除菌・消毒・抗菌・殺菌・滅菌の違いってなに?
マスク着用、手洗いやうがいを徹底するだけでなく、お店の出入り口で体温測定が行われていたり、ハンドジェルが設置されるなど、すっかり私たちの生活様式が変わりましたよね。
いろいろなグッズが出ているところですが、消毒、除菌、殺菌… これらの言葉の意味を正しく理解できてますか?
◆大きな分類としては、菌を殺すか? 抑えるか?
菌にまつわる言葉の大きな分類として、菌を殺すか、はたまた殺しはしないけど増殖を抑えるかにわけられます。
◆菌を殺すこと… それが殺菌
菌にまつわる言葉の意味について、それぞれ紹介していきます。
【殺菌/さっきん】とは「細菌をはじめとする微生物、特に病原体を死滅させること」をいいます。菌などを死滅させることの総称が殺菌です。
【滅菌/めっきん】とは「熱・薬品・放射線・紫外線などで細菌をはじめとしてウイルスやカビも死滅させること」をいいます。手術で使用する医療器具などが滅菌されています。病原体へのアプローチの強さが伝わりますよね。
病原体の感染力や病原性を無くすのが消毒。
【消毒/しょうどく】とは「薬品・熱などによって、病原性をなくすこと」をいいます。マキロンを代表とする消毒液など、小さい頃から身近な言葉ですよね。
このうち、殺菌と消毒は、厚生労働大臣が品質・有効性・安全性を確認した医薬品と医薬部外品にのみ認められる表記なんです。
手指などの身体に用いる場合には、医薬品や医薬部外品と表示のあるものから選ぶと安心なので、殺菌や消毒と表示されているものが適しているといえそうですね。
◆菌を殺しはしないけど増殖を抑える代表は、除菌
【除菌/じょきん】とは「細菌を取り除くこと」をいいます。菌を死滅させるのではないのですが、取り除くことを指します。
死滅させないのに取り除く…? と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。例えば、手洗いやうがいは死滅させるのではなく、洗い流していますよね。それが取り除くということ。つまり、手洗いやうがいは除菌のひとつの方法なんですよ。身近なもので言えば、除菌効果のあるウェットシートなどの除菌グッズでしょうか。
除菌の表示に関しては、例えば洗剤・石けん公正取引協議会が定める試験方法により、一定の基準をクリアしたものが表示できるとするなど、各業界団体が自主基準を設定しています。
そのほか、菌の増殖を抑えようとするのが抗菌です。
【抗菌/こうきん】とは「細菌の発生・生育・増殖などを抑制すること」をいいます。抗菌は、そもそもの発生を抑えることも含むんですね。こちらも各業界団体が抗菌加工製品ガイドラインに基づくルールを定めたり、抗菌SIAAマークなどを制定しています。
参考:日本石鹸洗剤工業会ホームページ「滅菌・殺菌・除菌・抗菌」などの用語
洗濯洗剤などで抗菌パワーという言葉などをよく耳にしますし、最近では「抗菌加工」のマスクなども目にするようになりましたね!
いかがでしたか? 細菌をはじめとした病原体をなくすことは、滅菌 > 殺菌 > 除菌・抗菌の順で効果が高いことがわかりますね。同じような言葉でも、意味の違いを理解すると、生活用品を買う際の目安になりますね。
言葉の意味/デジタル大辞泉
鶴田初芽
都内在住のOLライター。マナーインストラクターであり、実用マナー検定準一級や敬語力検定準一級など、ビジネスにおけるマナーや、マネーに関する資格(2級ファイナンシャル・プランニング技能士、金融コンプライアンスオフィサー、マイナンバー保護オフィサー)などを保有。丁寧な暮らしに憧れ、断捨離修行中!