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2023.12.24

「煩雑」の意味や使い方とは? 複雑・繁雑との違い・類語・対義語もまとめてご紹介

「煩雑」という言葉は日常生活やビジネスシーンでもよく耳にする言葉かと思います。「はんざつ」と読みますが、「ひんざつ」と間違って読んでいる人も少なくありません。会話や文書、メールで正しく利用できるように、本記事では「煩雑」の正しい意味や使い方、例文を紹介します。

「煩雑」とは? 読み方や意味を知ろう

「煩雑」という言葉はよく耳にする言葉です。しかし、実際に自分で書いたり話したりするには、少し注意が必要な言葉でもあります。意味を理解し、正しく使えるようになりましょう。

(c)Shutterstock.com

まずは基本を押さえましょう。読み方と意味を解説します。

◆煩雑の読み方と意味

「煩雑」は「はんざつ」と読みます。「ひんざつ」と読んでいる人を見かけることがありますが、これは誤りです。「頻繁」と書いて「ひんぱん」と読みますが、これと混同しているのかもしれませんが、字にしてみると全く異なりますね。「煩雑」の「煩」は、訓読みにすると「煩(わずら)わしい」とも読めることからもわかるように、「込み入っていて、わずらわしい」という意味。

一方、「雑」はさまざまなものが混じり合っている状態を表します。「雑種」「雑然」などという表現もありますね。この2つの漢字が合わさった言葉「煩雑」は、込み入っていて(雑)、わずらわしい(煩)という意味になるのです。

◆煩雑の語源

さらに語源を知っておくと理解が深まります。「煩雑」の「煩」の字を分解してみましょう。漢字の右側をつくりと言いますが、「煩」のつくりの部分の「頁」は頭のことを表しています。左側は火を表す火へんですね。頭に火がつくほど熱いというところから、わずらわしい、悩ましいなどの意味を持つようになりました。

この「わずらわしい」という心情が「煩雑」という言葉を理解するためのカギとなります。このあと、何度も登場しますので、ちょっと覚えておいてくださいね。

「煩雑」と“複雑・繁雑”の違いとは?

(c)Shutterstock.com

「煩雑」には、似たような言葉がいくつかあります。その中の代表格ともいえる「複雑」「繁雑」との違いをご説明しましょう。

◆「煩雑」と「複雑」の違い

「複雑」という言葉は日常でもよく使う言葉ですね。読みは「ふくざつ」。これは説明不要ですね。「この問題は複雑だ」とか、「複雑な人間関係にはもううんざりだ」などというように使います。この「複雑」という言葉の意味は、「物事の事情や関係が込み入っていること」です。いろいろなことが絡み合っていて、なかなか簡単に理解するのは難しい様子を指します。

では、「煩雑」との違いはどこにあると思いますか? 答えは、「わずらわしい」という心情が含まれるかどうか。「複雑」という言葉は、単にその状態を表しているのに対して、「煩雑」には、複雑な状況にわずらわしいという気持ちが含まれているのです。

◆「煩雑」と「繁雑」の違い

では、もう1つの似た言葉「繁雑」との違いはどうでしょう。「繁雑」は、「煩雑」同様、「はんざつ」と読みます。「煩雑」は、先にご説明したように、「事柄が込み入っていて、わずらわしい」という意味でした。

では、「繁雑」はというと、「やらねばならないことが多くあり、込み入っていること」と指します。さらに、「繁雑」には、「面倒だ」というニュアンスが若干含まれています。なので、似たような状況で使うことができますが、なぜわずらわしいのかという点を考えれば、正しく使い分けができそうです。

「煩雑」のその他の類語は?

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間違いやすい類語の解説を終えたところで、その他の類語をご紹介しますね。

ややこしい

もっとも馴染みのある表現かもしれません。「複雑でわかりにくい」「込み入っていて面倒」などという意味があります。使えるシチュエーションも幅広く、人に対して「あの人は本当にややこしい人だ」などということもできますし、物事に対して「ややこしいことばかり書いてある本だ」などということもできます。

厄介

これもよく使いますね。「あ~あ、厄介なことを頼まれちゃったなあ」というセリフを言ったことがある人も多いと思います。「扱いに手間がかかって困る」という意味です。

錯綜

「情報が錯綜している」という使い方でよく登場しますね。「物事が複雑に入り組んでいて、混乱している状態」を言います。先の文章だと「情報が複雑に入り混じっていて、混乱が生じている」という意味ですね。

「煩雑」の使い方を例文でチェック

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「煩雑」は人にも物にも使える、使い勝手のいい言葉です。また、日常的に使える言葉なので、自分で使うことも多いでしょう。その使い方を抑えておきましょう。

「上司の干渉により、プロジェクトの進行が煩雑化した」

煩雑になることを指して「煩雑化」という使い方ができます。どんどん事態が煩雑になっていく時、「事態がどんどん煩雑化していく」というように使うことができます。

「ことの煩雑さに拍車がかかる」

「煩雑」に「さ」をつけて、名詞として使うことができます。「ことのわずらわしさが、一段とひどくなる」ということですね。「拍車がかかる」はいいことにも使う言葉ですが、「煩雑さ」と合わせて使う場合には、いいニュアンスはありません

「その手順は煩雑すぎる」

例えば、仕事で物ごとの手順を考えていたとしましょう。その手順が、複雑で使う人がわずらわしさを感じる場合などに、このような言い方かできます。

「煩雑」の対義語は?

「煩雑」は十分に理解できましたか? では、「煩雑」の対義語を挙げてみます。

対義語
  1. 簡易
  2. 単純
  3. 素朴

簡易

手順や手続きが簡単なこと、やさしく行えることを指します。

単純

物事が混みいっていないこと。「考え方は単純がいちばんだ」などというように使います。シンプルとも言いますね。

素朴

この言葉も対義語のひとつと言えます。考え方などがシンプルで、自然のままに近いことを表しています。

「煩雑」の英語表現も知ろう

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英語ではどう言うと思いますか? 「complex」「complicated」などが、「煩雑」の意味を表します。

・Philosophy is a very complex subject.「哲学はとても煩雑な科目だ」

・It’s too complicated to explain.「説明するには煩雑すぎる」

などが例として挙げられます。

最後に

「煩雑」について理解できたでしょうか。説明したように「煩雑」には、「わずらわしい」という意味があります。ですから、職場などで安易に使わないようにしましょう。でないと「この人、相当面倒くさがりなんだな」と思われてしまうかもしれませんよ。

メイン・アイキャッチ画像:(c)Adobe Stock

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