【目次】
・「精進する」の読み方と意味とは?
・「精進する」をビジネス等で使う時の注意点とは?
・「精進する」の使い方は? 例文でチェック
・「日々精進」の四字熟語とは?
・「精進する」の類語にはどのようなものがある?
・「精進する」の英語表現とは?
・最後に
「精進する」の読み方と意味とは?
「精進料理」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 食事も行のひとつとして重要視され、僧侶にとって必須の食事です。では、「精進する」と言った場合、どのような意味になるのでしょうか? 本記事では、「精進する」の読み方や意味、ビジネスでの使い方について、解説していきます。
まずは、「精進する」の読み方と意味から確認していきましょう。
◆「精進する」の読み方と意味
「精進する」は「しょうじんする」と読みます。「精進」は、「1つのことに精神を集中して励むこと。一生懸命に努力すること」という意味。
「精進」とは、もともと仏教用語で、粗食をして精神修行をするという意味がありました。ですので「雑念を去り、仏道修行に専心すること。一定の期間行いを慎み身を清めること。肉食を断って菜食をすること」を表します。
修行に励むということは、「1つのことに精神を集中して励むこと。一生懸命に努力すること」という意味があるのです。「精進します」は、「誠心誠意、努力します」「一生懸命に頑張ります」などという決意表明に用いられます。
◆「精進する」の使い方は? 敬語として正しい?
ビジネスシーンにおいて、「精進する」はどのように使えば良いでしょうか?
「精進します」は、ビジネスシーンでよく使われるフォーマルな言い方です。「頑張ります」や「努力します」という表現に代えて用いると良いでしょう。挨拶や抱負を語る時などにとても重宝しますね。
また、「精進いたします」や「精進して参ります」と言えば、より丁寧に表現することができます。「精進いたします」は、相手に敬意を表した丁寧な言い方です。ビジネスメールでも頻繁に見かけているかもしれませんね。上司をはじめとする目上の方にはもちろん、取引先の方にも使える表現です。
「いたします」は「する」の謙譲語である「いたす」に丁寧語の「ます」がついた敬語表現。そして、「いたします」は、補助動詞であるため、ひらがなで表記します。「致す」という意味の動詞として使う場合は「致します」と漢字で表記するので、覚えておくと便利ですよ!
「精進して参ります」は、上司など目上の方に使える敬語表現になり、同僚や部下には使えません。「参ります」は「いきます」の謙譲語。補助動詞「いきます」をつけて、動作や状態が継続していくことを表します。そのため、未来に向かってずっと「精進する」ことが持続していく決心を伝えたい場合に用いましょう。
「精進する」をビジネス等で使う時の注意点とは?
「精進する」は、ビジネスシーンではよく使われるとご紹介しましたが、注意点はあるのでしょうか?
先述した通り、「精進します」は、ビジネスシーンではよく使われるフォーマルな言い方です。また、口頭でも文面でも使える表現。目上の人へのメール、書状、会話などに適しています。お詫びやお礼を伝えるときに使えそうですね。アドバイスをいただいたあとで、お詫びやお礼とともに「精進します」を使って、抱負の決意表明しましょう。
また、履歴書でも、「精進します」を使って意気込みや志望動機を表現することができます。ただし、履歴書で必須な自己PRですが、あまりにも自信過剰な表現は、かえって悪い印象を与えかねません。適度に「精進します」を用いて、さりげなく長所をアピールできると良いですね。
「精進する」の使い方は? 例文でチェック
では、例文を用いて、実際の使い方をみていきましょう。
1:「今後も現状に満足することなく精進を重ねていく所存でございます」
「所存」は「しょぞん」と読み、「心に思うところ。考え」という意味。したがって「所存です」は「考えています」という意味になり、「~しようと思っています」「~と考えています」を表します。
「精進する」+「所存です」で、「一生懸命に努力しようと思っています」という表現になります。目上の人や、社外の人へのメールや会話の中でも用いて問題ありません。「精進します」より少し控えめな感じですが、きちんと意志を伝えることができる言い回しです。
2:「この度は、弊社の不手際により多大なご迷惑をおかけし申し訳ございませんでした。今後はこのようなことの無いよう、精進して仕事に取り組んでまいります」
ビジネスシーンではお詫びをする場合にも「精進します」はよく使われます。この場合の使い方としては、ミスをしてしまったことをお詫びした後、これからこのようなことがないように「精進します」と締めくくるのが一般的です。
3:「今後も会社に貢献できるように日々精進してまいりますので、よろしくお願いいたします」
「日々」は、「毎日毎日」という意味。「精進してまいります」には、未来に向かってずっと「精進する」ことが持続していく決心が含まれます。ですので、「今後、毎日努力していきます」という決意表明をしたい場合に、用いると良いでしょう。「~してまいります」は他の動詞とのコンビネーションでビジネスシーンでもよく使われる言葉です。覚えておくと便利ですね。
「日々精進」の四字熟語とは?
先ほど、例文でもご紹介した「日々精進」は、四字熟語です。「ひびしょうじん」と読み、「毎日毎日、努力すること」という意味があります。四字熟語をさらっと使いこなせていたら、スマートで素敵ですよね。
「精進する」の類語にはどのようなものがある?
「精進」はフォーマルな表現ですので、親しい間柄では少し使いにくいかもしれません。「精進」の類語はどんなものがあるでしょうか? 確認していきましょう。
1:「努力します」
「精進します」が「一生懸命努力します」という意味であるため、そのまま、「努力します」と言い換えることができるでしょう。比較的親しい人へのメールや会話で使えます。意味は「精進します」と同じですが、印象はやや弱くなりますね。目上の人に用いるときは、「誠心誠意」や「一生懸命」をプラスすると良いでしょう。また、幼稚な印象を持たれかねないため、社外の取引先などに送る場合には使わない方が無難です。特にお詫びする際には、注意しましょう。
2:「尽力します」
「尽力」は「じんりょく」と読み、力を尽くすと書いて「一生懸命努力する」という意味。「これから一層尽力し、サービスの向上を目指します」などと、用いられます。尽力は、努力よりも外に対する働きかけの意味合いが強いです。自分のためでなく、他人のために何かをする場合に使います。ですので、他人に何かをしてもらった際に、「ご尽力ありがとうございます」とお礼を言うことができます。反対に、「努力をありがとう」「精進ありがとう」とは言うことが出来ないので注意してください。
3:「一心精進」
「日々精進」の類語として、「一心精進」があります。「一心精進」の読み方は、「いっしんしょうじん」。「自らの信念に基づいて懸命に努力すること」「右往左往することなく、自らの信念に基づいて懸命に努力すること」という意味があります。
「精進する」の英語表現とは?
「精進する」を英語で表現するには? 英語では、「努力する」というより、「これから自分が、最善を尽くします」という決意を述べる方が適切です。「最善を尽くします」という表現の“do my best”や“try my best”というフレーズを覚えておきましょう。より英語らしい表現としては、“I won’t let you down.”があります。直訳としては、「がっかりさせない」となりますが、「期待に応えます」という意味で用いることができる表現です。
【例文1】:I would do my best.(最善を尽くします)
【例文2】:I will try my best.(最善を尽くすよう努力します)
【例文3】:I won’t let you down.(あなたをがっかりさせません)
最後に
いかがでしたでしょうか? お詫びやお礼を言いたいとき、フォーマルな表現として「精進します」を用いることで、一生懸命努力する決意を伝えられることが分かりましたね。ビジネスパーソンとして、「日々精進」していきましょう!
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