漢字よりひらがな・カタカナで書いた方がいい言葉
会社のメールや書類を作成するとき、漢字とひらがな、どちらで書くべきか、迷うことがあると思います。たとえ自分がその漢字を読めたとしても、相手が読めなかったら伝えようと思ったことを十分に伝えきれませんよね。前回は、読みやすさに注目して、漢字にすべき場面を確認しました。
前回記事▶︎できる社会人は知っている… ひらがなと漢字の割合は7:3!【文章マナー】
今回は、逆にひらがなやカタカナで書く(漢字にすべきではない)ケースをチェックしましょう。
◆ひらがなで書く場合
ひらがなで書くときは、一般的に常用漢字であるかどうかを基準にして書き表します。
内閣が定めた常用漢字とは、法律や新聞・雑誌、放送など社会生活のなかで使える共通の文字のこと。5万字以上もある漢字のなかで使いやすい字を選んでいるため、この常用漢字をもとに判断します。
とはいえ、パソコンやスマホで文章を打つことが増え、漢字変換が簡単にできるため、どこまでが常用漢字なのかぱっとわからないですよね。そんなときはまずは手書きで書けるか想像してみましょう。
例えば、薔薇(ばら)。薔薇は、漢字で表しても読める方は多いと思いますが、いざ手書きで書こうと思ったら難しいのではないでしょうか。そういった漢字は常用漢字でないことが多いです。ひらがなで書きましょう。ひとつ、判断基準ができましたね。
もうひとつ、判断基準があります。円らな(つぶらな)や、想う(おもう)、棄てる(すてる)など、常用漢字表に漢字は載っているけれど、使おうとした読み方は載っていないという場合。そういった場合にも同じくひらがなにしましょう。
意外と一般的に使われているような読み方もひらがなで表した方が良いんですね。ちなみに、この常用漢字表には載っていない読み方を表外読み(ひょうがいよみ)といいます。
また、当て字もひらがながベター。滅茶苦茶などが当て字ですね。公的な書類には適していませんが、「めちゃくちゃ」とした方が良いでしょう。
▶︎『常用漢字表』は文化庁のホームページに掲示されています。学校で習う漢字は常用漢字なんです。
◆外来語はカタカナで!
外来語とは「他の言語から借用し、自国語と同様に使用するようになった語」(デジタル大辞泉)をいいます。主として欧米諸国から入ってきた言葉のことです。
例えば、瓦斯(ガス)や珈琲(コーヒー)などが漢字で書くこともできる外来語ですね。外来語にはカタカナを用いると文化庁が示しています。▶︎『外来語の表記に用いる仮名と符号の表』
外来語のほか、外国名や外国人名を書くために用いられるのがカタカナです。
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いかがでしたか? 日本語教育の一環として、漢字とカタカナの表記のよりどころが文化庁によって定められているとは驚きですよね。
文章の趣旨などによってあえて常用漢字以外もひらがなではなく漢字で書いたり、外来語を漢字で書くこともありますが、私たちが会社で作成する文章においては、こういったルールを知っておくと間違いがありませんよ。
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鶴田初芽
都内在住のOLライター。マナーインストラクターであり、実用マナー検定準一級や敬語力検定準一級など、ビジネスにおけるマナーや、マネーに関する資格(2級ファイナンシャル・プランニング技能士、金融コンプライアンスオフィサー、マイナンバー保護オフィサー)などを保有。丁寧な暮らしに憧れ、断捨離修行中!