野菜などの副菜を充実させてバランスのよい食事を!
免疫とは、病原体や毒素などを異物として認識し、排除しようとする生体の自己防衛機能のこと。皮膚や粘膜、白血球、リンパ球、酵素などの器官や組織が役割を担っています。
免疫力が低下するということは、細菌やウイルスに感染しやすくなることで、風邪をひきやすくなる、病気が治りにくくなる、疲れやすくなるなどの自覚症状として現れます。
免疫力が低下する原因は、たんぱく質や抗酸化成分などの栄養不足、体力の低下、睡眠不足などの休養不足、ストレス、低体温などが考えられます。
免疫を担う組織の主成分は、たんぱく質。ダイエットなどで食事を制限したり、欠食や偏食で食事をおろそかにしたりすると、たんぱく質が不足して免疫力低下につながります。魚介や肉、卵、大豆製品など、たんぱく質を多く含む食品はしっかり摂りましょう!
免疫機構を強化するために意識して摂りたいのは、ビタミンA(β-カロテン)・C・E。これらは重要な免疫細胞であるリンパ球を酸化のストレスから守ります。
ビタミンAやCは粘膜を健康に保つ働きもあり、粘膜から細菌やウイルスに感染することを防止。特ににんじんやかぼちゃ、モロヘイヤ、ほうれん草、ブロッコリーなどの緑黄色野菜に豊富に含まれるので、積極的に摂りたいところ。
また腸内環境が良好に保たれていると免疫系の働きが活発になるので、野菜や果物、きのこ、海藻などに多く含まれる食物繊維、そして乳酸菌などを摂取することも大切。魚介や肉に含まれる亜鉛や、きのこに多く含まれるβ-グルカンなども免疫機能を高めるとして注目の成分です。
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からだの不調は、食事で予防・解消できるものもたくさんあります。書籍『からだにおいしい キッチン栄養学』では、この他にも気になる症状に効果的な食べ合わせや調理法が詳しく紹介されています。ぜひあわせてチェックしてみてくださいね!
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『からだにおいしい キッチン栄養学』(監修:宗像伸子/高橋書店)
虫歯予防にはカルシウム、貧血には鉄、もの忘れには葉酸など、からだの不調にはそれを予防・解消してくれる栄養素があります。そして、それらの栄養素は食材の組み合わせや調理法次第で効果的に摂れます。本書では、51もの気になる症状の栄養対策と、その栄養素を効率よく摂取する方法を紹介しています。かしこく食べて、健康なからだをつくりましょう。