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2020.08.31

アメリカ移住は困難の連続… “泣きつく”も必要なスキルだ<元テレビ朝日プロデューサー転職実録#6>

仕事と自分の人生を見つめ直す社会人10年目。アメリカ移住準備を開始した矢先から、次々と問題が…。元バラエティ番組の女性プロデューサー 古瀬麻衣子が考える「理想の人生」への近づき方。

古瀬麻衣子

#6 アメリカ移住は困難の連続、それでも諦めない

<これまでの連載はこちら>

N.Y.で社長をやってもらえませんか?」と驚愕のオファーが来てから9ヶ月後、就労ビザも取得し、いよいよ本格的な移住の準備に精を出す時が来た。

大企業の駐在員として渡米するなら、話は簡単。会社の金銭的サポートも手厚く、現地に同じ駐在員がいるので、分からないことは何でも教えてもらえる。

私のように社員が1~2名しかおらず、頻繁に日本から移住して来る人を受け入れる経験がない会社は、何もかも一人で準備するわけだ。

いや、そもそも何を準備していいのか分かるはずもない。Googleに頼るしかない。

◆アメリカ移住で立ちはだかった現実

(c)Shutterstock.com

今回はアメリカ移住に興味がある方へ、私の目線からその現実をお伝えしたい

まず大前提として、我々はいわゆる“移民”なわけだ。国籍がなく、両親が住んでいたり、大企業の社員なんて幸運がなければ、アメリカ国内に信用というものが存在していない

要は『こいつ誰?』状態。日本に生まれれば、大抵悩むことなく家を借りられるし、銀行口座を開けられるし、クレジットカードも簡単に作れる。

そんな至極当然だと思っていた生活の基盤が容易に築けないことにまず愕然とする。

【1】渡米したその日から、私は一体どこに住むのか? 住居問題!

(c)Shutterstock.com

土地勘もないN.Y.で、オンライン上でマンションの内見をしても、理解出来る訳もなく、当然、渡米後に探すわけだが、家が決まるまでの1ヶ月くらいをホテル住まいなんて贅沢は一般人にはご法度。

日本のビジネスホテルのような、1泊6000円で個室&お風呂トイレ付きなんて好条件は存在しない。1泊6000円だと、マンハッタン内ではドミトリーのような、みんなで雑魚寝レベルの宿泊所しか見つからない。1泊3万円~と考えてほしい。

Airbnbでシェアルームを探すも、不安200%の状態で、初日から知らない人と暮らすなんて、私には無理だった。ここは人を頼るしかないと、数えるほどしかいない知り合いに、どこか安い仮住まいが無いか泣きついた。

いつか恩返しするから、助けてください!

素直に泣くと、人は大概助けてくれる。

友達の友達レベルの付き合いしかない優しい女性建築家が、リフォームを頼まれている人の家がまだ着工できず、空いていると。頼み込んでくれて、破格の1日$70で、2LDKの素敵なマンションを1ヶ月限定で借りられることになった。

安心しすぎて、本気で泣けた。

【2】謎の「どっちが先なの?」問題

(c)Shutterstock.com

アメリカには日本のマイナンバーのような制度が同じく存在している。

在住者はみんな、ソーシャルセキュリティナンバー(SSN)を必ず取得する必要がある。申請して数週間で自宅に郵送されてくるらしい。

当然、住所が必要。いや、待てよ。

現地の人の話だとSSNがないと、家が借りられないって。正式な住所とSSNがないと、銀行口座も開設できず、携帯も契約できないって、、、ニワトリが先か、卵が先か。

郵送されてくるのに2ヶ月かかりましたなんて話もあって、そんなルーズなアメリカ行政からの封筒を待ち続けてたら、私の生活は一体いつ整うのか。

でも、誰に聞いても、明確な答えに辿りつかない。How toのサイトも全部なんか違うこと言ってる。

人生初、住所不定の恐怖。その解決策、見えず。

◆困難を乗り越えるためなら泥臭いことも厭わない

(c)Shutterstock.com

こんな初歩で、こんなに悩むかと頭が割れそうになったが、道は一つだった。

誰かに泣きつけ。

1ヶ月しか住めないマンションの住所を書くのはあまりにも迷惑なので、現地にいる友達に「住所を貸してください」という、今後一生口にしないワードを投げかけた(その子の家に後日SSNが届いたとき、泣けた)。

携帯も、日本の契約はストップして、アメリカで1ヶ月使えるSIMを購入し、その間になんとかしようと賭けに出た(最悪、多額のデポジットを払うしかない)。

あと、ドル立てのクレジットカードもアメリカで簡単に作ることが出来ないと聞き、このキャッシュレス時代に原始人になるかと思ったが、航空会社系のカードをすでに持っていたら、同じ会社のUSA版カードが日本にいる間に作れると判明。

他にも、荷物の輸送、円からドルに海外送金など、人生初の作業に毎日一人で向き合った、、、まともな生活が送れる日を夢見て

何もかも揃っている東京で、何をするにも全てがスムーズだった35歳の女が、誰も自分のことを信じてくれない国に移り住む苦難。

渡米の日は刻一刻と近づいてくる。

全く先の見えない人生よ、こんにちは。

◆これまでの連載はこちら

古瀬麻衣子

1984年生まれ。一橋大学卒。テレビ朝日に12年勤務。「帰れま10」などバラエティ番組プロデューサーとして奮闘。2020年、35歳で米国拠点のweb会社「Info Fresh Inc」代表取締役社長に就任。現在NY在住。日本人女性のキャリアアップをサポートする活動も独自に行なっている。

Instagram:@maiko_ok_
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