三澤世奈さんってどんな人?
ガラスの表面をカットすることで美しい模様を浮かび上がらせる江戸切子。今回ご紹介する三澤世奈さんは、180年以上続くこの伝統工芸品に魅せられ、日々作品を生み出し続ける若き女性職人。
女性ならではの、日常に溶け込むかわいいデザインが特徴の彼女の作品は、ミシュランの名店や一流ホテルなど多くの場所で重宝されている。
また彼女の親方であり、切子の世界では誰もが知る職人の堀口徹氏も「色の組み合わせにやられた。今までの江戸切子になかったし、自分の中にもなかった」と期待を寄せる。
−−江戸切子職人になった理由とは?
幼い頃から手先が器用だったいう三澤さん。「友達の携帯をきらきらのデコ電にしたり、ネイルチップを作ったりして、すごく喜んでもらえた」という原体験から、将来は「自分が好きなもので喜んでもらえる仕事がしたい」と考えていた。
そして大学時代、彼女の人生を変える出会いがあった。「現在の親方が監修をした、江戸切子の器で作った美容クリームの商品を見たときに、本当に感動したっていうか衝撃を受けた」という。
すぐに弟子入りを志願したものの、タイミングが合わずに断念。その後、一度はネイルサロンに就職したものの、江戸切子への思いが諦めきれず日々HPをチェックしていたところ、ある日、求人募集を見つけた。そこで再び門を叩き、彼女の職人人生がスタート。
それから日々研鑽を積み重ね、昨年、29歳の若さで自身のブランド「SENA MISAWA」を立ち上げた。
三澤世奈さんの「7つのルール」
さて、そんな彼女が「いつもしている7つのこと」=「セブンルール」とは…?
■1. 彫りながらデザインを決める
作品を作り上げる際、彫りながらデザインを決めるという三澤さん。最初にすべてを決め過ぎないことが、いままでのパターンにとらわれないデザインを生み出す秘訣。
■2. 親方の言葉はノートにまとめる
親方に少しでも近づくために弟子入り以来続けていること、それは親方に教わったことをノートにまとめること。定期的にそのノートを見返すことで、大切なことを思い出しているそう。
■3. 試作の写真は1000枚撮る
試作品を作り終えたら、できる限り写真を撮るのがこだわり。写真を撮ることで、客観的に作品を見ることができるのだとか。また我が子のように思えてつい写真に収めたくなる気持ちも!
■4. 家ではずっとラジオを聴く
テレビのない自宅では、何をするときでもラジオを聴くのがお決まり。江戸切子のことを考えたり、作業をしたりするときも、BGMのように流れるラジオがちょうどいいそう。
■5. 週に1度ガラスを吹く
三澤さんが週に1度は足を運ぶ場所、それは吹きガラスの教室。ガラスへの理解を深めるため通い始めたが、いまではそれも楽しみになっているという。
■6. ネイルは切子に合わせる
ネイルのデザインも、切子に合わせるという三澤さん。彼女にとってネイルは、作品を際立てるアイテムのひとつ。江戸切子の良さを伝え、お客さんに使ってもらうことまでが仕事。
■7. 江戸切子に手書きの手紙を添える
一人でも多くの人に、江戸切子の魅力を知ってもらいたいという三澤さん。その想いを伝えるため、作品には必ず手書きの手紙を添えるのがポリシー。現在、江戸切子の世界は衰退しつつあるが、その伝統を絶やすことなく次の世代へとつなげていきたいという。
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次回の「7ルール」の放送は、9月1日(火)よる11時00分~。主人公は、大阪で愛される小さな老舗書店、隆祥館書店 店主・二村知子さん。
Oggi.jpでは、番組を振り返りながら仕事をする女性たちへのヒントを見つけていきます! ぜひチェックしてみてくださいね♡