「御社」と「貴社」の違いは? それぞれの使い分けと意味
お取引先の会社の呼び方として思い浮かぶ「御社」と「貴社」。どんな違いがあるの? 使い分け方は? 早速チェックしてみましょう。
◆御社も貴社も意味は同じ!
【御社】とは「相手を敬って、その人が属する会社などをいう語」のことをいいます。読み方は「おんしゃ」。
【貴社】とは「相手を敬って、その所属する会社などをいう語」のことをいいます。読み方は「きしゃ」です。
御社も貴社も相手の会社を敬って呼ぶ言葉なんですね。
◆御社は話し言葉? 貴社は書き言葉?
御社も貴社も同じ意味ということを確認しましたが、使われるシーンに違いがあります。
具体的には御社は話し言葉として面談中などに使われ、貴社は書き言葉としてメールや文書などに使われます。
これは「きしゃ」には貴社、帰社、汽車、記者… と同音異義語がたくさんあり、話し言葉で相手の会社を指す際に誤解が生じないように御社が使われることが多くなり、それに伴って貴社は書き言葉としてのみ使われることが多くなったという経緯があるといわれています。
しかし、確認したとおり、意味は同じなので、話し言葉に貴社を使ったり、書き言葉に御社を使っても、相手に失礼にあたる、なんていうことはありませんのでご安心を!
【御社】が話し言葉として浸透しだしたのは1990年初め頃からといわれています。そのため、少し前までは御社と聞くと違和感を感じる方もいらっしゃったようです。
30年が経ち、就活も「御社が第一志望です!」というフレーズで乗り越えてきた世代が会社の大半を占めるようになっていますので、貴社と話し言葉で聞く方に違和感を感じるケースが増えているかもしれませんね。
決して使い方は間違っていないのに、時代によって違和感を感じたり感じなかったりするのは、言葉が生きているからであり、おもしろいですね。
言葉の意味/デジタル大辞泉
鶴田初芽
都内在住のOLライター。マナーインストラクターであり、実用マナー検定準一級や敬語力検定準一級など、ビジネスにおけるマナーや、マネーに関する資格(2級ファイナンシャル・プランニング技能士、金融コンプライアンスオフィサー、マイナンバー保護オフィサー)などを保有。丁寧な暮らしに憧れ、断捨離修行中!