コシヒカリよりササニシキ? レジスタントスターチの多いお米とは!?
みなさんは、モチモチと粘り気のあるお米と、サラサラさっぱり食べられるお米、どちらがお好みですか。
筆者はモチモチした「あきたこまち」が一番好きです。みなさんもそれぞれきっと好きな銘柄があるのでは?
今回は、「炭水化物は冷まして食べなさい。」(アスコム)の著者であり、腸活先生として知られる文教大学健康栄養学部教授・笠岡誠一先生にお米と腸活についての話を伺いました
笠岡先生に炭水化物は冷ますとスーパー食物繊維=レジスタントスターチに変わり、このレジスタントスターチが腸全体をくまなく掃除しながら、腸内細菌に栄養を与え、腸を隅から隅まで元気にしてくれるものだと言うお話は以前の記事で伺っています。
▶︎参考記事:痩せない人必見!「炭水化物を冷まして食べるだけ」簡単腸活でダイエット!
今回は、さらに深く掘り下げ、私たちの生活に欠かせない炭水化物=白米についてをチェック! どんなお米が腸活や健やかな体づくりに適しているのかを伺います。
■腸活先生に質問! お米の食べ応えの違いってなんですか?
笠岡先生:お米の粘り気は、約20パーセント含まれているでんぷんの質によって決まります。でんぷんは、アミロースとアミロペクチンの2種類で作られていて、アミロースの割合が少ないと粘りが強いご飯になります。「コシヒカリ」や「あきたこまち」、「ひとめぼれ」などの人気の品種は、アミロースの割合が少ないため、モチモチの食感を楽しめます。
一方、日本の伝統的な米の品種である「亀の尾」や「旭」、その流れをくむ「ササニシキ」系のお米は、アミロースの割合が多いため、炊き上げると粒立ちがよく、さっぱりとした食感です。タイ米などの細長いお米は、特にアミロースの割合が多いため、一粒一粒がしっかり硬く、サラッとした食感をしています。
■ここみなさんに腸活先生からみなさんにクイズ!
Q:痩せる効果を発揮しやすいお米は、コシヒカリとタイ米、どちらでしょうか?
笠岡先生:答えは、ご想像の通り、タイ米です。タイ米は炊き上げても硬さを残しているため、消化しにくいでんぷん(レジスタントスターチ)をたくさん含んでいます。
タイ米はリゾットやスープご飯にすると、食卓に取り入れやすいでしょう。タイ米ほどではありませんが、粘り気の少ないササニシキ系のお米は、コシヒカリ系のお米よりレジスタントスターチが多いといえます。
そもそもコシヒカリ系は、災害に強い品種のニーズにより生まれたお米なのですが、その結果ササニシキ系のお米の生産量が減っていったのです。私たちの「食の好み」は、もしかするとこのような社会状況が生み出したものにすぎないのかもしれません。
レジスタントスターチをたっぷりと摂取して健やかな腸や体づくりを目指すならば、ササニシキ系のお米を選んでみてはいかがでしょうか。
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まさか、お米によってレジスタントスターチの量が違うとは… びっくりです。たまには、ササニシキ系のお米で、レジスタントスターチを意識した暮らししてみるのもいいかもしれません。
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お話を伺ったのは…文教大学健康栄養学部教授・笠岡誠一先生
1967年、広島県生まれ。文教大学健康栄養学部教授。管理栄養士。食品栄養学修士(東京農業大学)。博士(農学)(愛媛大学)。
山之内製薬(現・アステラス製薬)健康科学研究所研究員、文教大学専任講師、アメリカ国立衛生研究所客員研究員を経て現職。専門分野は栄養生理学、食品化学。
レジスタントスターチに早くから注目し、レジスタントスターチを増やした「ハイレジ食」の開発なども行う。テレビや雑誌などメディアでの解説も多い。