。
小学館「デジタル大辞泉」より

「鏡開き」はいつすればいいの?

年神様がいらっしゃる期間を「松の内」と言います。「松の内」は、地域によって異なります。関東地方では元日から7日までを松の内とし、11日に鏡開きをするのが一般的です。関西地方では15日までを「松の内」とし、15日か、もしくは20日に鏡開きをします。

調べてみると、そもそもは全国的に20日が鏡開きの日だったようですが、徳川幕府第三代将軍・家光の月命日が20日であることから、20日を避けるようになり地域の差が生まれたのだと考えられているようです。

「鏡開き」の由来

「鏡開き」の由来は諸説ありますが、室町時代や江戸時代の武家で行われていた「具足開き」にあるとされています。武家では、男性は具足に鏡餅をお供えし、女性は鏡台に鏡餅をお供えする風習があり、お正月が明けたあとにこれらの鏡餅を割って食べたことが鏡開きの始まりとされているようです。

樽酒のふたを割るのも「鏡開き」

(c)Shutterstock.com

ちなみに、お祝いなどの席で樽酒のふたを割って開けることも「鏡開き」と言います。これはどうしてでしょうか。実は、樽酒のふたのことを酒屋さんで「鏡」と呼んでいたからだと言われています。

なぜ「割る」のではなく「開く」?

鏡餅にしても、樽酒にしても、実際には「割る」のに、なぜ「開く」と言うのでしょうか。これは縁起をかついでのこと。武家社会において「割る」という言葉は、切腹をイメージさせる言葉でした。なので、お正月に「割る」のはふさわしくないということで、末広がりの意味を持つ「開く」と言うようになったと考えられています。

米からつくられる日本酒は、昔から神聖なものとして扱われてきました。神事やお祝いごとなどに登場するのもそのためです。鏡餅の「鏡開き」も、樽酒の「鏡開き」も門出や節目に際し、幸福や健康、安全などを願う意味合いがあるので、「割る」というネガティブな表現は避けられたのでしょう。

「鏡開き」のNG行為

「割る」のではなく、「開く」と言うのは縁起をかついでのこと、と説明しました。これは言葉の上だけではなく、実際の行為にも当てはまることで、鏡餅は刃物で切ってはいけません。かつては手で割るか、木槌などで割るのが一般的だったようです。ほかには、鏡餅を残したり、捨てたりすることもNG。神様がいらした場所であったことを考えれば当然のことと言えます。

近年の「鏡開き」は昔と異なる?

(c)Shutterstock.com

ここまで、「鏡開き」のそもそもの形について説明してきました。しかし、近年の鏡餅は小分けになった餅が鏡餅の形をしたケースに詰まったものが主流で、鏡餅を自分で開く必要はなくなっています。便利なようですが、昔ながらの風習が伝えにくくなっているとも言えます。

お子さんがいる家庭では、伝統的な鏡餅を供えてみたり、話をしてみたり、日本の風習を伝えていけるような工夫をしていけたらいいですね。

正しい鏡開きの準備とやり方とは?

では、ここからは伝統的な鏡餅を使った「鏡開き」のやり方をご紹介します。

◆鏡開きのやり方

伝統的な餅を割るには、しっかり乾燥させることが大切です。十分に乾燥していれば、木槌などで叩けば割れます。「ちょっと割りにくいな」という時には、半日くらい水につけておいたうえで、電子レンジで少しやわらかくして手でちぎるといいようです。その際、やけどには十分気をつけてください。

「鏡開き」をしたらどんな料理をする?

無事に「鏡開き」が終わったら、アレンジしておいしく食べましょう。

(c)Shutterstock.com

1:お雑煮

もっとも一般的なのはお雑煮でしょう。それぞれの地域に伝わるお雑煮に餅を入れて食べる様子は、お正月らしく感じられます。

2:お汁粉・ぜんざい

お汁粉やぜんざいにして食べるというところも多いでしょう。小豆は昔から厄除になると言われています。

3:かき餅

子供たちに人気なのは「かき餅」。「欠き割った」餅、から「かき餅」と呼ばれるようになりました。食べやすい大きさにして、160度くらいの油で揚げて、塩やしょうゆをまぶせば、できあがり。餅を割った時のかけらを使うと簡単です。

4:グラタン

餅はチーズとの相性がいい食材。オーブントースターで焼いた餅をグラタン皿に並べ、ベーコンやピーマンといったお好みの具材を載せましょう。ホワイトソースとチーズをかけて焼き上げれば、とろ〜りとおいしい変わりグラタンになります。

5:餅巾着

油揚げに餅を入れて、かんぴょうで結べばできあがり。根菜類といっしょに煮れば、煮汁がジュワッとおいしい冬の煮物になります。油揚げを開く時には、油抜きをした油揚げをまな板の上に置いて、めんぼうでコロコロすると開きやすくなります。

6:鍋の具材に

冬の食卓の定番ともいえる鍋料理。ここに餅を投入してもおいしいです。餅は淡白なので、定番の和風の鍋だけでなく、キムチ鍋やトマト鍋、豆乳鍋などどんな鍋にもよく合います。

最後に

いかがでしたか? 「鏡開き」の風習とアレンジレシピをご紹介しました。「鏡開き」の要点は、刃物を使わないことと食べ切ること。いつまでに食べきらないといけない、という決まりはありませんので、いろいろな料理にアレンジして、ゆっくりいただきましょう。家族が一年間元気に過ごせることをお祈りするのも忘れずに!

TOP画像・アイキャッチ/(c)Shutterstock.com

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